2018年09月29日

お久しブリアナ・ヒルデブランド

ども!お久しブリアナ・ビルデブランド。

ボクのコト、覚えていらっしゃいますでしょうか?
ホラ、あの不細工と低偏差値が奇跡のコラボを果たした人類史上に燦然と輝く失敗作のミロクですよ(自分で書いてて哀しくなってきた…)



いやぁ、サボりましたなあブログ。
職業にブログサボリニストというカテゴリーがもしも存在するならば、きっと高額納税間違いなしなくらいにサボりにサボりまくったんですが、ここ最近何人かの人たちに「ブログやめちゃったんですか?」と聞かれたので、

「この世界にはボクのブログを待ってくれている人がいるのかも???」

という100%勘違い(もしくは幻聴)の名の下に久し振りに更新してみた次第。
まあアレですね、何年も一向に捕まらない指名手配犯がテレビでたまに放送される警察密着24時的な番組で「オイ犯人!絶対に風化なんてさせねえからな!必ず逮捕してやる!」と生存確認させられるみたいなものとお考えいただければと(どんなブログだよ?)



といっても、コレといって書きたいコト、お知らせしたいコトなどなく、相変わらず映画を観たり食べたり寝たり起きたり弱音を吐いたり「会社に隕石ぶつからねえかな」と妄想の世界に逃避したりのトリコじかけの毎日だったりします。

あ、でもこれだけは書いておこうかな。
どうやらワタクシ、ダイエットに成功したようで。
会う人の悉くが「痩せた?」と聞いてくる始末。去年の今頃は「もうこの服に腕や足を通すコトはないだろうな…」と諦めたお気に入りのシャツやジーンズが、今や若干の余裕を感じるくらいにスムーズに着こなせる平成最後の初秋でございます。

ただ…
「痩せた?」の後に必ずといってよいほど「大丈夫?」と続いてしまうという事態に。
もしかして、これは「痩せた」のではなく「やつれた」なのでは???というイチモツ…もとい一抹の不安をボクの持ち味でもある「思考停止」で回避しつつ、さっさと本題へ(懐かしいなこの流れ)



流石に近況報告だけで更新を終わらすのもアレなので、最近ハマっているお店のオナハシなぞ。











この3品、全て同じお店のお料理でして。
食堂スワロウさんの日替わりランチです。

女性の店主さんお一人で切り盛りされているそのお店は、お味はもちろんのこと、昭和モダン溢れるしっとりとしたお洒落感かつ庶民的なお店の雰囲気が心地良くて、気がついたら週一ペースで通っているといるドハマりっぷり。

優しさを感じる上品な味付けと、その美味しさから察せられる下処理などの丁寧な仕事ぶりに、食べるとほっと安堵のため息が漏れる料理。こういう表現はプロの料理に対して失礼にあたるのかもしれないけれど「心のこもったメチャメチャ美味しい家庭の味」という満足感に毎回満たされております。

日替わりのランチも楽しみなんだけど、レギュラーメニューの「卵焼き定食」も気になるんだよなあ。卵焼きの定食なんで他ではあまりみないし、でもこのお店なら確実に美味しいに決まってるし。ああもう、腹減ってきた!



と、実は今この文章をスマホを使って書いているんですが、何せ四十路ヂイなものでPCに比べて書きづらいったらありゃあしないので(加齢による細かな作業の困難化)、今夜はこれくらいでドロンしようかな。

次回の更新がいつになるか?それともこのままフェードアウトしてしまうのか?というよりもそもそもこの駄文を読んでくださっている人は本当にいるのか?という謎を残しながら…バイチャ!






  


Posted by miroku at 21:55Comments(3)映画ごはん

2018年03月02日

バリバリバリ!ダブルピーチ!

まずはこんなご報告から。

このブログでも「テメェ、いい加減もうしつけぇよッ!」レベルで再三再四言及しまくっている映画『バーフバリ 王の凱旋』なんですが、日本国内での大ヒットを受けてこんな動画が急遽作成されました。







もちろん世界的にヒットしている今作ですが、この手の映画がヒットしづらい我が国においてこれだけの盛り上がりを見せていて、尚且つ現在進行形でヒットの環がどんどんと拡大し続けているのが嬉しくて、、、ついつい動画を貼ってみた次第。
長野での公開は残念ながら終了してしまったけれど、BD&DVDが先日発売&レンタルがスタートしたので、この環は熱い熱気と共に更に広がっていくんだろうなあ。


この動画にもあるように、2度目3度目と回数を重ねても飽きるどころかどんどんハマっていくんだよね。
インフル療養中につき他にやるコトもないので、ここ数日でボクも4~5回は観ちゃったもの(観過ぎだろ!)


というワケで、ご近所のTSUTAYAやGEOに行けばほんの数百円で宇宙で一番面白い映画をレンタルするコトが出来るので、よかったら手に取ってみてくださいませませ。




で、

だ。

今日も今日とて自宅内軟禁状態。
とはいっても、熱は下がったし食欲もあるし、まだ少し頭痛と倦怠感が残っているもののこの長きに渡ったインフルとの戦いにそろそろ勝利宣言をしてもよいかなという塩梅だったりします。

本当だったら今夜の『ブラックパンサー』のレイトショーを皮切りに『空海』『シェイプ・オブ・ウォーター』『15時17分、パリ行き』『ルイの9番目の人生』と劇場三昧話題作三昧な週末を過ごすはずだったんだけどなぁ、、、トホホ。

よ~し!インフルが完治したら旨いもんをたらふく食って、映画をしこたま観て、マブいスケを抱きまくるぞ~~~(ホントかよ?)

あ、旨いもんといえば、インフル前に食べたアイスが美味しかったなぁってコトで、久しぶりに美味アイスのコーナー。






みんな大好きMOWの新作、ダブルピーチなり。

「MOWが美味しい」なんてコトは、「人は必ず死ぬ」と同じくらいに決まりきったコトなんですが(不穏な例えヤメロ!)、そんな美味しくて当たり前なMOWにあってもこの新作は頭一つ抜きんでたクオリティーでした。

なにが嬉しいかって、桃の果肉のゴロゴロ&たっぷり感!
この手の果肉入りアイスにありがちな「ちぇ、果肉ケチってやがんなぁ・・・」感なんて一昨日お越しいただけますか?とばかりに、大きめにカットされた桃の果肉がゴロゴロと配置されておりました。

更に嬉しいのが、アイス部分の美味しさ!
MOWならではの濃厚バニラ感とピーチ果汁のフルーティー且つ上品な甘さがベストマッチ。ピーチの強い主張を感じながらも、最後のひと口までクドさを感じさせない甘さと濃度の絶妙なバランス感もチョベリグ(平成初期の死語)

桃のアイスは数あれど、歴代桃アイスのベスト3には確実にランクインするんじゃないかな?
・・・って、他の2つは知らんけど。


残念ながらこのアイス、数量限定のプレミアムらしくて、現時点ではセブンイレブンでしか購入できない模様。
あ~ぁ、早くこのインフル軟禁から解放されてアイスを買いに行きたひ。。。








  


Posted by miroku at 23:48Comments(4)日記映画ごはん

2018年02月27日

インフル有罪と馴染みの担々

ふぅ、、、インフルエンザですって。

いやね、金曜日の夜から「あれ、風邪もらっちゃったかな?」というぼんやりとした自覚症状はあったんですが、メチャメチャ具合悪いという風でもなく、こまめに熱を測っても微熱程度がずっと続いていたのでインフルだとは夢にも思わず。

鈍頭痛が続いていたので一応念の為と病院に行ったら、まさかの有罪判決

常にマスクをしていたし、手洗いうがいに顔洗いだって欠かさなかったのに・・・
インフルの予防接種はアテにならないとはよく聞くけれど、ホントだったのね(泣)

高熱じゃないからといってナメてると痛いしっぺ返しをくらうので、皆さんも少しでも不調や違和感を感じたら面倒くさがらずに病院に行くのが吉かと。



というワケで、いい加減寝てるのにも飽きたので、溜まってる食べ物ネタでも消化してみっかな。

某月某日。
3~4ヶ月に一度のペースで発作が出る「あのお店の坦々麺がメチャメッチャ食べたくなってきてガマンできねぇ病」のお薬(?)を頂きに、お馴染みのあのお店へ。









中華鈴鈴さん坦々麺セットなり。

おそらく、人生に於いて一番回数を食べている坦々麺。
もう美味しいとかそうじゃないとかいうよりも、舌と身体に馴染んじゃった味。

あと4~5日は自宅内軟禁状態が続くかと思うと、余計にこの担々が恋しくなるなぁ。。。
  


Posted by miroku at 23:31Comments(10)日記ごはん

2018年02月25日

レッドデータな昭和のプリン

クソアニメで話題の「ポプテピピック」を観てみた。

ご存じない方もいらっしゃるかと思うので、軽~く説明すると「2人組の女子が繰り広げるナンセンスギャグアニメ」

「四十路オーバーのオッサンが見るアニメじゃねぇだろ!」

と思うでしょ?うん、ボクもそう思ってた。
でも、これがメチャメチャ面白かった!

