ボクとマリオ・ジャコメッリ

miroku

2018年01月07日 23:50

今年の入って、ブログのプロフィール画像をちらっと変えてみました。
とはいえ、こんな不人気ブログのそんなマイナーチェンジなぞ誰の目にも止まることなどなく、猟奇趣味仲間(どんな仲間だ?)のほそっぱちさんだけがかろうじてその変化に反応していただいたというね。

そのほそっぱちさんから「この写真、なんぞ?」という問い合わせがあったので、簡単に紹介してみたい所存。






プロフィールに使っているこの写真は、イタリアの写真家マリオ・ジャコメッリ「私にはこの顔を撫でてくれる手がない」という連作の中の一枚です。
純白の雪の中で黒衣の神学生たちが舞い踊っているその姿は、一見調和を感じさせつつも孤独や疎外感といった感情も惹起させる不思議な構図になっていて、ハイコントラストなモノクロの効果(まるでイラストレーションのよう!)も相まって、見た者に不思議なインパクトを与える写真になっています。

このジャコメッリという写真家、大好きなんです。

この人の撮る写真はほとんどがこのように不思議な味わい、、、もっといえば不穏や不安に満ちたものが多く、こんな表現は適切ではないけれどまるで「心霊写真のようなぼんやりとした薄気味の悪さ」に強く惹かれてしまって。







「スカンノ」






「死が訪れて君の眼に取って代わるだろう」




「スカンノ」の、現実と異界が交錯したような曖昧さや、「死が訪れて君の眼に取って代わるだろう」の今まさにホスピスにて死にゆく老女と、彼女の周囲の現在進行形な生(なま)の生活感との恐ろしい違和感、、、彼の写真の中でも特に好きな2枚です。




興味のある方は「マリオ・ジャコメッリ」で画像検索すると、彼の作品のいくつかはヒットするはずなのでそちらをば。
もっと深く知りたいという方は、作家の辺見庸氏による「私とマリオ・ジャコメッリ― 生と死のあわいを見つめて」をオススメしておきます。






厳密にいうと写真集ではないものの、代表的な作品は網羅されているし、辺見氏によるジャコメッリ論も読み応えアリ。で、しかも安い!(アマゾンなら700円くらいで購入可)






シャレオツで大判なこんな写真集も出てはいるんだけど、正直ちょっとお高いので。。。



以上、「彼に影響されてボクも一時期写真を撮っていたんだけど、、、そういや最近カメラすら手に取ってないな」な反省極まる日曜の深夜でしたとさ、トホホ。





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