2018年01月30日

2017ベスト&トホホ

今年も毎年恒例のアレの季節がやって参りました!






映画雑誌「映画秘宝」の2017年のベスト&トホホ発表号でございます。
書き下ろしの表紙も毎年のお楽しみになっているんですが、2017を彩った女傑たちが一堂に会する今回の表紙も最高過ぎますなぁ!

ランクインした作品については買った人のみのお楽しみなれど、様々な選者が選んだ様々な作品群を眺めながら去年観た映画を振り返るもよし、取りこぼした映画をサルベージするもよしとかなりの満足度を誇る一冊なので、興味のある方は本屋さん等でちらっと眺めてみるのも一興かと。



で、

だ。

これまたこの時期恒例の便乗企画、ボクの2017年のベスト&トホホの発表でございます!

・・・あ、うん、大丈夫。「テメェのランキングなんて誰も知ったこっちゃねぇよッ!」って自覚はあるからさ(だったらやるなや)



まずはベストな10本から。
順位は関係なく、あくまで印象に残った10本というコトで。


『ブレードランナー2049』
 歴史的傑作SF映画の続編云々は関係なく、孤独な男のあまりに哀しき魂を描いたハードボイルドSFとして評価したい一作。ライアン・ゴズリング演じる主人公Kの生き様を想うと、今でも胸が張り裂けそうになる…。


『ドリーム』
 文句なしの痛快作。デリケートになりがちな人種や性差別の問題をエンターテイメントとして見事にまとめあげたその手腕に感服しきり。


『アトミック・ブロンド』
 シャーリーズ・セロン姐さん渾身の一本!男気ならぬ姐御気(あねごぎ)にただただ惚れ惚れするばかり。助演のソフィア・ブテラたんも可愛かった!


『IT “それ”が見えたら、終わり。』
 ホラーとしてもしっかり怖いし、ジュブナイルなダークファンタジーとしても見ごたえあり。なにより原作へのリスペクトに溢れた丁寧な作風が非常に好印象でした。 ヒロインの80年代感(もっといえばナンシー・アレン感)も作品の成功に繋がっていたと思います。


『ダンケルク』
 ノーラン、好きなんです。
 『バットマン』や『インターステラー』も良かったけれど、アメコミやSFといった軛(くびき)から解放されて、リアル志向の監督がリアルに作ったガチ映画として「観たかったノーラン映画」の完成形がそこにありました。あくまで個人的になんだけど現時点でノーランの最高傑作だと思う。


『釜山行き』(邦題『新感染』)
 これはもう入れざるを得ないでしょ!新たなゾンビ映画のマスターピース。
 しっかり怖くてやっぱり泣ける。先日もレンタルで再見したんですが、ラストの「アロハ・オエ」の歌声で号泣。あの子役の女の子、ズルいって!(最大級の賛辞)


『哭声 コクソン』
 これももう入れざるを得ないでしょ!
 あまりにスゴ過ぎて面白いのかつまらないのかが分からなくなるほどに混沌と禍々しさの闇鍋状態。
 韓国映画はこの他にも『アシュラ』『お嬢さん』と「入れざるを得ないでしょ」級のド傑作が連発で、なんなら韓国映画だけで10本選べるくらいの大豊作でした。


『オクジャ』
 これまた韓国映画なんだけど、これは韓国映画というよりはポン・ジュノ監督の最新作という意味合いが非常に強い作家性に溢れた一本。
 ポン・ジュノの新作ならばどんなに出来が酷かろうとベストに入れると決めているくらいに心底惚れ込んでいる監督なんですが、そんな覚悟がアホらしくなるほどに「ポン・ジュノ流」としか形容の出来ないその独特の作風に更なる磨きがかかっていて、いよいよこれからが楽しみになってきた!


『沈黙 サイレンス』
 スコセッシ渾身の企画が最良のカタチで作品として世に出たコトに感謝。
 アンドリュー・ガーフィールドやアダム・ドライバーも相当良かったけれど、なんといってもイッセー尾形!『哭声』の國村隼と双璧を為す「2017を代表する悪いヤツ」でした。


『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
 人は間違いを犯す生き物だけれど、この映画が紡ぐ物語はあまりに切なくて…あまりにやりきれなくて...。
 でも、切なさの境地に見えた「救いの温もり」にこの映画の優しさを感じました。ある意味でこの映画は地蔵菩薩のような作品なんだろうと思う。





そして、去年のとっておきのマストな一作となる2017年のミロク大賞(権威ゼロ)はこちら。


『ナイスガイズ!』







大賞なので画像と動画を貼ってみた、、、というスペシャル感のねつ造。




もう笑った笑った!へそで茶が湧く勢いで笑っちゃったよ!
映画でこんなに笑ったのは本当に久しぶりの体験だったし、なんだかんだで去年一番「思い出してニンマリすることの多かった」映画でした。
ラッセル・クロウのちょっと枯れた感じも良かったけれど、なんといってもライアン・ゴズリング!すっ惚けた表情に素っ頓狂な奇声という安っい笑い(褒め言葉)でこまかい笑いを根こそぎ取りにいくその姿は最早「面白い」を通り越して「カッコ良さ」すら感じるほど。
全世界の人がこの映画を観れば、世界から争いなんてなくなると思う、、、いや本気で!

個人的に昨年は哀しかったり不甲斐なかったりと忸怩たる思いの多かった一年だったんですが、そんな中この映画に出逢えてバカみたいに笑えたコトで幾度となく救われたように思えて。そんな感謝の意味も込めて、、、ね。





続きましては、個人部門。
まずは男優賞から。


ファン・ジョンミン





『ナイスガイズ!』や『ブレードランナー2049』のライアン・ゴズリング、『新感染』のマ・ドンソク兄貴、そして『哭声』の國村隼と迷いに迷ったんですが、『哭声』での暗黒舞踏の如き狂い咲き踊念仏と『アシュラ』での悪徳知事っぷりとの合わせ技でファン・ジュンミンに決定。
『国際市場で逢いましょう』で演じた底抜けの善人と対局を為す、見事なまでの「ドス黒い悪」っぷりでした。お見事!



続いて、女優賞。


姐御





こちらもガル・ガドットと迷いに迷って。
ここ最近のセロン姐御のカッコ良さといったら、なんだかもう神々しさすら感じるレベル。
『アトミック・ブロンド』や『KUBO 二本の弦の秘密』での演技もさることながら、自ら立ち上げたチャリティープロジェクトのPR動画「シャーリーズ・セロンにケツを蹴っ飛ばしてもらいたい人、募集中」も最高でした!(最敬礼)





最後に、トホホな一本。

『ザ・マミー 呪われた砂漠の王女』

ホラーとしても、伝奇アクションとしても、トム映画としてもダメダメ。
あ、でもソフィア・ブテラのアイドル映画としては100点満点!(なんだそりゃ?)