あ、違うな、面白かったというよりも、その悪ふざけノリにビックリしたというのが正直な感想。

そもそもアニメは門外漢なボクが何故この作品に興味を持ったのかといいますと、そのキャスト。
まずはこちらをご覧ください。









このアニメ、主役の2人を毎回異なる声優が声をアテるという前代未聞のスタイルなんですが、その面子が超大御所!
この回はフリーザとセルというドラゴンボール繋がりなお二方なんですが、他の回では三ツ矢雄二と日高のり子、神谷明と玄田哲章、古川登志夫と千葉繁という、80年代に幼少期を過ごしてきた者にとっては思わずニヤリな組み合わせ、、、ってか、玄田哲章さんが女の子の声をアテるって・・・

ギャグのタイプもなんていうのかな、、、分かる人(しかもアラフォー以上)にしか伝わらないと思うんだけど、『マカロニほうれん荘』を彷彿とさせるアナーキー&クレイジーな疾走感。
それに「今の若い人にこのネタって通じるの?」的な懐古ギャグや映画ネタが多いのも個人的には楽しめて。
最新回だと『仁義なき戦い』をかなりディープな部分までパロっていて、思わず「お!おぉぉ~」と笑う以前に感心しちゃった。

天久聖一やタナカカツキのマンガ、それに電気グルーブのテイストにも共通するエッセンスを感じるので、ボクのようなサブカルをこじらせちゃった大きなお友達はきっと楽しめるような気がする。

長野での放送はないんですが、Netflixやアマゾンプライムで視聴可能なので、環境が整っている方は暇つぶしにでもいかがかしらんケサランパサラン。




・・・とまぁ、そんなこんなで風邪で外に出られないので引き篭もってはこんなモノを見ては暇つぶしをしておる今日この頃なんですが(大人しく寝てろ!)、暇ついでに久しぶりに甘いモノ記事でもアップしようかな。

友人から「あのお店のデザートが安くて美味しいよ」とオススメされたので、先日トライ&ゴーしてみた。






手作り惣菜とお弁当のお店てるてる坊さんプリン、そしてレアチーズケーキなり。

こういうルックのプリン、最近見かけなくなったよね。
とろふわ系に駆逐されて市場から姿を消したと思っていたんですが、お弁当屋さんの片隅でひっそりと生き残っていたとは。。。

お味の方も、ビジュアルの期待を裏切らぬ昭和の味わい。
歯ごたえすら感じるハードな食感と舌触りが、今となっては逆に新鮮

こういうプリン、ボクがまだ小学生だった頃、お菓子作りが得意だった叔母さんによく作ってもらったっけ・・・
という懐かし補正も手伝って、かなり満足度の高いプリンでした。

で、

しかもお値段50円ッ!!!
10円玉5枚でプリンがひとつ食べれるって、よくよく考えるとちょっとスゴイよね(汗)


レアチーズケーキもプリンと同様に懐かし&ハード系で、レアチーズケーキの概念を根底から覆しかねないその硬さに正直驚きを隠せなかったけれど、2~3口食べたら「うむ、これはこれでアリかも?」と思える安定感。しかも150円(これまた安い!)だもの。


スイーツというよりは、デザート。
デザートというよりは、おやつ。
そんなほっこりする優しさを感じるプリンとチーズケーキ。
他にもいろんなおやつがあったので、いろいろ試してみようかな?(小銭を握りしめながら)



・・・はぁ、お腹痛ひ、、、(咳のし過ぎで腹筋が筋肉痛)
って、こんなの書いてねぇで早く寝ろバカッ!




  


Posted by miroku at 22:26Comments(2)日記ごはん

2018年02月24日

映画落穂拾い

またぞろ観た映画が溜まってきたので、ここらでいっちょ落葉拾い。

中にはもう公開が終了している作品もあるんですが、いづれも傑作揃い。
本来ならば落葉でなんか拾うんじゃなく、それぞれについてしっかり書きたいんだけど、、、うん、面倒くさくて♪(バカ正直ならぬ正直バカ)




『密偵』










【ストーリー】
 日本が統治する1920年代の朝鮮半島。武装独立運動団体「義烈団」監視の特命を受けた元朝鮮人の日本警察イ・ジョンチュルは、義烈団のリーダーであるキム・ウジンに接近する。
 誰が密偵かもわからないほど、さまざまな情報が錯綜する中、義烈団は日本統治下の主要施設を破壊する目的で京城に爆弾を持ち込む計画を秘密裏に進めていた。義烈団と日本警察のかく乱作戦が展開し、義烈団を追う日本警察は上海へと向かう。そして、計画通りに爆弾を積んだ列車が京城を目指して走り出していた…。




我らがソン・ガンホ兄貴の最新作は本格派のサスペンス。
日帝占領時代が舞台というコトで、なんとなくチョン・ジヒョン主演の『暗殺』のような抗日アクション娯楽作的な内容を勝手に想像していたんですが、こちらはぐっとシリアス寄り。誰が味方で敵なのかが分からない360度ダークゾーンな状況の中で右往左往し四苦八苦するガンホ兄貴のその表情と佇まいに痺れぱなし。

それと、鶴見辰吾さんも大変好印象。
鶴見さんのスラリとしたシルエットが非常に画面栄えして、独特な冷たい存在感を放っておりました。

脚本もよく練られ、演技陣も奮闘していて、エンターテイメントの王道を往く骨太な作風だったので、最後の最後まで「映画という娯楽」として楽しめたんですが、観終った後からじわじわと「分断された民族の哀しみ」という現実が胸に迫ってきて。。。





『デトロイト』










【ストーリー】
 1967年、夏のミシガン州デトロイト。権力や社会に対する黒人たちの不満が噴出し、暴動が発生。
 3日目の夜、若い黒人客たちでにぎわうアルジェ・モーテルの一室から銃声が響く。デトロイト市警やミシガン州警察、ミシガン陸軍州兵、地元の警備隊たちが、ピストルの捜索、押収のためモーテルに押しかけ、数人の白人警官が捜査手順を無視し、宿泊客たちを脅迫。誰彼構わずに自白を強要する不当な強制尋問を展開していく…。




これはもう、映画じゃなくてタイムマシン。
1967年のあの場所あの瞬間に観客を乱暴に解き放って、「さぁ、アンタならどうする?」と問いかけられ続ける143分でした。

何が怖いかって、この事件は「凶行」ではなく、治安や秩序を維持する為にその権力を行使する権限を持った人間たちによって冷静な判断の元で行われた「職務」だというコト。
たしかにこの映画は人種問題を扱っていて、現に今でもアメリカでは警官によって年間に少なくない人数の非白人たちがその生命が奪われているという現実があるけれど、今作が提起している問題は決して対岸の火事なんかではなく、国家や企業、それに社会といった組織体が恒常的に抱えている問題なんだと感じます。

関東大震災の直後に吹き荒れた、とあるデマによってもたらされた特定の民族の人たちに対する理不尽な暴力(もっとはっきり書いてしまうと虐殺行為)や、甘粕事件の例を出すまでもなく、ボクたちは映画に、そして歴史に学ぶという謙虚な姿勢を決して忘れてはいけないと痛切に思うし、そして願う。





『グレイテスト・ショーマン』










【ストーリー】
 貧しい家に生まれ育ち、幼なじみの名家の令嬢チャリティと結婚したフィニアス。妻子を幸せにするため努力と挑戦を重ねるフィニアスはやがて、さまざまな個性をもちながらも日陰に生きてきた人々を集めた誰も見たことがないショーを作り上げ、大きな成功をつかむ。しかし、そんな彼の進む先には大きな波乱が待ち受けていた…。




んもうッ!最の高!略して最高ッ!!!
曲も良けりゃあダンスも絶品で、観ている間中アタマの中に変なアドレナリンが分泌されまくってました。
ネタバレになるから書かないけれど、オープニングのわずか15秒でボクの心は鷲掴み。ダチョウ倶楽部も真っ青な華麗にて見事なる「つかみはOK」でした。

この映画、実在した興行師がモデルになっているんですが実はそのモデルはあくまでモチーフにしか過ぎなくて、実はこの映画、主演のシュー・ジャックマンへのリスペクトを捧げた脚本なんだそうで。
なるほど、そう言われてみると劇中のあれやこれやに妙な説得力が湧くし、これほどまでのリスペクトを真正面から受け止めて、その美声と偉丈夫っぷりで堂々と舞い踊るヒュー・ジャックマンの男っぷりの良さときたら!
彼のツイッターを見ても、「この人本当にイイ人なんだろうなぁ」というのが伝わってくるし、流石はハリウッドの良心の異名を持つナイスガイだと感服&惚れ惚れした次第。

全てのナンバーが名曲なんだけど、中でもキアラ・セトルの堂々たる歌声に魂が揺さぶられる「This Is Me」と、レベッカ・ファーガソンの絶唱(歌っているのは別人だけど)が印象的な「Never Enough 」の2曲が特に素晴らしくて。
・・・で、早速アマゾンでサントラをポチッちゃったというね(苦笑)

あと、一部で議論になっているフリークス問題。
多くは語りませんが、ボクは「賛」のスタンス。
もちろん当時のサーカス(見世物小屋)の人権意識の低さを擁護するワケじゃないけれど、「多様性の尊さ」というテーマは十分伝わってきたし、それ以上のコトを掘り下げるべき役目を今作は担ってはいないと思うので。





『スリー・ビルボード』










【ストーリー】
 米ミズーリ州の片田舎の町で、何者かに娘を殺された主婦のミルドレッドが、犯人を逮捕できない警察に業を煮やし、解決しない事件への抗議のために町はずれに巨大な広告看板を設置する。それを快く思わない警察や住民とミルドレッドの間には埋まらない溝が生まれ、いさかいが絶えなくなる。そして事態は思わぬ方向へと転がっていく…。




犯人探しのサスペンスかと思ったら・・・あ、あれ?
ならば、ハードなヒューマンドラマかと思ったら・・・あ、あれ?
コイツ、ムカつくわ~と思ったら・・・あ、あれ?

