実はここ最近、ちょっと劇場から遠ざかり気味でして。
『沈黙-サイレンス-』や
『淵に立つ』、
『マグニフィセント・セブン』に
『ザ・コンサルタント 』と劇場で観なくちゃいけない映画がどんどん公開されているのに、これじゃイカンなぁ・・・
と思い始めた矢先に
大本命が遂に公開。
早速劇場に!
『ドクター・ストレンジ』
【ストーリー】
上から目線の天才外科医ドクター・ストレンジ。突然の交通事故により、神の手を失った彼を甦らせたのは・・・魔術。
指導者エンシェント・ワンのもと、過酷な修行をかさね人智を超えた力を手にしたストレンジだったが、世界を破滅へと導く闇の魔術の存在を知ったとき、彼は壮絶な魔術の戦いに巻きこまれてゆく。。。
いよいよ巨大な連続ドラマと化してきたマーベル映画の第14弾は魔法使いが主人公。
もちろんこの作品も後々
「アベンジャーズ」に組み込まれていくんだけど、今作はアベンジャーズ色はかなり薄味。予備知識が無くてもこの作品単体で十分楽しめる物語に仕上がっております。
たしかに、日本での宣伝でもあまりアベンジャーズは強調されていない様子。
ここまでのシリーズになってしまうと、アベンジャーズという大看板が逆に
「でも、アベンジャーズ観たコトないしなぁ」という層には足枷になってしまうかも。
だからこそ今作は
シリーズ初心者の方にこそオススメしたい、娯楽映画のお手本のようなハチャメチャに楽しくて刺激に満ちた快作でした。
ポイントその① 役者陣が豪華!
主役のドクター・ストレンジを演じるのは、
『SHERLOCK(シャーロック)』では天才探偵、
『イミテーション・ゲーム / エニグマと天才数学者の秘密』ではコンピュータの基礎を発明した天才数学者、そして
『スター・トレック イントゥ・ダークネス』では天才超人類と、天才を演じさせたら天下一品大阪王将(?)な
ベネディクト・カンバーバッチ。
天才外科医にして生まれながらの魔術の申し子というまるっきりマンガみたいなキャラクター(マンガだけど)を、ノリノリで演じております。
そんなカンバーバッチの師匠には、演技派女優の
ティルダ・スウィントン。
個人的にはこのキャスティングが一番嬉しかったなぁ。
ご尊顔をわざわざ貼り付けたのには理由がありまして。
ご覧のとおり超絶美形、、、というか、美形を通り越して最早
エルフ顔。
ケンブリッジ大学卒業の超インテリで、スラリと伸びる体躯は180㎝の長身。しかも今年で御年
56歳(!)という、
「この人、ホントに魔法使いなんじゃねぇのか?」と思えるほどに人類としては最高ランクの高スペックの持ち主で、個人的にはガラドリエル様(by指輪物語)はケイト・ブランシェットよりもこの人の方がしっくりくると思ってます。
「こんな女優がマーベルのバカマンガ映画(褒め言葉です)にッ?!」
と、最初は我が耳を疑ったんですが、インタヴューなどを読むと撮影を楽しんでおられたご様子でなにより。
そんな善玉コンビを相手に大暴れするのは、今全地球規模でモテモテな中年男子といえばこの人、
北欧の至宝こと
マッツ・ミケルセン。
この映画のキャンペーンで来日した際も、
「マッツ~!マッツ~!」と全国の婦女子の皆様から黄色い声援を浴びかけられておりました。
ポイントその2 視覚効果が凄い!
映画という娯楽の本質のひとつは、
「見たコトのない光景を見せる」だと思うんです。
この映画では、そんな今まで見たコトも体験したコトもないような映像体験が味わえます。
予告編を見ていただくと分かるように、劇中では街の景色がグニャグニャ曲がったり歪んだりとトンデモないコトになってます。
映画本編はこの他にも刺激的で斬新な
「奇妙で奇怪な景色の描写」が続々と登場し、まるで
万華鏡の世界に飛び込んだような、または
エッシャーのだまし絵の中に迷い込んだような感覚に陥ります。
しかも、これが3Dで迫ってくるんだコンチクショウ。
ちょっと大袈裟に表現すると、
「観るドラッグ」といっても過言ではない衝撃的な刺激的体験。
正直、視覚から入ってくる情報量があまりに多過ぎて、
脳の処理が追いついていかないという異常事態もチラホラ。
この映画は是非3Dで、、、というか、3Dで見るコトに価値のある作品だと思います。
この視覚体験だけでも、1800円の価値アリ!(断言)
ポイントその③ 奇想天外で愉快痛快な物語!
魔法がテーマといっても、
『指輪物語』のような深遠さや
『ハリー・ポッター』のような奥深さはなく、あくまでもビジュアルのカッコ良さ重視な
「ヒーローの武器やアイテムがたまたま魔法だった」程度の味付け。でも、アメコミ映画なんだからこれくらいのアバウトさが調度いいんだよね。
ぐにゃんぐにゃんと歪む景色の中で、魔法陣から武器やら盾を召喚してぶん殴り合う近接格闘戦のチャイルディッシュな爽快感たるや!
「魔法使いがどうして肉弾戦すんの???」
なんて疑問はナンセンス。楽しけりゃあいんです!
あと、ちょっと面白かったのが、ラスボスとの決着のつけ方。
この手の娯楽映画の常として、最後はやっぱり体育会系的な直接対決かと思いきや、今作は
ちょっと面白い方法で決着をつけます。
ネタバレになるので書かないけれど、
「コメディーか?!」と思わずニヤリ。
明るく楽しいマーベル作品らしく、気の効いたギャグや小ネタも満載だし、登場する人物全てのキャラが立っているので観ていて素直に楽しいし、なにより映像が凄まじ過ぎるので、観終った直後の
「あぁ、思いっきり映画観たなぁ~!」という満足感はかなりのものでした。
ファミリーでもカップルでも楽しめる痛快娯楽活劇となっておりますので、お時間に余裕のある方は是非とも劇場へ!
最後に。
このコントは、全米で大人気のトーク番組
「ジミー・キンメル・ライブ!」に映画の宣伝でカンバーバッチ本人が登場した時の模様。
バカバカしい寸劇に全力で付き合っているカンバーバッチが、なんとも微笑ましいですなぁ。