以上、「いや、でもやっぱり10本になんか選びきれないよ!他にも面白かった作品がたくさんあるのに・・・」な、本末転倒この上ないベスト&トホホの発表でしたとさ。

ちなみに、それぞれの映画についてはメンドクサイから、、、もといあえてストーリーの説明は省いておりますので、気になる作品がありましたらタイトル名でググって頂ければと。



  


Posted by miroku at 00:32Comments(6)日記映画

2018年01月28日

映画『KUBO 二本の弦の秘密』

何が嬉しいかって、ここ最近の千石劇場さんのラインナップ。
話題作を都会とのタイムラグをほとんど感じさせないタイミングで上映してくれているので、なんならグランドシネマズよりも頻繁に通っている今日この頃。

で、この日も楽しみにしていたとある映画を観に千石さんへ。



『KUBO 二本の弦の秘密』










【ストーリー】
 クボは三味線を奏でることで折り紙を自由に操ることができるという、不思議な力を持つ少年。かつて闇の魔力を持つ祖父に狙われた際に父を亡くし、片目を奪われたクボは、最果ての地で母と生活していた。しかし、闇の刺客に母までも殺されてしまう。両親のあだ討ちを心に誓ったクボは、面倒見のいいサルと弓の名手であるクワガタと共に冒険へと旅立つ…。




この作品はいわゆるCGアニメじゃございません。
人形をちょっとずつ動かして撮影するストップモーションアニメという手法で作られておりまして、、、という前提で上に貼った予告編をもう一度ご覧になってみてくださいな。

どう?「一体どんだけの労力と時間がかかってんだよッ?!」と空いた口が塞がらんでしょ。

でも、何がスゴイかって、そんな驚きがだんだんと麻痺してしまうくらいに登場人物たちの動きが自然だというコト。
あまりにナチュラル過ぎるので、いつの間にか「ストップモーションアニメを見ている」という感覚がなくなってしまうんだよねぇ。
エンドロールで製作過程の様子がちらっと映るんだけど、その時に「あ、そっか!これってそうだったんだよな」と改めてその途方もない労力と時間に思いがいって頭がちょっとクラクラしちゃった。


ストーリーはシンプルな王道展開、由緒正しい貴種流浪譚であり昔話的な冒険物語です。
なれど単なる勧善懲悪ではなく、今世界に蔓延しつつある「権威主義で窮屈な不寛容さ」という問題にも一石を投じる内容になっていて、ネタバレになるから詳しくは書かないけれど物語の終盤で登場人物たちがとったある行動は、実写で描くにはどうしても生々しくなってしまうしややもすると偽善的な甘ったるさも発生してしまうと思うんだけど、アニメ、それも作り手の情熱や温もりがダイレクトに伝わるストップモーションアニメだからこその説得力があって、ラストシーンでは思わず落涙。「人を思いやり他者を受け入れる優しさ」の素晴らしさに四十路ヂイのドス黒く濁った胸は打たれに打たれましたとさ(苦笑)


とある映画雑誌のインタビューで監督が「この作品はボクたちからの日本へのラブレター」と言っていたけれど、その言葉の通りこの映画には日本文化への誠意溢れるリスペクトに満ち満ちていて、『パシフィック・リム』の時と同様「こんなに良くしてもらっちゃって、、、なんかホントすいません」と思わず菓子折りのひとつでも持参してお礼参り(意味ちゃうだろ!)したくなるレベル。
もちろん重箱の隅をつつこうと思えばいくらでもつつけるミスやギャップはあるけれど、ここまで懇切丁寧に日本的なる表現を描いている(描こうとしている)姿勢を目の当たりにしてしまうと、そんな揚げ足取りなんて無様な真似はカッコ悪くてとてもじゃないけれど出来ないよ。

こんな熱烈な恋文を受け取ってしまったら、そんなものお断りしたら罰が当たるというもの。
ってコトで、今これを読んでいるそこのアナタ!麦芽飲料、、、もとい、観ろ(ミロ)!



・・・と命令口調で断言してみたはいいけれど、長野での上映は先週で終わっちゃってました(涙)
ソフト化されるまではまだまだ時間がかかると思うので、この映画のタイトルだけでも頭の片隅に留めておいて頂けたらと。
で、数か月後にふらりと立ち寄ったレンタル店で「あ、そういやこんなタイトルのアニメ、あのバカがオススメしてたっけ?」と思い出してもらえたら、、、、フフフ、まさにこちらの思う壺(笑)


  


Posted by miroku at 18:25Comments(0)日記映画

2018年01月24日

『新・京都迷宮案内』が終っちゃった・・・

あ~あ、今日で終わっちゃった。
ABNで午前中にやっていた『新・京都迷宮案内』の再放送。
このシリーズ、大好きなんだよね。






『科捜研の女』や『おみやさん』に代表される「木曜ミステリー」枠の一本なんだけど、他のドラマと違ってめっちゃ地味・・・もとい、ドラティックな物語性を排除して市井の人々の心の機微を丹念に描いているのがまず独特だし、主演の橋爪功の煮ても食えないタヌキ親父っぷりもイイ味で、マイ・ベスト・ドラマの一作だったりします。


いわゆる「事件」が起きないのも良いんだよなぁ。
主役はあくまでも毎日の生活をごく普通に暮らす人々で、そんなご近所トラブルレベルのお話を全国放送のゴールデンタイムで堂々と放送するってかなりのチャレンジだと思うんですが、そのチャレンジ精神をしっかりとした脚本と「若者は立ち入り禁止!」とばかりにベテラン勢のみで構成された芸達者かつ激渋な演技陣で支えているからこそ、見応えのあるドラマに仕上がっていて。
決してハッピーエンドで終わらない、苦い後味を残すエピソードが多かったのも印象的だったっけ。


あと、木曜ミステリーなので舞台は当然京都なんだけど、京都っぽくないのも個人手にはツボでした。
ワタクシゴトなんですが、今から10年ほど前にとある事情から月に2~3回ペースで京都に通っていた時期がありまして。
その際、観光地ではない京都の姿をたくさん見たり歩いたりしたんですが、このドラマにはそんな「生活の場としての京都」の空気感が色濃く出ていて。
「あ、こんな場所が出てる!」「そうそう、この路地裏にあるカフェのコーヒーをテイクアウトして一緒に飲んだっけ、、、」な~んて淡い思い出に浸りながら見るのも楽しかったり切なかったりしてね。


くそぅ!なんでこのドラマDVDになってないんだよッ?
ABNさん、お願いだからシーズン1から再放送してぇぇぇ~~~!(額から血が滲むほどの土下座を繰り返しながら)


以上、いつも以上の中身のないドラマ駄文(というか単なるボヤキ)でしたとさ。

  