この映画で描かれているのは、深刻で哀しい出来事だったり、苦笑いせざるを得ない間抜け日常だったり、人間が持つ何気ない些細な優しさだったり、またはその逆だったり。
観客の予想が次々と覆されるその展開も含めて、ジャンルとして捉えどころのないその千変万化なスタイルは、「こういう展開、なんか知ってるぞ・・・」という既視感。
知っているもなにも、これって人生そのものなんだよね。

どんなに哀しいコトがあっても腹は減るし、日常は絶え間なく続いていく。
根っからの悪人がそうそういないように、成人君主のような善人だっていやしない。
小さな善意に救われたり、理不尽な悪意にくよくよしたり、誰かを傷つけ誰かに傷付けられ、時には自分自身を傷つけながら、死ぬまではどんなに足掻こうが毎日やってくる明日という日を生きていかねばならない、、、この映画はそんな「不器用でままならない生き方」に優しく寄り添ってくれる映画だと思うし、ラストシーンで主人公が発する「とある言葉」に、途轍もなく大きな優しさと救いを感じました。
物語としての着地点の見事さは、最近観たどの映画よりもずば抜けて完成度が高かったように思います。

演技陣も良かったなぁ。
サム・ロックウエルは最初は彼と分からない程に役作りが完璧だったし、ウディ・ハレルソンの渋味と軽妙さ、そしてある種の諦観を湛えた演技も本当に素晴らしかった。不幸な(?)広告代理店主を演じるケイレブ・ランドリー・ジョーンズも印象に残っていて、「コイツ、若手だけどなかなかのクセモノだなぁ」という感じが夭折したアントン・イェルチンの面影と重なる瞬間もあって、脳内の名前を覚えておいた方がいい役者リストに早速チェックを入れちゃったもの。




以上、「本当だったら今日公開の『空海』を観に行く予定だったんだけど、昨日から体調が芳しくないので安静にしながら暇にまかせてダラダラと映画レヴューを書き殴ってみましたとさ」な落ち葉拾いでした。ギャフン、そしてゴホン(あぁ、喉痛い・・・)




  


Posted by miroku at 11:11Comments(2)日記映画

2018年02月19日

失われた時を求めて

先日、我がツイッターのTLにこんな画像が流れてきました。






ハイ、ピンときた方は手を挙げて。
今、手を挙げている方は間違いなく昭和50年代に幼少期を送ったド直球のアラフォー世代確定~(失礼だろ!)

そうです、あの懐かしの「カンフーレディー(功夫淑女) 」でございます!









まだポンキッキーズになる以前の、ひらけ!ポンキッキ時代に番組で流れていたこの曲、30年?いや、35年以上ぶりくらいにこのタイミングで聴いてみたんだけど、余りに懐かし過ぎて涙がちょちょぎれちゃったよ。


まだ幼稚園児のミロク少年にとって、歌詞の意味はチンプンカンプンなれどこの異国情緒溢れるメロディーとその歌声は、子供心に得も言われぬなんとも摩訶不思議な感情を抱かせました。

その感情は今にして思えば、「ノスタルジア」だったように思う。

おそらく早朝の横浜中華街で撮影されたであろうチープかつプリミティブな映像も、5~6児の血に流れる東洋のDNAを刺激して郷愁という未体験の感情を呼び起こさせるのに十分なアジア的原風景でした、、、という無理矢理な後付け(苦笑)


郷愁といえば、当時のミロク少年にとって郷愁めいた摩訶不思議な感情、、、あ、いや、郷愁といよりも最早「なんかちょっと怖かった」という軽いトラウマになっているこんな曲も。









これもポンキッキ曲なんですが、この妖しい曲調に「嗚呼、これから保育園に行かねばならぬのか・・・」というブルーな感情が更に増幅されて、何度も「保育園行きたくない!」と母親に何度もダダをこねた記憶が。

たしかポンキッキって8時スタートだったのかな。最後まで見てしまうと保育園に遅れてしまうから、毎日毎日後ろ髪を引かれる想いで母親に怒られしいしい家を出たっけ。。。

そんなあの頃のポンキッキ曲がもっと聞きたくなって、某Youtubeであれこれ検索してみた。

































「ゆきのおさむらいさん」や「恐竜が街にやってきた」なんて、いま聴いても名曲だと思う。

ヤ、ヤバイッ!!!
懐かしさと、しかしそれ以上の「なんでこんな大人になっちゃったんだろうなぁ・・・」という後悔と自責の念で、涙がちょちょぎれるどころか本気泣きしそうだわ、、、



最後に。
これもあの頃のポンキッキ曲なんだけど、中身がなさすぎるにも程があるので、皆さんにも体験して頂こうかなと。







ナンセンスというよりも、アナーキー。
面白というよりも、狂気。
もしこの曲にメッセージがあるのだとすれば、「じゃんけん遊びのルール説明のみで曲を作ることの出来るプロフェッショナルとしての矜持」だと思う。




PS.
ポンキッキといえば、番組中のBGMやちょっとしたタイミングでかかる音楽に、ジャズやクラシック、それにロックの名曲なんかがしれっと使われていて、大人になって「え、これってポンキッキで聴いたコトある!」と驚く場面が何度もあって。

そういう意味でも、「文化や芸術をちゃんと分かっている大人が子供の為にしっかり作った番組」だったんだなぁと。


  
タグ :ポンキッキ


Posted by miroku at 23:55Comments(4)日記

2018年02月17日

絶品麻婆、死して屍拾う者なし!

先日、映画を観に松本まで行きましたってハナシを書いたんですが、実は今回の松本行きには映画の他にもうひとつの目的がありまして。
それは、以前から気になっていたとある中華料理屋さんに行くコト。

敢えて店名は伏せますが、中国の香辛料たっぷりテイストなそのお店(バレバレやがな・・・)の麻婆豆腐がどうしても食べたくってねぇ。
幸いイオンモールからも近い場所だったので、映画が終わると同時にモールから離脱、法定速度内で車をブッ飛ばす(=安全運転)ことおよそ5分でお店周辺に到着。

「初めてだからちょっと緊張しちゃうな、、、痛くしないでね♥」と、そんな期待に胸をドキドキさせながらお店の扉をいざ開けんとしたその刹那、ボクの目に飛び込んできたのは、


「平日のランチ営業は今年はやっておりませぬ」


的な張り紙。

「・・・ふぅ、ボクの人生こんなんばっかだ」と、思わず己が半生を呪ってしまいそうになるのをぐっと堪えてお店を後にしました。



なんなら別のお店で食べても良かったんですが、ほら、麻婆豆腐ってお店によって当たり外れが大きいでしょ?
お目当てだったお店にフラれた挙句にハズレなお店に当たってしまったら、それこそ『ダンサー・イン・ザ・ダーク』級の精神的ダメージは必至なので、その日の麻婆は泣く泣く諦めた次第。

あれから幾星霜(ほんの2~3日前)、ボクの中に燻り続ける麻婆熱に導かれるように、こんなお店でこんな麻婆を。








小布施は中国菜・橙さん麻婆豆腐ランチなり。

橙さんはそのオープン当初に何度かお邪魔したコトがあって。
その時はたしか黒酢の酢豚とか坦々麺を食べたのかな?どちらも地に足のついた美味しさで「街の中華屋さんとは一線を画す完成度だなぁ」といたく感心したんですが、その後何度かフラれたり駐車場がなかったりが続いて、だんだんと疎遠になってしまって。

今回、美味しい麻婆のお店を脳内食べログで検索をかけた結果、美味しいお店はどこもかしこも長野市ばかりで「行ってもいいけど、、、ちとめんどい」という切実かつ正直な理由で諦めかけていたんですが、「あ、そうだ!橙さんだったら絶対に間違いないハズ!麻婆はまだ食べたコトはないけれど美味しいに決まってる!」と、若干妄想めいた一縷の望みをかけてみました。

で、これがドンピシャ!(昭和の死語)

ちょっと大袈裟なカンジになってしまうんですが、美味しい麻婆豆腐が食べたい時に頭に思い浮かべる理想の味、、、それがここにありました。


辛さよりも風味がガツンとくる心地良い花山椒の刺激に、柔らか過ぎず硬過ぎずなお豆腐の絶妙なほろほろ加減、そして適度なオイリー感(ここ重要!)と、個人的ストライクゾーンド真ん中の味でした。
それに、山椒の効かせ具合だったり具材のバランスがどことなく今は亡き麺華さんを連想させる味わいもあって、そんな意味でも大満足な橙さんの麻婆豆腐でした。

あ、そうそう、この卵とコーンのスープも堪らなく美味しかったし、写真には写ってはいないけれどデザートの杏仁豆腐も家庭じゃ出せない本格派なムードたっぷりで、中華の定食としては100点満点なんじゃないかなと。


美味しくて、家から近くて(車で10分以内)、そして今は駐車場もしっかり完備されていて。
これじゃあもう通わない理由なんて見つからないよッ!ってなワケで、近々にリピ確定~

松本のお店が締まっていた時は己が運命を呪ったんですが、災い転じて鈴木福、、、もとい福と為すの諺のとおり、そのおかげで美味しいお店を再発見するコトが出来たんだもの、いやぁ、捨てる神あれば拾う神あり死して屍拾う者なしですなぁ♪(隠密同心心得の条)



  


Posted by miroku at 22:45Comments(4)日記ごはん

2018年02月15日

初イオンで『この世界の片隅に』

先日、とある映画を観に松本へ。
初イオンモールでございます。






もう何回記事にすれば気が済むんだよ?と言われそうですが、またまた『この世界の片隅に』


いやね、この松本のイオンシネマはヴィヴ・オーディオという音響システムを県内で唯一導入している劇場なんですって。
このシステムの何がどう凄いのかについては「音とか臨場感がなんかメッチャすげぇらしい」というアバウト且つ投げっ放しな一文でご理解いただくとして(書いてる本人が一番理解してない)、そんな最新システムで『この世界の片隅に』を上映するというだけでも絶対行きたい案件なんですが、片渕監督自ら松本までお出ましになられてこの劇場に一番適した音響にチューニングを施した特別仕様ってんだから、観に行かないという選択肢なんてあるハズもなく。


もう両方の指をもってしても数えられないくらいに何度も観ている今作ですが、「音響が違うとこうも変わるモノなのかッ?!」と新たな発見の連続に驚嘆の映画体験でした。


まるですぐ後ろで鳴いているかのような虫の音や、煮炊きするかまどの薪が弾ける音などなど、北條家の日常を彩る自然界の音色や細々とした生活音はより活き活きとその輝きがみなぎっていたし、機銃掃射や防空壕でのシーンでは重低音の迫力が更に増していて、これは映画なんだと分かっていても「死の恐怖」を感じるほどに真に迫った臨場感。
「防空壕の中で爆撃を凌ぐ」「頭上を飛ぶ戦闘機から機銃掃射で狙われる」という状況がどれほどの恐怖を伴うものなのか、もちろん当時の人々が体験した恐怖を100%理解するコトは不可能なんですが、「音」を通して追体験するコトで、兵器というのは人を殺す為に括られた道具なんだと改めてその恐ろしさに心が凍りました。

以前から「この映画は昭和19年の呉市に観客を誘うタイムマシーン」だと思っているんですが、新たなる音響システムを得て更にその思いが強くなった次第。劇場で体験できて本当に良かった!



公開から一年以上が経つ今でも、日本のどこかで今なお上映され続けている今作。
この2月からは全国のイオンシネマでの再上映が始まっていて、異例ともいえるロングランに加えて上映劇場の更なる拡大という前人未到の離れ業。
ソフトが既に発売されていて、レンタルだっていつでも出来る、なんなら配信をスマホで何時でも何処でもすぐに観れるという状況にも関わらず、劇場での上映が止むことがないというのは、やっぱりこの映画は「劇場で観る」べき作品だという証に他ならないと思うし、それだけ多くの人々を劇場へと足を運ばせるだけの稀有なパワーを持っているというコトなんだろうね、きっと。


もう口が酸っぱくなるのを通り越して、唾液がレモン果汁になるくらいに(どんな比喩だ?)繰り返し言ってしまっているんだけど、未見の方は是非ともご覧になって頂きたいと思います。
それが劇場であれレンタルであれ配信であれどんなカタチでも、そこにすずさんたちはいます。













  


Posted by miroku at 22:52Comments(0)日記映画

2018年02月14日

山形グミおきたまふじりんご

最近のハマりモノ、、、というか必需品。






UHA味覚糖の「山形グミおきたまふじりんご」なり。


実はワタクシ、ちょっと前から禁煙にチャレンジしておりまして。
禁煙あるあるといえば、禁断症状ともいうべき口寂しさ。
そんな口寂しさを癒してくれるのが、このグミだったりします。いってみればお口の恋人的存在ですね。

・・・って、全然関係ないんだけどさ、「お口の恋人」ってフレーズ、なんかエロくね?



で、

だ。(何事もなかったのように)

このグミの何がどう素晴らしいかと申しますと、まずはその香り!
袋を開けた瞬間にふわぁと鼻腔をくすぐるりんごのやわらかな香りが、何とも言えず芳しくて。

甘過ぎないのもポイント高し。
りんご果汁のテイストが自然な風味で再現されていて、流行りの濃厚果汁グミ系にありがちな「ひと口目は美味しいんだけど甘さがだんだんくどくなる」といったトラブル(?)を一切感じない甘みと酸味の絶妙なバランス具合がかなり好印象。


グミといえば、その食感も大切。
このグミの食感は、、、はっきりいって分かりません。だって「噛まない」から。
そうなんです、実はこのグミ、

「通常よりも沸点が低いコラーゲンを使用しています。口の中で温め、優しくとろける口どけをお楽しみください」

とパッケージの裏に書かれている通り、噛まずに舐めるタイプ。
なるほど、飴ちゃんのように舌にのせて転がしていると、これが次第に蕩けていくんですなぁ。
なので、その美味しさを長時間口に中で楽しめる仕様となっております。


何かタバコのかわりになるモノはないかとコンビニで適当に選んで買ったグミだけど、これがなかなか大当たり!
おかげでストレスフリー、、、とまではいかないものの、かなり順調に禁煙が進んでおります。



だたひとつ、味とは関係ない部分で残念なコトが・・・

実はこの山形おきたまグミ、他にもデラウエアがあるらしいんですが、これがどのコンビニにもスーパーにも置いてなくって。
りんごがこれだけ美味しいんだから、他のも絶対に美味しいハズ。

というコトで、この場を借りて捜索願。
このお店にあったよ~という目撃情報があれば、是非ともご一報を。
謝礼は、、、ボクの熱いベーゼでいいよね♪(いらんわそんなもんッ!)
  


Posted by miroku at 23:52Comments(0)日記ごはん

2018年02月13日

むくげの花さんでカムジャタン

某月某日。
毎度お馴染みむくげの花さん、この日のランチはカムジャタン

カムジャタン?かむじゃたん?火夢蛇嘆?(昭和の暴走族か!)
はて、どんな料理JARO???









こんなお料理でございました、カムジャタン。

なんでもじゃがいもと豚のスペアリブをコチュジャンで長時間コトコト煮込んだお料理なんだそうで。
でも、いつものむくげさんのランチと比べると、ちょっと派手さに欠けるというか若干地味目なビジュアル。あのハラミ焼肉ランチのお肉のボリュームを何度も体験しているので、いくら大き目サイズにカットされているとはいえ「え?お肉これだけ???」と正直戸惑いを隠せなかったんですが・・・


おわっ???
なにこれ?!?!
うまっ!!!



と、いざフタを開けてみれば安定のむくげの花さんクオリティー

コレはアレです(なんだよ?)
じゃがいもが主役のお料理なんですなぁ。

まるごとごろっと煮込まれたじゃがいもはホロホロ&ホックホク。
コチュジャンのコクの深い甘辛さと、お肉の旨味がたっぷり染み込んでいて、もちろんこれだけで食べてもメチャメチャ美味しいんだけど、しっかりごはんのおかずにもなるパンチの効いた存在感でした。

じゃがいもとスペアリブを堪能した後は、残ったスープにご飯を投入してカムジャタンクッパに。
で、これまた美味し!
スープに溶けたじゃがいものとろみがご飯によく絡んで、その濃厚なコクと旨味にあっという間に完食。ごちそうさまでした。


まさかこんなに美味しいじゃがいもの食べ方があったとは・・・
カムジャタン、そしてむくげの花さん恐るべし!


  
タグ :むくげの花


Posted by miroku at 22:39Comments(4)日記ごはん

2018年02月12日

バーフバリ!バーフバリ!バーフバリ!

今回はもうアレだ、四の五の言わずにとっとと本題へ。
なぜなら、、、偉大なるシヴァ神とバーフバリの前ではボクの駄文など塵芥に等しいから!



『バーフバリ 王の凱旋』










【ストーリー】
 遥か遠い昔、インドに栄えたマヒシュマティ王国。自らが伝説の英雄バーフバリの息子であることを知ったシヴドゥは、父の家臣カッタッパから、ある裏切りによって命を絶たれ、王座を奪われた父の悲劇を聞かされる…。
 すべてを知ったシヴドゥはマヘンドラ・バーフバリを名乗り、暴君に戦いを挑む!





最高!


そして、


至高!


今これを読んでいる方々におかれましては、今すぐにこんな駄文など読むのはやめて、ネットでこの映画を上映している最寄の劇場を調べ、各々車なり電車なりあるいは徒歩でそれぞれの劇場に足を運んでください。そして、偉大なるバーフバリに跪(ひざまず)いていただきたい所存、以上!


・・・と、さっきからシヴァ神だの跪(ひざまず)くだのと、「ははぁ~ん、さてはコイツ怪しげなカルト宗教にハマったか?」と訝しんでおられる方もいらっしゃるかと思われますがさにあらず、カルトどころかエンターテイメントの王道を全力疾走するかの如き大・大・大傑作がこの『バーフバリ 王の凱旋』という作品なのであります!

その魅力の全てをお伝えするには、ボクの誤謬や文章力ではとてもじゃないけれど歯が立たないので、皆さんが少しでも興味を持っていただけるような、そんなアレコレについて書き散らしてみたいと思います。





まずは今作の魅力を伝える上で最大かつ最強なネック、それは・・・今作が「インド映画」だというコト。
いくら面白いとはいえ馴染みのないインド映画をわざわざ自腹を切って劇場まで観に行ってくださいなんて言われても、まず行かないよね普通だったら。

でも、20年前に日本でも大ヒットしたインド映画『ムトゥ 踊るマハラジャ』の頃ならいざ知らず、昨今のインド映画はかなりハリウッドナイズが進んでいて、インド映画門外漢のボクたちにも違和感をあまり感じさせない作りとなっております。

あ、そうだ。『ムトゥ 踊るマハラジャ』といえば衝撃的だったのは、主人公のムトゥを演じるインドのスーパースター、ラジニ・カーントのそのビジュアル。




スーパースター☆ラジニ・カーント





そっか、あの衝撃からもう20年が経つのか・・・




どう?ワガママボディー&フェイス過ぎるでしょ?
「こんな吉幾三と全盛期の片岡の鶴ちゃんを足して二で割ったようなオッサンが主役って!」と驚きと笑いを禁じ得なかったのも冒頭のほんの僅かの間だけで、映画を観終る頃には「こんなにカッコいい人がこの世に存在してもいいの?!?!」と胸キュン(昭和の死語)せざるを得ないほどに洗脳、、、もとい、その魅力に圧倒されるのがインド映画のマジックなんですが、今作でもそんな魔法は健在です。

主人公のバーフバリ(親子二代)を演じるはインドの大スター、プラバース。
星野源やフィリップ、、、じゃなかった菅田将暉がちやほやされる我が国のイケメンの本流からは遥かにかけ離れたそのルックスに最初こそ違和感を感じる方も多いと思われますが、そんな違和感はものの5分で木端微塵に吹き飛ぶはず。で、映画が終わる頃には「この人の足元にひれ伏したい!」とそのカリスマにノックアウトされることでしょう。



「インド映画って洗練されてないんでしょう?なんだか土の臭いがしそう、、、」という潜在的な偏見も、決して少なくないと思うんです。
インドというとどうしても「悠久なるガンジス川の・・・」とか「魂の源流たる・・・」といったスピリチュアルなイメージや、自分探しの旅ムードたっぷりな貧乏旅行的風景を抱きがちですが、今作はそんじょそこらの日本映画じゃ太刀打ちどころか一太刀も浴びせられないくらいに洗練されまくっています。予算、演出、スケール、美術、CG技術という映画を構成する全ての要素に於いて完膚なきまでに!