Posted by miroku at 00:17Comments(2)日記映画

2018年01月22日

初詣

1月もそろそろ終わろうかというこのタイミングで、初詣。

いやね、だってお正月の善光寺なんて「見ろ!人がゴミのようだ!」とムスカ大佐も大喜びな芋洗い状態でしょ。
ラーメン屋さんで5分待つのだってノーサンキューな行列嫌いのボクなので、初詣は毎年ほとぼりが冷めた(?)このくらいのタイミングになってしまうんだよねぇ。



絶対秘仏(という名の「ホントはあるのかどうかは実は誰にもわからない」)であらせられる善光寺式薬師如来さんに今年一年を健やかに過ごせるよう極めて事務的にお願いをして、初詣も恙なく終了。
せっかくだから写真も何枚か撮ったんだけど、、、










自分勝手な加工処理の末、善光寺の良さブチ壊しなこんな有様に。
1枚目なんてこんなの、お目出度い感ゼロを通り越して確実に不吉だもの。
でも、こういう不穏な感じにどうしても落ち着いちゃうんだよなぁ、、、我ながら困ったもんだよしのり&ブラザーズ。



せっかくだから(本日2度目)、おみくじなんかも引いてみた。






封を開くと、、、






大吉先生でしたとさ。
同封されていたお守りのフィギュア(手前に見える金色のヤツね)は達磨。さっそくがま口に入れて現世利益を期待したボクは守銭奴。間違いなく地獄行き。



せっかくだから(本日最後)、こんなモノも買ってみた。






去年はじめて見つけたダース・モール達磨(正式には閻魔達磨)、デザイン的にはまったく同じなんだけど今年もついつい買っちゃった。
いろいろあった去年だったけど、この達磨のおかげでフォースの暗黒面に墜ちることなく過ごせたような気がします、、、というのは今思いついたデタラメなんだけど、一年を一緒に過ごすとなんだか愛着が湧いてしまって、、、どう?よく見るとなんか可愛くね???






今年と去年、過去と現在のダース・モールの2ショット。
来年は更にもう一体増えて、黒い三連星になりそうな予感が、、、




  


Posted by miroku at 23:05Comments(6)日記写真仏像

2018年01月21日

『DEVILMAN crybaby』を観た

こんな映画を観ました。

・・・あ、いや、正確には映画じゃなくてNetflixで限定配信のアニメ。
でも、そんじょそこらの映画じゃ太刀打ちできないほどの圧倒的なクオリティー&存在感、これはもう「映画」です。



『DEVILMAN crybaby』










【ストーリー】
永井豪の不朽の名作『デビルマン』を湯浅政明が完全映像化!
未だかつて誰も見たことがない、最も過激な“新生デビルマン”を目撃せよ。


・・・ってコレ、ストーリーの紹介じゃなよね(苦笑)
でも、これしか書きようがないんです、いやホントに。





誰もが知ってる、70年代を代表するアニメ「デビルマン」
当時のアニメは見たコトのない人でも、「あっれは~誰だ?誰だ?誰だ?」のフレーズが有名な主題歌は聞いたコトのある方も多いんじゃないでしょうか。

そんなデビルマン、あのアニメには原作があるんです。
いや、原作ではないな。アニメがまずあって、その設定を元にして原案者である永井豪が描いた漫画版「デビルマン」という作品がございまして。
これがアニメとは180度、、、というか、もう世界観そのものがまるっきり異なった物語なんです。

詳しくはネタバレになるからかかないけれど、人間の業や愚かさの描写が半端なく、さらには物語の終盤でヒロインが〇されて〇〇が〇されてしまうという少年マンガとしてはありえない展開で、「うむ、こりゃあ人間なんか滅んで当然だわな」とトラウマ必至。後に活躍する様々なクリエーターに影響を与え続け、今もなおその影響力は衰えない伝説のマンガです。



そんな漫画版がこの度、アニメになりました。
それも、あの「金は出すけど口は出さない」でお馴染みのNetflixが製作&独占配信というカタチで!

たしかにあの原作をそのままアニメ化するとすれば、まず間違いなく地上波での放送は無理だろうし、映画化となるとこれまた伝説級の「駄作」との誉れ(?)高い実写版のダメージがまだ抜け切れていないので難しいし、、、現時点では制約の少ない配信という方法がベストな選択なんじゃないかな。

で、早速観てみたんですが、、、


観たかったデビルマンがそこにあった!


キャラクターデザインや設定の一部を現代風にはアレンジしているものの、根っこに流れるそのマインドはまさしく漫画版デビルマンのそれでした。



永井豪が一番脂の乗っていた時代の疾走感だったり、神と悪魔の果てしなき闘争という壮大な世界観だったりと漫画版の魅力は数々あれど、その最大の魅力は「不安に煽られた人間どもの群集心理の恐ろしさ」だと個人的には思っていて。
優しかった隣人が、、、仲の良かった友達が、、、一夜にして無慈悲な殺戮者に変わる。
45年も昔に描かれたその描写は、今でもなお・・・というよりも今だからこその説得力を感じさせて、現代風にアレンジされた今アニメでもそのメッセージは強烈に発せられていました。

現代風にアレンジといえば、原作よりも「性」がより強調されていたのも印象的でした。
「エッチなシーンが増えた」というレベルではなく、ここじゃ書けない露骨なシーンも数多く、それが「行為を匂わす」なんてレベルじゃなく直接的かつえげつなく描写されているというオトナ仕様。

でも、これは単なるファンサービスじゃなく、ある意味必然ではないかと。

暴力と性とは切っても切れない密接な繋がりがあるし、もっと純粋な意味で性とは愛ともいえるワケで。
人間を、そして愛を描く以上、リアルな性描写は作劇上必須だと個人的には思っているので、違和感やあざとらしさは一切感じませんでした。
というか、もともと永井豪といえば「エロスの人」だもんね。



伝説の問題作が、スタイリッシュな映像と共に蘇った新生デビルマン。
過激で過剰で繊細、血と暴力と性と愛にまみれた混沌なる叙事詩。視聴環境にある方は必見かと!