『ロード・オブ・ザ・リング』や『ホビットの冒険』、それに『レッド・クリフ』あたりをメチャクチャ研究したであろう合戦シーンは、お金と時間と工夫とが惜しげもなく費やされていて、昨今のどんなファンタジー映画よりも見応えのある大迫力のシーンに仕上がっているし、セットや美術は豪華絢爛のひとことに尽きます。
CGも効果的に使われていて、ハリウッド的な「現実と瓜二つの虚構を創り上げる」のではなく、「イメージをファンタジックに視覚化する」方向に特化していて、ミュージカルシーンでのCG映像は曲の調べと甘い歌声との相乗効果で思わず踊りだしたくなるほどにロマンティックが狂い咲いておりました。



「う~ん、なんとなく面白さは伝わってきたけど、インドの歴史とかそういうのってよく分かんないし・・・」という方々もご安心。
というのもこの映画、パッと見は史実を元にした歴史大河ドラマっぽいんですが、登場する人物および国名の全ては架空の物語、つまり純然たるファンタジー映画なんです。
物語の展開もシンプルそのもので、日本の昔話や世界各国の神話に共通する貴種流離譚の王道展開。
親子二代に渡る悲劇と愛の物語という意味では、ドラクエ5に通じる部分もあるので日本人的にはかなり馴染みやすいかなとも思います。




「ヤバイ、ちょっと興味が湧いてきたかも・・・でも、これって続編なんでしょ?一作目を観るのも正直面倒臭いなぁ」と、こちらの思惑通りに誘導されちゃったそこのアナタ!(そんな人いるのか?)
なんと今作は前作のダイジェストを本編の前に上映するという安心設計で、しかもそのダイジェストはネットでも視聴可能という至れり尽くせりっぷり!







こちらがそのダイジェスト。
どう?ちょっと気になってきたでございましょ???(という希望的観測)

この前作『バーフバリ 伝説誕生』は既にTSUTAYA等で一週間レンタル可になっているので、気になる方はそちらもチェックしてみてくださいな。





・・・と、読まされる方の気持ちなど一切無視してダラダラと一気呵成に長文を垂れ流してしまったので、いい加減そろそろ〆なきゃ。

正直に告白します。
ボク、この映画で泣きました。
哀しみとか感動じゃなく、あまりに面白過ぎて号泣

映画の終盤、人間の身体能力や自然界の物理法則をまるっきり度外視した荒唐無稽過ぎる大活劇シーンがあるんですが、

映画ってこんなに自由でいいんだ!
こんなに楽しくていいんだ!


と、自然と溢れた涙がしばらく止まりませんでした、、、いや、本当なんだってば。


大袈裟でもなんでもなく、今作は今この瞬間に地球のみならず全宇宙、そして次元を超えた全ての並行世界で公開されている映画の中で一番面白い!と断言させてください。

これを観た映画評論家やライターの多くが、そのあまりの楽しさに「そもそも映画にとってのリアリティーってなんなんだろう?娯楽って一体なんなんだろう?」としばし考え込んだと聞きますが(実話)、それほどまでに「楽しい」という感情にダイレクトにアクセスしてくる映画なんてそうそうないし、そんな稀有な映画体験が今なら劇場の大スクリーンでその身に浴びるコトができるんだもの、「映画を観ると死んでしまう」「映画に故郷の村を焼かれた」といった特別な事情がない限りは、是非ともご覧になって頂きたく!!!


・・・ふぅ、ちかれた(書き疲れ)




  


Posted by miroku at 23:13Comments(2)日記映画

2018年02月11日

映画の余韻とホットケーキ

某月某日。
バーフバ・・・もとい、とある血沸き肉踊り脳が沸騰する映画の余韻を引きずりながら、毎度お馴染みの地下の秘密喫茶(言い方!)へと。

扉を開けると、、、おわッ?!席が全て埋まっとる!しかも席が空くのを待っているらしき人の姿も!
ま、まぁそうだよね、日曜日の午後だもの・・・と、いつにもまして満員御礼状態なその大人気っぷりに心が折れて帰ろうとすると、店主さんから「空きができたらお電話しましょうか?」との嬉しいお心遣いが。


嗚呼!これも偉大なるシヴァ神の思し召し!
バーフバリ!!!



と、店主さんとシヴァ神に五体投地レベルの感謝を捧げ、一旦店外へ。
近くの市立図書館であれこれ本を物色すること30分弱でホットライン、お目当てのコレにありつけるコトが出来ました。






ラランスルールさん謹製、ホットケーキなり。

実はこの日は今年初のラランスタイム。
ラランス姫始め(オイッ!)のお供はスパゲッティーにしようかフランにしようか、それともシンプルにトーストにしようかと悩んだ結果、やっぱアレっしょ?というワケで、心の中の陪審員が満場一致でホットケーキに有罪確定(なんだこの文章?)

フカフカな生地、蕩けるバター、そして爽やかなサワークリーム。
普通に食べても100点満点な美味しさなんだけど、最高に楽しかった映画の余韻に浸りながら食べるホットケーキのなんと甘美なるコトか!
「オマエ、出来立てのホットケーキをホッカホカのうちに食べなかったから斬首ね♪」とは、かの諸葛亮孔明が家臣の馬謖を斬った際に発した名言だけど(嘘八百)、やっぱり出来立ては美味しいうちに食べなきゃねってコトであっという間にペロリと完食。






ホットケーキのお供、この日はカフェオレをオーダー。
冬の寒さで冷え切ったココロとカラダをぽっかぽかに暖めてくれる、そんな優しい美味しさに思わず眠気も・・・というラランスタイムあるある(笑)

最高に楽しかった映画の余韻に浸りながら、最高に自由で居心地の良い時間を謳歌する。幸福、そして口福なひとときでしたとさ。



・・・って、最後まで書いておいてこんなコトいうのはアレなんだけど、映画『バーフバリ 王の凱旋』を知らない人がこの記事を読んだら、この人はヒンドゥー教の熱心な信者なのかしらん?って思うよね、きっと(苦笑)


  


Posted by miroku at 18:03Comments(4)日記映画ごはん

2018年02月09日

駅前で絶品かきあげ丼発見!

某月某日。
長野駅(MIDORIでも可)に行く度に気になっていた、とあるお店。
そのユニークな店名に惹かれつつも、「でもお高いんでしょう?」というテレショップ感覚がネックになって今まではスルーしたままになっていたんですが、ランチ営業が始まったという風の噂(という名のネット情報)を耳にしたので、早速寄ってみた。







(ちょっとピンぼけ&変な構図になっちゃったけど、全体像はこんな感じ)



天ぷらと寿司18坪さんの、かきあげ丼なり。

この、「強盗と障害で18年」みたいな語感の響きが東映実録映画ファンの心をくすぐりますなぁ♪(どんな期待の仕方だよ?)

で、店内は当然の如くそんな物騒な東映色は一切なく、清潔感とシャレオツなセンスに溢れた素敵空間。店名にわざわざその坪数を謳っている通り決して広くはないけれど(カウンターがメインの立ち飲みスタイル)、その狭さを逆に有効活用していて高級感の中にも安心感と居心地の良さを感じました。






メニュー写真の左の端っこ(お昼から5800円って・・・)を除けば、値段も比較的リーズナブルでございましょ?
玉子の天ぷらが付くという上天丼と迷いに迷ったんですが、天ぷらの中ではかき揚げが体育館の裏で告白したくなってしまうくらいに好みのタイプだったりするので、今回はこちらをオーダーしてみました。で、これが大正解!

かき揚げの中身はイカにタコ、それに玉ねぎと大葉と三つ葉、舞茸なんかも入っていたような。とにかくそんな多種多様な具材たちが一枚海苔と一緒に揚げられていて、しかも2枚!大きなかき揚げが1枚よりも、ジャストサイズが2枚の方になんとなく嬉しさを感じてしまうボクはナチュラル・ボーン・貧乏性、、、

で、

だ。

そんな双子なかき揚げ、メチャメチャ美味しかったなぁ。
衣が薄目なので具材の美味しさがしっかり際立っていて、醤油のコクがきりりと効いたタレとの相性も抜群。
それに天ぷら特有の口の中に残る油っぽさを一切感じなかったのも印象的でした。ネット情報だとこのお店の天ぷらは「揚げる」んじゃなく高温で瞬時に「蒸す」調理法とあったけれど、きっとその効果なんだろうね。

小鉢もまた美味しくて、卵焼きの上品な仕上がり具合やお豆さんの絶大なる箸休め効果、そして「このお値段でお刺身も?!」とボクの中のテレショップ感覚もビックリなタコ刺しのお得感にもうヤラレっぱなし。


このお店、かなり良いかも、、、否、間違いなく良い!凄く良い!
ボクが入ったのはお昼の12時少し前だったんだけど、このクオリティーで何故か貸切状態。
これってきっとまだ知られていないだけだろうから、気になった方は早めに行っておくといいかも。おそらくはもうしばらくすると行列店になるかと思われ。

かきあげ丼がこれだけ美味しいんだから、天丼だって美味しいに決まってる。そんなコトは「形あるものはいずれ崩れ去り、生命あるものは死にゆく」と同じくらいに揺るぎのない真実なので、さぁ後は食べに行くだけ。幸い駅前には千石劇場さんという月に何度も通う場所があるので、しばらくは美味しい映画めしにありつけそうだわい。ハッシッシ、、、じゃなかった、うっしっし♪  


Posted by miroku at 22:14Comments(2)日記ごはん

2018年02月07日

エロい夜

レイトショーが終わった、深夜のグラシネ界隈。

なんだか妙にエロい一枚になりました。







・・・というか、アレ?なんかボヤけとる???
う~む、ナガブロって写真をアップするとオリジナルよりも解像度がかなりボヤちゃう仕様なのね、、、今知った(ナガブロ何年生だよ?)  