  


Posted by miroku at 22:21Comments(0)日記映画

2018年01月21日

D・URANUSさんで豚カレー

気がつけば一月ももう下旬。
年末年始の暴飲暴食で一時期は3キロも増量したこの醜き肉塊もなんとか元の体重に戻って、なんならちょっと痩せたくらい。
いやぁアレですなぁ、一番効果的なダイエット方法って「ストレスで食欲を失くす」なのかもね。

・・・ダメだろそれ(涙)



と、75%冗談(残りの25%は?)な戯言はさておき、そんなこんなでダイエット生活は引き続き継続中でございまして。外食は極力控えて三度の食事も基本的にはヘルシー&少量を心掛けております。
おかげさまで懸案事項だった上半身(特に胸のあたり)の贅肉が落ち始めてきました。
「そんじょそこらのグラビアアイドルになんか負けねぇぞ♥」とわがままボディーを誇っていたボクのボインちゃん(?)も今はすっかりその面影はなくなって、身体の幅のシルエットがかなりスッキリしたような気がする今日この頃。

で、

だ。

減っていく体重に比例して、ブログから食べ物記事がめっきり減って、元々不人気かつ番外地的なポジションだったのが更に訪問者激減というね(苦笑)



なので、、、というワケじゃあないけれど、久しぶりに食べ物記事でも書こうかなと。
我が国には縄文の古来から「おせちもいいけどカレーもね」という真言(マントラ)が存在するように、年始からしばらく経つとどうしてもカレーを欲してしまうのが人の業というもの。
そんな業の赴くままに「カレーといえばあそこっしょ?」なあのお店に久方ぶりに訪問してみました。






D・URANUSさん豚カレーなり。






アップでドーン。

写真だとお肉が薄く見えるかも?なんですが、何をおっしゃるうさぎさん!「そうそう!コレコレ!コレコレタコラ!」と久しぶりの対面にこちらのテンションも無駄に上がるその名に恥じない堂々たる豚っぷりは健在。

もう何度もこのブログでこのカレーの美味しさについては言及しているので、今更詳細なレヴューは書かないけれど、野菜のコクと旨味がたっぷり詰まったこのルーは唯一無二なオリジナリティー。当然インドカレーとは違うけれど、かといって単なる欧風カレーでもないし。このお店でしか味わえない美味しさだと思います。






何気にコーヒーが美味しいのもここの魅力。
美味しいカレーを食べた後に、美味しいコーヒーを飲む、、、世の中でこんなに贅沢で幸せなコトってあるッ???(いや、普通にあるだろ)

でも、ここ最近はヘルシーな薄味に味覚が調教されていたからなのか、お店で味わえるインパクト大な美味しさに以前は感じなかった新鮮さを感じたのも事実でして。

毎日美味しいモノに囲まれた食生活はもちろん素敵なコトだけれど、満を持して旨いものにありつくというのも「食」の楽しみ方として正解のひとつなんだろうなぁと改めて思い知った次第。

さて、次はどのお店の何を食べよう?
おら、ワクワクしてきたぞ!(野沢雅子のモノマネをするアイデンティティ田島チックに)




  


Posted by miroku at 00:04Comments(4)日記ごはん

2018年01月14日

和布の手帳

ふぅ、、、

本来ならば今頃は長野市民劇場で平田オリザ氏が主催する劇団青年団の公演「さよならだけが人生か」を観劇しているハズだったのに、のっぴきならないアレコレによりドタキャンせざるを得ない事態に。
久しぶりの長野公演が嬉しくて発表と同時に買ったチケットが無駄になってしまったというコト以上に、会場に空席を作ってしまったコトが残念やら申し訳ないやら。

それに加えて、心身共に不調気味な感じがここしばらくずっと続いていて。
今年もまだ始まったばかりだというのに、なんだかパッとしない日々、、、

まぁ、そんな日曜日もあらぁな。




と、四十路ヂイの情けない愚痴はこれくらいにしておいてっと。
そんな不調を吹き飛ばしてくれる(といいなぁ)素敵グッズが届いたので、開運祈願のみせびらかせ(どんな理由だよ?)






2018年の手帳なり。
今年も例年の如く、京都の和布専門店さん謹製の和柄手帳にしてみました。

ここの手帳の特徴は、プリントされたなんちゃって和柄風ではなくアンティーク着物の生地から作られた一点モノだということ。和布独特の肌触りや質感が使っていく毎に手に馴染むような感覚があって、ここ数年はずっとこのお店の手帳になっちゃってます。

で、今年は遠州綿紬のこんな柄をチョイス。
派手なんだけど落ち着きがあって素敵でございましょ?

うんうん、そうだよな。
1月の初っ端から愚痴ってる場合なんかじゃなくて、この手帳が嬉しい出来事でびっちりと埋まるような、そんな一年にしなきゃな!




  
タグ :手帳


Posted by miroku at 18:11Comments(2)日記

2018年01月11日

映画『キングスマン ゴールデン・サークル』

『キングスマン ゴールデン・サークル』










【ストーリー】
謎の組織「ゴールデン・サークル」によって、ロンドンにある高級スーツ店を隠れみのにしたスパイ組織「キングスマン」の根城がつぶされてしまう。残ったのは、以前スカウトされて腕を磨いたエグジー(タロン・エガートン)と、教官でありメカ担当のマーリン(マーク・ストロング)だけだった。二人は敵を追い、同盟組織の「ステイツマン」の協力を求めてアメリカへ渡る。




これはもう全世界待望といっても華厳の滝ではないでしょう、あの『キングスマン』の続編でございます。

前作よりも難易度&ケレン味が上がったアクション、予想の斜め上をいくバカバカしい、、、もとい奇想天外な展開、そして豪華な役者陣という映画を構成するあらゆる要素がハイクオリティーで、特にキャスティングに関しては完全のツボでした。
反則スレスレ(というか正直アウト)なまさかの復活を遂げたコリン・ファースを含め前作から続投組はもちろんのこと、敵の大ボスをキュートで凶悪に嬉々として演じるアカデミー女優のジュリアン・ムーア(『ブギーナイツ』の頃からずっとファンなんです)や「え?これで51歳なの?!?!」という奇跡の美魔女っぷりを誇るハル・ベリー、一挙手一投足の全てがいちいちカッコいいペドロ・パスカル、そして今をときめくチャニング・テイタムの無駄遣いっぷり、、、あぁもうすんげぇ楽しかった!
そして、忘れちゃいけないエルトン・ジョン!
出演するのは知っていたけど、どうせカメオ出演程度でしょ?と高をくくっていたこちらの予想を覆すがっつり出演&八面六臂の大活躍!リベラーチェ風味のキッチュ&ポップな衣装も最高!!!

監督マシュー・ボーンの持ち味たる「悪趣味感」もバッチリ決まって、愉快痛快極まりない大エンターテイメント娯楽作でした!




・・・と、ここまでエクスクラメーションマーク多発で大絶賛しておいてアレなんですが、たしかに一本の映画としても、大ヒット映画の続編としても完成度の高い作品なのは十分承知の上であえて言います。

ボク、この映画大嫌いです。



※※※ 以下の愚痴はネタバレせざるを得ないので要注意 ※※※



まぁ、嫌いとは書いたものの、正確にいうと「哀しい」という感情です。
前作からのキャラクターが2名、今作で退場するんですが、その展開が、、、ねぇ。

まずは前作でヒロイン的ポジションだった、主人公のスパイ仲間のロキシー。
絶体絶命的状況の中で主人公と共に世界の危機を救った彼女が、あまりにあっけなく殺されます。しかも冒頭の15分くらいで。
彼女の「良い人」っぷりが発揮された直後のシーンだったので、この展開に正直ついていけなくて。
エンドロールの最後の最後まで、「で、やっぱり生きてましたってシーンがあるんだよね?」と思いながら観ちゃってたんですが、そんなシーンがないまま劇場の明かりが灯って上映終了。。。

ひょっとすると演じるソフィ・クックソン嬢のスケジュール的な問題かな?と思いつつ、でも、失礼ながら彼女はそんなに売れっ子の大スターというワケじゃあないし。
監督にも脚本家にもキャラクターへの愛はないのか!とまでは言わないけれど、彼女の退場とその演出には個人的には大疑問でした。



そしてもうひとり。
世界で一番セクシーなハゲ(ボク調べ)でお馴染みの、我らがマーク・ストロング叔父貴も今作で退場します。えぇ、死にますとも(泣)







ボク、この人がメチャメチャ好きなんですよ。
いろんな映画で「このハゲ、最近よく見るなぁ」とまだ名前を覚える前からその頭のカタチが妙に印象に残っていて、で、そのほとんどが悪役だったというね。
前作でも「いつマーク・ストロングは裏切るんだろう?」とハラハラしながら観てたっけ。

そんな叔父貴の退場。
ボクの中でこの『キングスマン』というシリーズはマーク・ストロングとコリン・ファースのセットで大好きな世界観だっただけに、残念という言葉以外が見つからない喪失感。
まぁ、コリン・ファースの無理矢理過ぎる復活劇の例もあるので、もしかするともしかするかも・・・いや、あれだけ泣かせの演出があっての退場だったから、それはないだろうなきっと。
続編のアナウンスが耳には入ってくるんだけど、マーク・ストロングのいない『キングスマン』はちょっと受け入れがたいです。



退場といえば、ペドロ・パスカル演じるウイスキーの最期もちょっとなぁ。
裏切り者といってしまえばそれまでだけど、彼は彼なりの正義感や信念があってのあのポジションだったはずなのに、

ミンチはねぇだろミンチは!

マシュー・ボーンの悪趣味感や悪ノリのセンスはキライじゃないけれど、ウイスキーのあんな姿は正直観たくなかった。。。



続編、どうなるんだろう?
主役のエグジーはアレ、スパイは引退ってラストなのかな。
さすがにスウェーデン国の王子となった身分でスパイ活動なんてできないだろうし。

ロキシーは死に、マーク・ストロングも退場して、オリジナルのメンバーはコリン・ファース演じるハリーのみ。
ぶっちゃけこのシリーズの「顔」は主演の彼よりもコリン・ファースだし、彼がいればシリーズの続行には支障がないのかもしれないけれど、かなり先行きが不安だったりします。

いや、大好きなシリーズだけにこんなコトは書きたくはなかったんだけどなぁ。。。




と、湿っぽいハナシで終わるのもアレなので、グランドシネマズに貼ってあったこんなポスターで〆。






いよいよ来月に迫って参りましたなぁ。
この極彩色の豪華絢爛なイメージに、いやがおうにも期待が高まるってもんです!

・・・でも、この蛇足極まるクソダッサイ副題はなんとかならんのか?



  


Posted by miroku at 21:52Comments(6)日記映画

2018年01月08日

瀬戸内海のレモンなラーメン

こまごまとした日用品を買いに近所のダイソーへ。
使い捨ての雑貨なんかは変にこだわるよりも100均の方が効率的だし、なにより安いので重宝しているんだけど、そんな便利グッズの中にこんな商品を発見。






瀬戸内海レモンラーメンですって奥さん。

はて?レモンなラーメンとな?
まるでごはんにジャムの如き違和感を感じつつも、「これはひょっとするとひょっとするのでは???」という可能性も大いに期待させる未知の組み合わせに、思わず手に取ったままレジに直行&帰宅後に早速調理スタート。

まずはスープの香りから。
ちょっと濃い目のレモンティーのようなその香りは、食欲をダイレクトに刺激するような類のものではないものの、これから食べる未知のラーメンへの期待をぐいぐいと押し上げるのには十分な芳香。

では、いただきます。


う、、、
う、、、
うまッ!!!



塩ベースのタレはとても100円で買ったとは思えない程に上品でクリアな味わいで、そこに加わるレモンの酸味がまたちょうど良い爽やかさを醸し出していて。
もっとキワモノ的な、例えばぺヤングのチョコレート味のようなオモシロ系ドッキリ味を予想していたんだけど、このスープ、かなり本格派な印象です。

で、麺もかなり好印象。
パッケージには「麺は油で揚げておりません」「二昼夜かけ低温乾燥された生麺感覚そのままの熟成麺」という謳い文句が躍っていて、なるほど細麺のつるつるしこしこ感は決して一流メーカーのインスタント麺に負けていない、、、
というか、これはあくまで個人的感想なんだけど、マルちゃん生麺に代表される「なんちゃって生麺」なんかよりも遥かにナチュラルな麺の美味しさを感じられたような気がしました。


まぁ、冷静に考えていれば、スーパーで売っている袋麺は5パックで300~400円くらいで買えるので、1袋100円という価格帯は袋麺としては決して安くはないのかもしれないけれど、このクオリティーで100円なんて素直に感心しちゃいました。

そのままでも美味しかったけれど、ナンプラーやパクチーを加えるとエスニックなラーメンに化ける可能性も秘めていて、これは久しぶりに掘り出し物に当たったゾ!と大満足なレモンラーメンでしたとさ。

へ~、これってダイソーのオリジナルブランドなのね。
ダイソー、恐ろしい子!




・・・と、ここまで書いてはたと気づいたコトが。

それは、、、


肝心のラーメンの写真を撮るの、
すっかり忘れてんじゃんよ!



ぎゃふん。



  


Posted by miroku at 18:21Comments(2)日記ごはん

2018年01月07日

ボクとマリオ・ジャコメッリ

今年の入って、ブログのプロフィール画像をちらっと変えてみました。
とはいえ、こんな不人気ブログのそんなマイナーチェンジなぞ誰の目にも止まることなどなく、猟奇趣味仲間(どんな仲間だ?)のほそっぱちさんだけがかろうじてその変化に反応していただいたというね。

そのほそっぱちさんから「この写真、なんぞ?」という問い合わせがあったので、簡単に紹介してみたい所存。






プロフィールに使っているこの写真は、イタリアの写真家マリオ・ジャコメッリ「私にはこの顔を撫でてくれる手がない」という連作の中の一枚です。
純白の雪の中で黒衣の神学生たちが舞い踊っているその姿は、一見調和を感じさせつつも孤独や疎外感といった感情も惹起させる不思議な構図になっていて、ハイコントラストなモノクロの効果(まるでイラストレーションのよう!)も相まって、見た者に不思議なインパクトを与える写真になっています。