Posted by miroku at 23:02Comments(6)日記写真

2018年02月06日

絶品豚丼とバーフバリ

バーフバリ!
バーフバリ!
バーフバリ!





・・・って、あ、ごめんあそばせ。
いやね、一昨日の日曜日に観に行ったんですよ、話題のインド映画『バーフバリ 王の凱旋』を。
前回の記事でも書いたんだけど前作『バーフバリ 伝説誕生』がべらぼうに面白かったので、期待のハードルも自然と上がった状態で臨んだんですが、、、

おそらく現時点で宇宙で一番面白い映画

でした、、、いや真剣(マジ)で!



正直、冷静な気持ちでレヴューなんてとてもじゃないけどまだできないし、一昨日の観終った直後から今コレを書いてるこの瞬間までず~っとこの映画のことを考えてる状態が続いているという、ハッキリ言って完全なる中毒症状
なんならもう日常生活に支障をきたすレベル・・・なんだけど、これほどまでに娯楽性が狂い咲いた映画に巡り合えたことがこの上なく嬉しくてさぁ。

なので、いつものようにブログを更新しようとしてもついつい赤色の太文字で「バーフバリ!」と口走るならぬ書き走ってしまう末期症状的有様なんですが、しばらくはこのままこの愉しさに身も心も任せてみようかなと思っておる次第。

というワケで、それではご覧いただきましょう、映画『バーフバリ 王の凱旋』より「バーフバリ万歳!」のミュージックビデオでございます!







嗚呼ッ!今すぐ古代インドに生まれ変わってバーフバリに跪(ひざまず)きたい。。。





で、

だ。

そんな手前勝手な支離滅裂っぷりはこれくらいにしておいてっと。
この映画のレビューについては熱狂がもうちょっと治まったタイミングでちゃんと文章にするとして、今夜はとあるお店のとあるランチが復活したと風の噂で耳にしたので早速食べに行ってみましたというオハナシ。






北国のジンホル屋ふる川(西和田店)さんの、豚丼(大)なり。

・・・って、え?これじゃ肝心の豚丼が見えないって?
まあまあそんなに焦りなさんなって。落語に枕があるように、走り幅跳びに助走があるように、物事には順序ってモノがございましょ?
だってさ、いきなりドン!じゃムードもヘッタクレもないじゃんか。そこはホラ、前戯にはたっぷり時間をかけて誠意を尽くしたいタイプなので、、、ってシモネタヤメロ!

まずはこの丼ぶりからはみ出した豚肉をたっぷりと楽しんから、いざ丼の蓋をオープンです。







オープン、ゲット!(神谷明の声で)




















バーフバリ!!!
(日本語訳:肉がスゲェ!)



もうこのビジュアルで120点だよね。
お米が見えないばかりか、丼ぶりすらお肉が覆い隠しちゃってるもの。

ビジュアルに負けず劣らず、焼きたて熱々の豚ロースの美味しさときたら!
適度な弾力を感じる肉厚なロース肉は食べ応えバッチリで、軽くついた焦げ目の香ばしさもまた最高。
脂身の甘さも蕩けたなぁ・・・ぎゅるるるる(思い出しながらお腹の虫が鳴いた音)

分厚いお肉を口の中に遠慮なしに放り込んで、甘くて香ばしいタレの染みた白米を掻っ込む、、、ボクが加山雄三だったならば「ぼかぁ幸せだなぁ」と口走ってしまうのは確実なほどに大満足な豚丼でしたとさ(どんなグルメ評だよ?)


今回の復活したランチ豚丼、以前に提供されていたものよりもお肉の旨さが増しているような気が。
それにお店の方の接客もかなり好印象で、近々の再訪はもう確定事項・・・というか、明日にでも食べに行きたい、、、否、今すぐ食べたい掻っ込みたい!




  


Posted by miroku at 23:34Comments(2)日記映画ごはん

2018年02月06日

映画落穂拾い

またぞろ観たDVDやらBDが溜まってきたので、印象深かった何本かを例によって落穂拾いにて。




『バーフバリ 伝説誕生』











【ストーリー】
伝説の戦士バーフバリの宿命を映したインド発のアクション。祖父、父、そして息子の3代に続く因縁の戦いを活写する。




一部の好事家の間で、、、いや、もう全国区レベルで話題のインド映画『バーフバリ 王の凱旋』がいよいよ長野でも公開されるというコトで、未見だった前作をBDにて予習。


え?
えぇぇぇ~???
何じゃこりゃ?!?!
すっげぇぇぇ~ッ!!!



という極めて偏差値の低い感想で誠に申し訳ないんですが、もうそれしか言葉が見つからないほどの強烈苛烈で極彩色なインパクトに彩られた快作でした。
この映画を無理矢理説明するならば、「指輪物語」と「レッド・クリフ」と「ファイナル・ファンタジー」を足して3で割ってカレー粉にまぶして揚げたような感覚。宿命を背負った運命の子が自らの出自を知り大きな冒険に身を投じていくその展開は昔のロールプレイングゲームでよく見た少年マンガ的王道展開だし、戦闘シーンのドラマティックさは映画『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』で描かれたペレンノール野の合戦や『レッド・クリフ』の戦闘シーンような壮大なスケール感に溢れていて見ごたえバッチリ。


バーフバリ!
バーフバリ!!
バーフバリ!!!
バーフバリ!!!!

(日本語訳:嗚呼、早く続編を観に行かなきゃ!劇場でバーフバリにひれ伏したい!)







『ソウル・ステーション パンデミック』










【ストーリー】
 一緒に暮らす恋人のキウンとケンカし、夜のソウルの街をひとりさまようヘスン。その頃、ソウル駅では息絶えた血まみれのホームレスが生き返り、人を襲い出した。
 襲われた人がゾンビとなり、、さらに人を襲っていく恐怖の連鎖が巻き起こり、ゾンビウィルスによるパンデミックの発生を知ったキウンは、ヘスンの父と名乗る男とへスンを探すが...。




ゾンビ映画の新たなマスターピース『釜山行き』(邦題『新感染』)の前日譚を描いたアニメーションなんですが、実はこのアニメがまず先にあって、そこからあの映画が生まれたんだそうで。
そんなオリジナルたる今作は、『釜山行き』に比べて遥かにハードで救いがない物語となっておりました。

古今東西のゾンビ映画はもれなく社会の歪んた部分がそのモチーフになっているんですが、今作で描かれるのは格差問題とそのレールから外れた人々の哀しみ、そして不寛容に満ちた社会です。
ネタバレになるから詳細については書かないけれど、劇中で起こる様々な悲劇の根源は決して対岸の火事なんかじゃなくボクたちにとっても深刻な問題なんだよね。。。

『釜山行き』で流した涙は感動という感情だったけれど、こちらはなんだかもう辛すぎて涙も出ない、、、そんな韓国残酷物語でしたとさ。







『華麗なるリベンジ』









【ストーリー】
 ある乱闘事件で逮捕された男が尋問中に死亡し、担当検事のピョン・ジェウク(ファン・ジョンミン)は、身に覚えのない殺人容疑で逮捕される。懲役15年の刑が確定し服役することになった彼は、新たに入所してきた前科9犯の詐欺師ハン・チウォン(カン・ドンウォン)と出会う。
 チウォンが事件の鍵を握っていることに気付いたジェウクは、出所の約束と引き換えに協力を持ち掛ける…。




去年は『哭声』や『アシュラ』でフォースの暗黒面に堕ちた黒い魅力をバッキバキに放っていた我らがファン・ジョンミン兄貴なんですが、そのドス黒いチャームがあまりに強烈過ぎて、「こりゃあ明るく楽しい兄貴の姿を見てリハビリしなきゃ…」と手に取ったのが今作です。

この映画、兎にも角にも活きが良い!
演出のテンポや音楽の使い方、そして勧善懲悪で分かりやすいドラマ展開の全てが観ていて心地が良いんだよねぇ。

そして、「はぐれちゃってるはみ出し系」を演じさせたら天下一品なファン・ジョンミンの上手さもさることながら、相棒を演じる天下のイケメンカン・ドンゥオンの軽妙洒脱っぷりが素晴らしい!
マカロニウエスタン時代劇の傑作『群盗』で魅せた切れ味鋭いイメージが強かった役者さんだっただけに、そのギャップに正直萌えちゃった(照)、、、ってキモいわオッサン!

若い人には通じないとは重々承知しつつ、この映画の楽しさって一番面白かった時の『あぶない刑事(でか)』に通じるサムシングがあるように思うんです。冷静になって考えてみると「んなアホなッ?!」という展開ばかりなんだけど、活きの良さと痛快なテンポ、そして魅力的なキャラクターたちのノリで突っ走るその疾走感で魅せる愉快痛快な娯楽作でした。







最後に、これは映画そのものよりよりも、その公開システムがちょっと斬新過ぎたのでちらっと紹介。



『クローバーフィールド・パラドックス』






【ストーリー】
 地球の資源不足を解決するため、宇宙ステーションで新たなエネルギーの開発を試みる科学者たち。しかしある事故により、恐ろしい別次元の世界を目の当たりにする…。
 10年前、"それ"が地球にやってきたその理由が今日、明らかになる。『クローバーフィールド』シリーズ最新作。




何が斬新かって、その公開のタイミング
日本時間で昨夜開催されていたアメリカ最大のスポーツイベント、スーパーボウル。
規模、そして視聴者の数が文字通り桁外れな超特大のビックイベントなので、そこで流れる企業のCMもまた特殊仕様。スターを起用したり莫大な予算をかけたりとわざわざスーパーボウルで流す為だけに製作された特別なCMも多く、映画界にとっても話題作の最新映像をお披露目する場でもあったりします。
昨夜のスーパーボウルでも『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』『ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー』、それに我らがトム・クルーズの『ミッション:インポッシブル フォールアウト』の新着映像が流れてかなり話題になったんですが、そんな中、それまでは続編のアナウンスこそあったものの具体的な詳細については謎のべールに包まれていた『クローバーフィールド』の新作映像がで流れ、「Netflixで今夜から独占配信」とアナウンスされました。

その宣言通り、スーパーボウル終了直後から全世界同時配信スタートされたんですが、ボクが知る限りでこんな方法で公開されたハリウッド大作なんて初めて。
映画に関する事前情報が一切なく、いきなり「今夜から公開するから自宅のリビングで楽しみに待っててね♪」なんて、数年前だったら思いもつかないレベルの大珍事。

NetflixやAmazonPrimeなどの配信サービスの登場で「映画という商品」の楽しみ方はそれまでとは大きく変化しました。
でも、まさかこういう公開の方法だったりサプライズの演出があったとはッ!と、個人的にはかなり驚いた次第。
今後、こんなサプライズな公開のされ方をする映画がきっと増えていくだろうし、「この新作、もうアナタのスマホやPCに中に入ってますよ」なんてまるで手品みたいな仕掛けの映画だってあるかも?