このジャコメッリという写真家、大好きなんです。

この人の撮る写真はほとんどがこのように不思議な味わい、、、もっといえば不穏や不安に満ちたものが多く、こんな表現は適切ではないけれどまるで「心霊写真のようなぼんやりとした薄気味の悪さ」に強く惹かれてしまって。







「スカンノ」






「死が訪れて君の眼に取って代わるだろう」




「スカンノ」の、現実と異界が交錯したような曖昧さや、「死が訪れて君の眼に取って代わるだろう」の今まさにホスピスにて死にゆく老女と、彼女の周囲の現在進行形な生(なま)の生活感との恐ろしい違和感、、、彼の写真の中でも特に好きな2枚です。




興味のある方は「マリオ・ジャコメッリ」で画像検索すると、彼の作品のいくつかはヒットするはずなのでそちらをば。
もっと深く知りたいという方は、作家の辺見庸氏による「私とマリオ・ジャコメッリ― 生と死のあわいを見つめて」をオススメしておきます。






厳密にいうと写真集ではないものの、代表的な作品は網羅されているし、辺見氏によるジャコメッリ論も読み応えアリ。で、しかも安い!(アマゾンなら700円くらいで購入可)






シャレオツで大判なこんな写真集も出てはいるんだけど、正直ちょっとお高いので。。。



以上、「彼に影響されてボクも一時期写真を撮っていたんだけど、、、そういや最近カメラすら手に取ってないな」な反省極まる日曜の深夜でしたとさ、トホホ。




  


Posted by miroku at 23:50Comments(9)日記ごはん写真

2018年01月05日

Uchi Caféの福袋

ふと立ち寄ったローソンで、こんなモノを発見。








ローソンのUchi Caféシリーズが詰まった福袋(500円)なり。

福袋って滅多に買わないんだよねぇ。

中には掘り出し物もあるんだろうけれど、やっぱりどこかで「どうせ余りモノの在庫処分なんでございましょ?」という、テメェが余りモノの独身奇族(貴じゃなくて奇ね)な賞味期限切れ四十路ヂイなものだからさ、同族嫌悪っていうんでしょうかこういうの?(哀し過ぎるわッ!)

ま、まぁ、そんなこんなで普段は買わない福袋なんですが、500円だったらたとえハズレを引いたとしてもダメージは少ないし、カフェラテの一杯無料券も付いているしで、とりあえず買ってみた次第。

で、

肝心要の中身はというと、こんな感じ。






ポテチとバウムにサンドが2種。
これ、何気にお得かも?

普通に買えばこれだけできっと500円以上はかかるだろうし、ここにカフェラテを入れれば絶対に700円オーバー。
それにUchi Caféシリーズだから味は一定以上のクオリティーだろうしね。

たまには買ってみるもんですなぁ、福袋。





  


Posted by miroku at 23:36Comments(0)日記ごはん

2018年01月05日

映画落穂拾い

年末年始の風邪っぴきにより、半ば強制的に寝正月とならざるを得なかったこの連休。
どうせ家で引き篭もるんだったら観逃していた映画でもこの際一通りクリアしとっかというワケで、そんな諸々を例によって落穂拾い形式にて。

今回は数があるので映画レヴューに必要なあれやこれやはばっさり省略して、ざっくり感想のみの省エネレヴューにて。





『イップ・マン 継承』






ドニー師父のイップマンシリーズの最新作にして、現時点で最高峰の功夫映画
「なんでこれ劇場で観逃したかなぁ」と自己嫌悪しつつも、吹き替えが大塚芳忠さんだったので大満足。やっぱりドニーさんの声は芳忠さんじゃないとね!(功夫映画は吹き替えで観たい派)







『サバイバルファミリー』






予告編を見る限りでは面白可笑しいサバイバルコメディーっぽい印象を受けるんだけど、はっきり断言します。この映画、そんじょそこらのホラー映画なんかよりもよっぽど怖い!

当然、その怖さの根源には3.11の影があります。
7年前、怖いとか恐ろしいといった個人的な感情の遥か上を行く「この国はどうなってしまうんだろう・・・」という絶望感に襲われながら、昔見た映画『日本沈没』のラストシーンが脳裏をよぎったあの数日間、、、日常なんていとも簡単に崩壊するという現実を、この映画はまざまざと思い出させてくれました。







『22年目の告白 私が殺人犯です』






ネタバレになるから書かないけれど、これはもう脚本の勝利というか、藤原竜也をこの役にキャスティングした時点で勝ちが確定したようなもんだよね。気持ち良く裏切られたし素直に面白かった!
オリジナルの韓国版とは映画の性質そのものが異なるから安易に比較はできないけれど、ボクはこっちの方が好みのタイプかも。







『トンネル 闇に鎖(とざ)された男』






ハ・ジョンウ、オ・ダルス、そしてぺ・ドゥナ・・・このキャスティングでつまらない映画が作れるもんなら作ってみやがれ!的な、観る前からもう面白いのが約束されている映画(笑)
ほぼほぼジョンウの一人芝居で展開していく物語なんだけど、改めて「上手いなぁ!」と唸ってしまうハ・ジョンウのその役者力に脱帽。
そしてそれを支えるオ・ダルスのカッコ良さにも惚れ惚れ、、、ってか、こんなにもオットコマエなオ・ダルスって初めてかも?吹き替えの声もやけにイケメンボイスだったし。こちとらいつものずっこけオジサン(失礼な!)なオ・ダルスに慣れちゃってるもんだから、それに慣れるまでは若干の違和感も(苦笑)

で、ドゥナ嬢に関してはもうアレだ、今からでも遅くないから世界遺産に指定して、その美貌や凛とした佇まいを後世に伝えるべく全地球的なムーブメントを起こしていくべきなのでは?と真顔で提案せざるを得ない存在感の美しさでした、、、ってか、結婚して!(バカか?)

映像特典にこの映画のプレミア試写会の模様が収録されていたんだけど、その会場にわざわざあのウォシャウスキー姉妹のお姉ちゃんの方が駆けつけてドゥナ嬢を絶賛。「アンタたち姉妹はどんだけぺ・ドゥナが大好きなんだよッ!!!」と思わず吹き出しちゃいました。
これも彼女の魔力が為せる業、、、ドゥナ、恐ろしい子!
(注:『マトリックス』で有名なウォシャウスキー姉妹はここ数年に手がけた映画やドラマ全ての作品でドゥナ嬢を起用し続けています)


最後にちょっと真面目な感想を。
ボクたちが『シン・ゴジラ』に3.11を重ねたように、韓国の人たちはこの映画にセウォル号の事件を重ねて観ていたのかも?と、作中で描写される政府やマスコミの対応にそんな思いを抱きました。登場する女性長官なんて、まんまアノ人だったし。
だからこそ、諦めない思いが奇跡を呼ぶラストに人々が共感して大ヒットに繋がったのかなと、、、まぁ、ボクの勝手な想像なんだけどね。