その功罪はさておき、変革期ならではのドキドキワクワクを味わえた出来事でした。


・・・え?肝心の映画の出来はどうだったんだですって???

え、え~っと、、、ノーコメントってコトで(苦笑)
う~む、このシリーズは回を重ねるごとに「観たかったのはこれじゃないんだけどなぁ感」が増していくなぁ。。。




以上、手短にぱぱっと書くつもりがいつも以上に長文になっちゃったよ。はぁ、くたびれた…な落穂拾いでしたとさ。ぎゃふん!




  


Posted by miroku at 00:07Comments(2)日記映画

2018年02月04日

むくげの花さんでサムギョプサル

ちょっと相談なんですが、、、ねぇ、少しでいいからお金貸してくれないかな?

・・・あ、間違えた(バカか?)
このブログでオフ会なんてやったら参加希望の方っていらっしゃいます?



というのも、先日とある映画オフ会に参加したんですが、それがメチャメチャ楽しくて。
ナガブロの片隅の片隅、地図にすら載らない番外地の如き不人気ブログなれど(しかも最近はサボりがち!)、コメントでやりとりしている方々の中にはもう何年もお世話になっている方もいるので、人気ブロガーもすなるオフ会といふものを四十路ヂイもしてみむとするなり(土佐日記風に)。

それに、以前にちらっとプチオフ会的な集まりを催したコトがあるんですが、そこに参加してくださった方々とは今でもブログ外でお世話になるくらいに親しくさせて頂いているので、そんな繋がりが広がればまた楽しからずやという魂胆(言い方!)もあって。

まぁ、オフ会といってもがっつり呑みとかじゃなく、ランチで美味しいモノをたらふく食べるとかカフェでバカっ話に華を咲かせるとか、もしくは映画オフ会とかそんな感じなんだけどね。

以上、「おう!おうおう!不人気ブログの分際でオフ会たぁ笑止千万!この桜吹雪が黙っちゃいねぇぜ!」と遠山さんちの金ちゃんに怒られそうな相談はこれくらいにしておいてっと、ここからはいつもの通り食べ物バナシ。




某月某日。
今年に入ってからはなかなか訪問する機会に恵まれなかったむくげの花さんなんですが、ようやっとむくげ詣(?)するコトが出来ました。






サムギョプサルの定食ランチなり。
あら?以前よりお肉のボリュームが増しとる。炒め野菜もキャベツの他に新たに玉ねぎの姿も。こういうマイナーチェンジが何気に嬉しいですなぁ。

で、肝心要要潤なお味はと言いますと、もうアレだ、、、


このビジュアルの食べ物が美味しくないワケないじゃんか!


サムギョプサルとは銘打ってあるものの、塩コショウで味付けされた肉厚の豚肉はもうそれだけでご飯が何杯でもイケてしまう満足感。
まずはシンプルに焼肉定食として、お次はコチュジャンと一緒にサンチュならぬレタスでくるんで正統サムギョプサル式で、最後は残ったお肉と野菜をキムチと一緒にコチュジャンで炒めて「豚キムチのコチュジャン炒め丼」にして完食。お米の一粒たりとも残すコトなど許されないほどに最後の最後までごはんがメチャメチャすすむ感フルスロットルな極旨ランチでした。



・・・あ、そだ。
お肉も最高だったんだけど、スープがまた格別だったのを書き忘れてた!






いつものスープとは違い、この日はたまごスープ
お母さん曰く、「最近は寒い日が続いているから少しでも暖まってもらいたくて」と。
そんな優しさの隠し味が効いたスープは、たまごの甘さとまろやかさが寒さで冷えた身体をじんわりと暖めてくれて、心身共に大満足。



美味しいだけじゃなく、あたたかい心遣いが嬉しいお店。
近くにあれば毎日でも通いたいし、これからもずっと通い続けたいむくげの花さんでしたとさ。


  


Posted by miroku at 00:28Comments(2)日記ごはん

2018年02月02日

夜明けの善光寺を撮ってみた

最近、何故かカメラ熱が再燃。
物置の隅から埃を被った愛機(壊れかけのオリンパスEP2)やトイカメの数々を引っ張り出してはパシャパシャと自分勝手に撮っているんですが、写真ってやっぱりよいね。
いつもの見慣れた風景がレンズを通して「全く別の何か」に生まれ変わっていくのが、素直に楽しくて。
これで腕前が伴っていれば、もっと楽しいんだろうなぁ、、、トホホ。



で、

だ。

そんなある日のコト。
中年男子の得意技「寝つきが悪くて夜中にはっと目が覚める」が発動し、さて今から寝なおすには中途半端な時間だし、かといってしっかり起きるにはまだまだ早過ぎるし、、、と思案に暮れていたトコロ、

「そうだ、善光寺に行こう!」

と思い立ったが吉日、午前の4時半過ぎに車を走らせいざ善光寺へ。


いやね、初詣の時にちらっと思ったんですよ、「この人ごみがなければもっと自由に写真が撮れるのになぁ」と。
加齢による眠りの浅さをポジティブに有効活用して、その願望を叶えてみたってな塩梅です。



夜明け前に善光寺に着いて、まずは界隈をぶらぶら。
夜明け前といっても時刻は5時を少しまわった頃だったので、明かりのついているお宅やジョギングをする人たちもちらほら。それにパン屋さんからは朝一番でパンを焼く香ばしい香りなんかも洩れてきて、街が動き出す前の静かな助走が始まったという清々しい雰囲気。もう何回も、、、いや何十何百回と歩いている街並みなのに、まるで初めて歩いたような新鮮な景色がそこにはありました。


さて、いよいよ善光寺へ。


ボク以外誰も踏むコトのない石畳がまっすぐと本堂へと続いていて、普段の賑わっている善光寺からは想像がつかないほどの凛とした静寂に辺りが包まれていました。
静寂と緊張感、そして冬の寒さとが相まって、不安はだるだるに緩みまくった心身に喝を入れられたような、、、そんな身のきゅっと引き締まる思い。

ひとしきり散策も終わって、さぁて、写真を撮りまくるぞッ!と本格的にカメラを取り出してみると、、、充電切れを示す赤いランプが。

あれ?おっかしいなぁ。ちゃんと充電は済ませた筈だったのに・・・
ならばスマホでとカメラアプリを起動させると、、、これまた充電切れなのか画面が真っ暗に。


もうこの展開ってアレだよね?カメラの神様(もしくは善光寺の奥におわす絶対秘仏たる阿弥陀さん)が「オメェ、写真撮んな!」とお怒りになられている以外に説明がつかないよッ!!!

と、ここから実録心霊怪談チックなお話の方向を軌道修正したいトコロではあるんですが、なんのこたぁない単なるカメラが壊れかけ&スマホもここ最近ず~っと調子が悪いという幽霊の正体見たりなんとやら。

でも、なんとか数枚は撮るコトが出来たので、お披露目という名の公開処刑をば。
























う~む、スマホで夜間撮影はやっぱりピンがぼやけるなぁ。淡い感じも狙ったようにはいってないしで、つくづく機器の故障(=自業自得)が悔やまれる始末。

でも、写真の写り以上に夜明け前の透明な空気感を満喫できた早朝散歩になったので、結果オーライ生賴範義。
早起きは三文の徳とは言うけれど、三文どころか現代の貨幣価値にして3000円くらいの徳がある早起きになりましたとさ。

早朝の善光寺、また近いうちに行ってみようかな、、、というか正直ハマったかも?







  


Posted by miroku at 22:13Comments(4)日記写真

2018年01月30日

2017ベスト&トホホ

今年も毎年恒例のアレの季節がやって参りました!






映画雑誌「映画秘宝」の2017年のベスト&トホホ発表号でございます。
書き下ろしの表紙も毎年のお楽しみになっているんですが、2017を彩った女傑たちが一堂に会する今回の表紙も最高過ぎますなぁ!

ランクインした作品については買った人のみのお楽しみなれど、様々な選者が選んだ様々な作品群を眺めながら去年観た映画を振り返るもよし、取りこぼした映画をサルベージするもよしとかなりの満足度を誇る一冊なので、興味のある方は本屋さん等でちらっと眺めてみるのも一興かと。



で、

だ。

これまたこの時期恒例の便乗企画、ボクの2017年のベスト&トホホの発表でございます!

・・・あ、うん、大丈夫。「テメェのランキングなんて誰も知ったこっちゃねぇよッ!」って自覚はあるからさ(だったらやるなや)



まずはベストな10本から。
順位は関係なく、あくまで印象に残った10本というコトで。


『ブレードランナー2049』
 歴史的傑作SF映画の続編云々は関係なく、孤独な男のあまりに哀しき魂を描いたハードボイルドSFとして評価したい一作。ライアン・ゴズリング演じる主人公Kの生き様を想うと、今でも胸が張り裂けそうになる…。


『ドリーム』
 文句なしの痛快作。デリケートになりがちな人種や性差別の問題をエンターテイメントとして見事にまとめあげたその手腕に感服しきり。


『アトミック・ブロンド』
 シャーリーズ・セロン姐さん渾身の一本!男気ならぬ姐御気(あねごぎ)にただただ惚れ惚れするばかり。助演のソフィア・ブテラたんも可愛かった!


『IT “それ”が見えたら、終わり。』
 ホラーとしてもしっかり怖いし、ジュブナイルなダークファンタジーとしても見ごたえあり。なにより原作へのリスペクトに溢れた丁寧な作風が非常に好印象でした。 ヒロインの80年代感(もっといえばナンシー・アレン感)も作品の成功に繋がっていたと思います。


『ダンケルク』
 ノーラン、好きなんです。
 『バットマン』や『インターステラー』も良かったけれど、アメコミやSFといった軛(くびき)から解放されて、リアル志向の監督がリアルに作ったガチ映画として「観たかったノーラン映画」の完成形がそこにありました。あくまで個人的になんだけど現時点でノーランの最高傑作だと思う。


『釜山行き』(邦題『新感染』)
 これはもう入れざるを得ないでしょ!新たなゾンビ映画のマスターピース。
 しっかり怖くてやっぱり泣ける。先日もレンタルで再見したんですが、ラストの「アロハ・オエ」の歌声で号泣。あの子役の女の子、ズルいって!(最大級の賛辞)


『哭声 コクソン』
 これももう入れざるを得ないでしょ!
 あまりにスゴ過ぎて面白いのかつまらないのかが分からなくなるほどに混沌と禍々しさの闇鍋状態。
 韓国映画はこの他にも『アシュラ』『お嬢さん』と「入れざるを得ないでしょ」級のド傑作が連発で、なんなら韓国映画だけで10本選べるくらいの大豊作でした。


『オクジャ』
 これまた韓国映画なんだけど、これは韓国映画というよりはポン・ジュノ監督の最新作という意味合いが非常に強い作家性に溢れた一本。
 ポン・ジュノの新作ならばどんなに出来が酷かろうとベストに入れると決めているくらいに心底惚れ込んでいる監督なんですが、そんな覚悟がアホらしくなるほどに「ポン・ジュノ流」としか形容の出来ないその独特の作風に更なる磨きがかかっていて、いよいよこれからが楽しみになってきた!


『沈黙 サイレンス』
 スコセッシ渾身の企画が最良のカタチで作品として世に出たコトに感謝。
 アンドリュー・ガーフィールドやアダム・ドライバーも相当良かったけれど、なんといってもイッセー尾形!『哭声』の國村隼と双璧を為す「2017を代表する悪いヤツ」でした。


『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
 人は間違いを犯す生き物だけれど、この映画が紡ぐ物語はあまりに切なくて…あまりにやりきれなくて...。
 でも、切なさの境地に見えた「救いの温もり」にこの映画の優しさを感じました。ある意味でこの映画は地蔵菩薩のような作品なんだろうと思う。





そして、去年のとっておきのマストな一作となる2017年のミロク大賞(権威ゼロ)はこちら。


『ナイスガイズ!』







大賞なので画像と動画を貼ってみた、、、というスペシャル感のねつ造。




もう笑った笑った!へそで茶が湧く勢いで笑っちゃったよ!
映画でこんなに笑ったのは本当に久しぶりの体験だったし、なんだかんだで去年一番「思い出してニンマリすることの多かった」映画でした。
ラッセル・クロウのちょっと枯れた感じも良かったけれど、なんといってもライアン・ゴズリング!すっ惚けた表情に素っ頓狂な奇声という安っい笑い(褒め言葉)でこまかい笑いを根こそぎ取りにいくその姿は最早「面白い」を通り越して「カッコ良さ」すら感じるほど。
全世界の人がこの映画を観れば、世界から争いなんてなくなると思う、、、いや本気で!

個人的に昨年は哀しかったり不甲斐なかったりと忸怩たる思いの多かった一年だったんですが、そんな中この映画に出逢えてバカみたいに笑えたコトで幾度となく救われたように思えて。そんな感謝の意味も込めて、、、ね。





続きましては、個人部門。
まずは男優賞から。


ファン・ジョンミン





『ナイスガイズ!』や『ブレードランナー2049』のライアン・ゴズリング、『新感染』のマ・ドンソク兄貴、そして『哭声』の國村隼と迷いに迷ったんですが、『哭声』での暗黒舞踏の如き狂い咲き踊念仏と『アシュラ』での悪徳知事っぷりとの合わせ技でファン・ジュンミンに決定。
『国際市場で逢いましょう』で演じた底抜けの善人と対局を為す、見事なまでの「ドス黒い悪」っぷりでした。お見事!



続いて、女優賞。


姐御





こちらもガル・ガドットと迷いに迷って。
ここ最近のセロン姐御のカッコ良さといったら、なんだかもう神々しさすら感じるレベル。
『アトミック・ブロンド』や『KUBO 二本の弦の秘密』での演技もさることながら、自ら立ち上げたチャリティープロジェクトのPR動画「シャーリーズ・セロンにケツを蹴っ飛ばしてもらいたい人、募集中」も最高でした!(最敬礼)





最後に、トホホな一本。

『ザ・マミー 呪われた砂漠の王女』

ホラーとしても、伝奇アクションとしても、トム映画としてもダメダメ。
あ、でもソフィア・ブテラのアイドル映画としては100点満点!(なんだそりゃ?)



以上、「いや、でもやっぱり10本になんか選びきれないよ!他にも面白かった作品がたくさんあるのに・・・」な、本末転倒この上ないベスト&トホホの発表でしたとさ。

ちなみに、それぞれの映画についてはメンドクサイから、、、もといあえてストーリーの説明は省いておりますので、気になる作品がありましたらタイトル名でググって頂ければと。



  


Posted by miroku at 00:32Comments(6)日記映画

2018年01月28日

映画『KUBO 二本の弦の秘密』

何が嬉しいかって、ここ最近の千石劇場さんのラインナップ。
話題作を都会とのタイムラグをほとんど感じさせないタイミングで上映してくれているので、なんならグランドシネマズよりも頻繁に通っている今日この頃。

で、この日も楽しみにしていたとある映画を観に千石さんへ。



『KUBO 二本の弦の秘密』










【ストーリー】
 クボは三味線を奏でることで折り紙を自由に操ることができるという、不思議な力を持つ少年。かつて闇の魔力を持つ祖父に狙われた際に父を亡くし、片目を奪われたクボは、最果ての地で母と生活していた。しかし、闇の刺客に母までも殺されてしまう。両親のあだ討ちを心に誓ったクボは、面倒見のいいサルと弓の名手であるクワガタと共に冒険へと旅立つ…。




この作品はいわゆるCGアニメじゃございません。
人形をちょっとずつ動かして撮影するストップモーションアニメという手法で作られておりまして、、、という前提で上に貼った予告編をもう一度ご覧になってみてくださいな。

どう?「一体どんだけの労力と時間がかかってんだよッ?!」と空いた口が塞がらんでしょ。

でも、何がスゴイかって、そんな驚きがだんだんと麻痺してしまうくらいに登場人物たちの動きが自然だというコト。
あまりにナチュラル過ぎるので、いつの間にか「ストップモーションアニメを見ている」という感覚がなくなってしまうんだよねぇ。
エンドロールで製作過程の様子がちらっと映るんだけど、その時に「あ、そっか!これってそうだったんだよな」と改めてその途方もない労力と時間に思いがいって頭がちょっとクラクラしちゃった。


ストーリーはシンプルな王道展開、由緒正しい貴種流浪譚であり昔話的な冒険物語です。
なれど単なる勧善懲悪ではなく、今世界に蔓延しつつある「権威主義で窮屈な不寛容さ」という問題にも一石を投じる内容になっていて、ネタバレになるから詳しくは書かないけれど物語の終盤で登場人物たちがとったある行動は、実写で描くにはどうしても生々しくなってしまうしややもすると偽善的な甘ったるさも発生してしまうと思うんだけど、アニメ、それも作り手の情熱や温もりがダイレクトに伝わるストップモーションアニメだからこその説得力があって、ラストシーンでは思わず落涙。「人を思いやり他者を受け入れる優しさ」の素晴らしさに四十路ヂイのドス黒く濁った胸は打たれに打たれましたとさ(苦笑)


とある映画雑誌のインタビューで監督が「この作品はボクたちからの日本へのラブレター」と言っていたけれど、その言葉の通りこの映画には日本文化への誠意溢れるリスペクトに満ち満ちていて、『パシフィック・リム』の時と同様「こんなに良くしてもらっちゃって、、、なんかホントすいません」と思わず菓子折りのひとつでも持参してお礼参り(意味ちゃうだろ!)したくなるレベル。
もちろん重箱の隅をつつこうと思えばいくらでもつつけるミスやギャップはあるけれど、ここまで懇切丁寧に日本的なる表現を描いている(描こうとしている)姿勢を目の当たりにしてしまうと、そんな揚げ足取りなんて無様な真似はカッコ悪くてとてもじゃないけれど出来ないよ。

こんな熱烈な恋文を受け取ってしまったら、そんなものお断りしたら罰が当たるというもの。
ってコトで、今これを読んでいるそこのアナタ!麦芽飲料、、、もとい、観ろ(ミロ)!



・・・と命令口調で断言してみたはいいけれど、長野での上映は先週で終わっちゃってました(涙)
ソフト化されるまではまだまだ時間がかかると思うので、この映画のタイトルだけでも頭の片隅に留めておいて頂けたらと。
で、数か月後にふらりと立ち寄ったレンタル店で「あ、そういやこんなタイトルのアニメ、あのバカがオススメしてたっけ?」と思い出してもらえたら、、、、フフフ、まさにこちらの思う壺(笑)


  


Posted by miroku at 18:25Comments(0)日記映画