『用心棒』






大晦日にBSでやっていた「大晦日だ一番!黒澤明祭り」(いや、そんなタイトルじゃなかったけれど)、ご覧になった方はいらっしゃいますでしょうか?
さて、これから大掃除に取り掛かるゾ!と鼻息を荒くしたとたん、付けっ放しにしていたTVから『七人の侍』が流れてきて、気がついたら大掃除をあっさりと放棄、続く『生きる』、『用心棒』、『椿三十郎』と夕方までどっぷりと黒澤明漬けになってしまったんですが(ダメ人間)、中でもこの『用心棒』の痛快無比で天衣無縫な面白さにヤラれてしまって。

以前に観た時は、、、といってももう20年以上も昔なんだけど、その時は正直「映画のお勉強」という意識が強くて。黒澤に小津、それにタルコフスキーやベルイマンなんかを映画ファンになりたてのボクは勉強と称して観まくったんですが、二十歳前後の田舎者の青二才(しかも童貞)にはあまりにチンプンカンプンで、ただただ「観た」というコト以外の収穫はなくて。。。
でも、四十路をオーバーした今、こうして改めて観てみると、その演出や画作りの力強さだったり三船敏郎が発する圧倒的なオーラや演技陣が醸し出す味だったりがいちいち胸に響いてしまって。

それに、当時は全く気がつかなかった「・・・え?こんな人も出てるの?!?!」な驚きが、まるで人物当てクイズの答え合わせをしているような楽しさがあって、「この20数年の間で、ボクも映画ファンとして少しは成長していたのかもしれないなぁ」的な感慨もひとしおふたしおごましお。

よし!来年は旧作を数多く観直す一年にしようと決めた、2017年最後の夕方でした。




以上、省エネレヴューと言いながら結局はダラダラと長くなってんじゃねぇかコノヤロウ!な落穂拾いでしたとさ、ぎゃふん!



  


Posted by miroku at 01:13Comments(2)日記映画

2018年01月04日

不穏!不穏!不穏!映画『ゲット・アウト』

新年一発目、2018年の映画姫始め、、、あ、いっけね、年の初めから下品なシモネタなんて最低だよね。今年こそはちゃんとしたオトナになろうとつい5分前くらいに決意したばかりだというのに、、、

では改めて。
2018年の映画筆下ろしはこんな映画から(ホント最低だ…)




『ゲット・アウト』










【ストーリー】
 アフリカ系アメリカ人の写真家クリスは、白人の彼女ローズの実家へ招待される。過剰なまでの歓迎を受けたクリスは、ローズの実家に黒人の使用人がいることに妙な違和感を覚えていた。
 その翌日、亡くなったローズの祖父を讃えるパーティに出席したクリスは、参加者がなぜか白人ばかりで気が滅入っていた。そんな中、黒人の若者を発見したクリスは思わず彼にカメラを向ける。しかし、フラッシュがたかれたのと同時に若者は鼻から血を流し、態度を急変させて「出て行け!」とクリスに襲いかかってくる…。






各方面から大絶賛の評が続々と耳に聞こえてくる今作、いよいよ長野上陸でございます!

で、感想と言いますと、、、


おもしろかったぁぁぁ~~ッ!!!


言葉を尽くしてその面白さをだらだらと語るよりも、単純明快なこのひとことの方が今作の持つ衝撃を言い表しているような気がするので、今回はこれにて終了~





ではあまりに省エネルック(?)過ぎるので、蛇足とは知りながらも個人的感想なんかをネタバレをつつらつらと。

この映画、とにかく不穏!
まるで不穏が服を着て歩いている、そんな映画(どんな映画だ?)

キャッチコピーにもあるように、「なにかがおかしい」という抽象的かつ決定的な不安感に全編が支配されていて、笑顔の端に現れる一瞬の悪意だったり、何気ない会話の中にふと訪れる静寂だったりと、決定的な何かは起こらないもののそんな不穏の焦らしプレイが延々と続き、そしてついに、、、

と、ここから先は観てからのお楽しみ。



伏線の貼り方や回収の仕方もお見事。
前半の何気ないシーンの意味に後半になって「・・・あッ!」と気づかされる場面が何度もあって、しかもそれが決して単なるサプライズ狙いではなくストーリーや登場人物の造形により厚みを持たせるという脚本の上手さ。

出演陣もすこぶる好印象で、大スターこそいないけれどちゃんと芝居の出来る俳優を適材適所に配置して、演技のアンサンブルの調和がしっかり取れていました。
当たり前っちゃあ当たり前なんだけど、これがなかなか難しいんだよねぇ。

最高に面白い脚本に、迫真の演技陣。予算の大小なんか関係なくそりゃあ大ヒットするよね。
ってか、ヒットしなきゃおかしいよ!



ジャンル的にはサスペンスだったりスリラーになるんだろうけれど、個人的には悪意に満ちたブラックコメディーという後味でもあり、後半の物語的飛躍でホラー的なニュアンスも加味されたりと、一筋縄では亀甲縛りできないそんな多面性も今作の魅力だと思います。

2018年のスタートがこの映画で本当に良かった!



予告編にもある、黒人女性がひきつった笑顔で「No...no...no.no.no.nononononono...」と連呼するシーン、、、ハッキリ書きます。ここ最近観た全ての映画、、、否、全ての出来事の中で一番怖かったデス(涙)


  


Posted by miroku at 00:11Comments(2)日記映画

2018年01月03日

読書落穂拾い

この年末から年始にかけて、読んだ本がことごとく面白かったので例によって落穂拾い形式にて。




『図解 なんかへんないきもの』 ぬまがさワタリ著





この本は、イラストレーターのぬまがさワタリさんがツイッター上にて展開しているオリジナルの生物図解を一冊にまとめたものなんですが、これがまぁ面白いのなんのって!
世に生物の不思議でオモシロな生態を紹介する本は数あれど、この本がそれらとは明らかに一線を画すのは、その唯我独尊なスタイル。
ユルカワなイラストに小ネタたっぷり(映画ネタ多し!)な解説と、動物の生態を解説するという本来の趣旨を逸脱しかねないギリギリのバランス感覚が読み物として普通に面白いという塩梅でして。

「ぬまがさ」で検索をかけると氏のツイッターや発表した様々な「図解」がヒットするので、興味のある方はそちらを参照していただくとして、ボクが一番「・・・え?マジかッ?!」と絶句したのはエメラルドゴキブリバチの章。
エメラルドのように煌めく体躯をしたこの蜂は、特殊な毒でゴキブリをゾンビ化し意のままに操ってしまうという!

と、こうやって文章にしてしまうとなんだかメチャメチャ怖いんですが、氏の手にかかるとこれがまぁなんともキュートで可愛らしくなってしまうから不思議。






・・・ね、めっちゃキュートっしょ♪(特にゴキブリが)






『鬱な映画』 別冊映画秘宝





その名の如く観ると鬱な気分になる映画を特集したこの本は、序文の言葉を借りるならば「映画を通して聞こえる精神の悲鳴、心の折れる音」に耳を傾ける本です。

劇場の暗闇に包まれながら、懊悩する映画の中の登場人物の一挙手一投足に目が釘づけになる。それは決して作り物の絵空事なんかではなく、ボク自身の姿でもあるから・・・と、そんな経験が幾度となくあります。
そんな映画を観るという行為そのものがある意味傷口に塩を塗られるような痛みと切なさを伴うにも関わらず、観終った後にはなんとなく気持ちがすぅっと軽くなったような、、、明日を生きる為の心の灯火にぽっと明かりがついたような、、、この本に登場する映画の数々に一体何度救われたことか。

でもまぁ、そんな救い以上に気持ちがズドンと完堕ちする映画(例えば『ダンサー・イン・ザ・ダーク』)みたいなのも多かったりするんですが(苦笑)







「〇〇な映画の本」3部作、こうやって並べてみるとちょっと壮観。







『元報道記者が見た昭和事件史』 石川清著





今ではもう有名な猟奇事件(津山30人殺しや安部定事件などなど)の陰に埋もれてしまったけれど、より陰惨で狂気じみた昭和の事件の数々に焦点を絞ったルポです。

ちょっとここで書くのは憚られるような内容なので詳細は明記しないけれど、凡百の下世話趣味まる出しな実録猟奇本とこの本が決定的に異なるのは、事件の裏側に潜む日本的構造の闇に焦点を当てている点。
紹介される事件はどれも残酷極まりないけれど、その残酷さは何も特別なことではなく、その時代の地域性や社会性によってもたらされた合理的な帰結であり、ある種のシステムと定義してもよいのかも、、、というのが個人的な後味でした。

単なる残酷本ではなく、昭和という失われてしまった時代と社会を「猟奇事件」という観点から検証するという意味に於いて、非常に読み応えのある一冊でした。







『世にも美しい瞳 ハエトリグモ写真集』
『ハエトリグモ ハンドブック』





かわいいなぁ、ハエトリグモちゃん♥


・・・って、


キモいわッ!!!


いやいや、これが全然キモくないんですってば。
丸っこいボディーに円らな瞳(しかも複眼)が超かわいいハエトリグモ、なんでもここ最近は密かなブームなんだそうで。

以前はボクも「クモなんてキモい!あっちいけ!」くらいの感情しか湧かなかったんですが、先に紹介したぬまがささんの図解でハエトリグモが紹介されていてちらっと興味が湧いたが最後、その可愛さと洗練されたボディーデザインにすっかりメロメロになってしまったという次第。

まぁ、とにかくこの写真集の表紙を黙ってごらんなさいな。
エメラルドグリーンに輝くその瞳の、なんとミステリアスなことか♪

ってか、まさか四十路オーバーで虫に、しかもクモなんぞにハマるとは・・・人生って何が起こるか分からないものですね(苦笑)







『とんでも春画』





ぎゃぁぁぁ~~~ッ!!!
ち、、、
ち、、、
ち〇こに骨がぁぁぁ~~~ッ!!!



この本はファンタジー過ぎるエロスが暴走した春画を特集したムックなんですが、そんな春画の数々はもちろんここじゃアップできません(だってモロ出しだから)

表紙のち〇こがしゃどくろとはじめとして、有名な北斎のたこvs美女や性器がモチーフのオモシロ妖怪の数々に、

「江戸時代の男子もバカだったんだなぁ・・・」

と、ご先祖様に猛烈なシンパシーを抱いてしまいましたとさ。




ハエトリグモと昭和の事件、それと春画に関しては長野市図書館にあるので、お近くの方はよかったら手に取ってみてくださいな。
以上、「虫にエロに鬱映画、そして猟奇殺人、、、正月早々いろいろ偏り過ぎだろ!」な落穂拾いでしたとさ。




  


Posted by miroku at 00:18Comments(2)日記

2018年01月01日

2018年のスタート

2018年が今日からスタート。
思えばあれからもう19年も経ってしまったのか。

「今年は1999年。予言が本当なら我々人類は・・・」

と恐れおののいたあの瞬間から、、、


って、


元日早々不吉なコト書くなやッ!!!





と、毎度お馴染みのネガティブシンキングでごめんあそばせ。

年末年始、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
ボクはといえば寝正月、、、というかダウン正月。
ここ最近の無理がたたったのか、このタイミングで疲労が一気に噴き出して今朝から臥せっておりました、トホホ。
しばらくはゆっくり休んで、2018年の本格スタートに備えねば。


平成も今年で30年。
そんなアニバーサリー(?)な一年が、皆さんにとって良い年になりますように。





で、

だ。

そんな年末年始。
ウチの大晦日は各自が食べたいモノをチョイスしてご馳走し合うというカオスティックな晩餐になるというのが恒例行事になりつつあるんですが、お寿司に揚げ物、ローストビーフや馬刺しといったご馳走が並ぶ食卓でボクがチョイスしたのはイタリアン。

年末からなんとなく美味しいピザが食べたい欲がもぞもぞと燻っていたので、豊野にある隠れた名店ジャックさんのピザとパエリア(イタリアンじゃなくスペイン料理だけど)をテイクアウトしてみました。

で、これが大正解!






まずはパエリア。
この派手なビジュアル、大晦日のお目出度い感がより盛り上がりますなぁ!

お味もメチャメチャ好印象。
お米のパラパラ感といい、具だくさんな食べ応えといい、とてもテイクアウトとは思えないクオリティーの高さに大満足でした。おこげも最高!
パエリア鍋に出来立て状態でテイクアウトできるので、家で食べても熱々のままなのも嬉しいね。








ブルーチーズのピザと、








にんにくと唐辛子のピザ。

ミラノ風の薄くてカリッとした生地の食感が楽しいピザ2種、特にブルーチーズがストライク!
ブルーチーズ独特のクセがそのまま美味しさに変換されていて、本来なら苦手な筈のウチの両親も美味しい美味しいといってバリバリ平らげてました。


場所的なコトもあってそんなに頻繁に使うお店ではなかったけれど、今回はじめて注文したパエリアが本当に良くて。それに、ピザの美味しさにも改めて気づいた感ありなので、ジャックさんにはこれから度々お世話になりそうな予感が(笑)




パエリアやピザをもりもり食べて。
でもってお寿司やカキフライ、ローストビーフなんかもしこたま食べて。
ここ最近はすっかり少食な食生活に移行していたにも関わらず、大晦日の愛かれ気分で食べまくった結果、翌日にダウンって・・・

今年も前途多難だねこりゃ(涙)
  


Posted by miroku at 22:36Comments(8)日記ごはん