2017年06月28日

心底どうでもいい近況報告

近況報告 その①

最近はちょいとばかしバタバタ気味。
「疲れがなかなか身体から抜けなくてねぇ」という四十路ヂイならではのスキルも発動して、朝がなかなかツラい今日この頃。

この日も「あぁ、会社火事にならねぇかなぁ・・・」と、出勤途中の車の中で現実逃避な妄想世界を漂いつつも、イカンイカン!こんなネガティブな気持ちで一日のスタートを切っちゃダメ絶対!と一念発起、立ち寄ったコンビニでこんなモノを購入してみた。






翼を授けるCMでお馴染みの、レッドブルなり。
良くわからないんだけど、コレを飲むとなんか元気が出るっていうじゃない。

実はワタクシ、レッドブル童貞でして。
炭酸飲料にしては若干高めな価格帯なので「そんなんだったら普通にコーラ飲むわ!」だったし、そもそも「エナジードリンクってなんなの?デカビタやリアルゴールドなんかと何が違うの???」というスタンス。
でも、これだけ有名で世界的に愛されるのにはきっとワケがあるはず、ボクにも翼を授けてください!と、今回思い切ってブル姐さんに筆おろしをして頂きました。

で、その結果は・・・


う~ん、、、ボクはデカビタでいいや


というしょんぼりムード。
キツめな炭酸が喉に気持ち良い程度で、これといって疲れが取れたり元気が出たりという効果は確認できず。
味も妙に甘ったるいカンジで、正直「なんでコレが大人気なんだろ?」といった印象。

ま、まぁ、飲んですぐに元気が出るドリンクなんてそんなもの、よくよく考えたらあるワケがないよね。もし仮にあったとしたら間違いなく「所持しているだけで逮捕される」系な方向だし。


で、結局は「とはいいつつもレッドブル」という若干のプラシーボ効果を期待しながらも「会社に隕石がぶつからねぇかなぁ・・・」と再度妄想迷宮世界にダイブ。で、運転する車は情け容赦なく会社の駐車場に到着してしましたとさ、ぎゃふん!

・・・って、ダメ社会人にも程があるわッ!!!





近況報告 その②

ここ数年愛用していたお気に入りのスリッポンが経年劣化により戦線を離脱、新たな戦力となる手駒を探していたんですが、ようやっと良い感じのモノを見つけたので、見せびらかせ。






どう?なかなかシャレオツっしょ。
サイドのデザインがちょっと面白いのと、お手頃価格(6000円でお釣りがくる)の割には安っぽくないのがいいかなと。


この夏の足元のオシャレはコレで決まりだぜッ!!!


と、妖怪四十路ヂイの口から出る言葉としては説得力ゼロな台詞を吐いてみた。





近況報告 その③

・・・と、シャレオツなスリッポンをゲットして浮かれていたのも束の間、先日友人から「ミロクの服のセンスって、ゲイバーのオネエサンたちの私服みたいだよね」という有り難いお言葉を頂戴してしまいました。。。

いやぁ、自覚症状がないって本当に怖いですなあ(オマエが言うな!)




以上、「ファッションセンスは心のセンス」というワケで、皆さんも普段の装いや身だしなみにはくれぐれもご注意を!


  


Posted by miroku at 22:05Comments(4)日記

2017年06月22日

映画『マンチェスター・バイ・ザ・シー』を観た

とある劇場にて。

ボクの斜め前に座っていた男性、あら?どこかで・・・と思ったら、某放送局の男性アナウンサーでした。
テレビでの印象は良くも悪くも「人畜無害系」
けれど、実際の印象は清潔感と大人の落ち着き感溢れるファッションで、最初はその人と気がつかなかったほどにイケメンならぬイケ中年。

やっぱり人前に出るコトを生業としている人って、そんじょそこらのオッサンとは違いますなあと感じ入った次第。

これだけのイケ中年を人畜無害なとっちゃん坊や(失礼な!)に見せてしまうテレビって、なんて恐ろしい機械でございましょ・・・


以前にも書いたっけ?実はボクの従姉妹がモデルをやっているんだけど、身内の贔屓目を抜きして超絶美女な彼女も、テレビに映ると「近所を普通に歩いている人」レベルに見えちゃうんだもんなあ。
テレビや映画の最前線で活躍してる女優さんなんて、それこそ美のバケモノなんだろうね。



で、

だ。

そんなイケ中年と遭遇した劇場で観た映画が、こちら。



『マンティスター・バイ・ザ・シー』










【ストーリー】
 ボストン郊外で便利屋として生計を立てるリーは、兄ジョーの訃報を受けて故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーに戻る。遺言でジョーの16歳の息子パトリックの後見人を任されたリーだったが、故郷の町に留まることはリーにとって忘れられない過去の悲劇と向き合うことでもあった。




この予告編だけを見ると、何処かで見た感ありありな安っぽい感動ドラマのような印象を受けるけれど、さにあらず。
映画史上最も哀しい十字架を背負い、人間としての感情を封印しなければ生きていけない男の苦悩と再生を描く、非常にハードでヘビーなドラマです。

ネタバレになるから詳細は書かないけれど、主人公を演じるケイシー・アフレック(ベン・アフレックの弟)がとにかく素晴らしかった!
夫として、父として、人間として、決して贖うことのできない大きな罪を犯した男を演じていて、本作でアカデミー主演男優賞を獲ったのも納得の鬼気迫る熱演でした。



ネタバレ話ができないかわりに、ここからは映画を観終った直後のボク自身の心象風景をば。
なので、「オメエの自分語りなんか読みたかねぇよ!」という方は、ここらで離脱してくださいませ。



エンドロールが流れ終った時、ボクの心にはある顔が浮かんでいました。
それは、ボクが過去に傷付けてしまった人たちの顔。

裏切って、騙して、傷付けて。

心の底から謝りたいと願っても、もう二度と会えない(会う資格がない)人たち。
もちろん、悪意から傷付けたり裏切ったのではないけれど、ボクの弱さや狡さゆえに相手の心を踏みにじってしまったという、ある意味「余計にタチが悪い」わけで。。。


ケイシー演じる主人公の姿に過去の自分を重ねながらスクリーンを凝視しているうちに、「贖罪」という言葉の意味が深く心に突き刺さってきて・・・
劇場の暗闇を出た瞬間に視界に広がった空の青さは、いつも以上に眩しくて鋭かったです。



  


Posted by miroku at 22:52Comments(2)日記映画

2017年06月19日

主にオモニの味(駄洒落)

某月某日。

さて、お昼ご飯は何にしようか?と映画の帰りに権堂周辺をぶらりングしていたトコロ、長細いパンにソーセージを挟んだ食べ物を売っているお店(店舗を特定されないための配慮として)を発見。

へ~こんなお店がオープンしたんだ?と、早速テイクアウトで購入。家まで我慢できずに車の中で食べようと蓋を開けようとすると・・・


食べ物が入った箱が、天地が逆になって袋に入ってましたとさ。


箱の中にはバラバラになった具材が散乱し、ケチャップとマスタードが難解な抽象画を描いている有様。
オープンしたばかりでまだオペレーションに慣れていないとは思うから、クレームを入れに行くのはぐっと堪えたんだけど(本当はまたお店まで歩くのがメンドクサかっただけ)、それにしたってこれはあまりにも、、、ねえ。

ナチュラル・ボーン・貧乏性なので、バラバラになった欠片をあつめてどうにかこうにか食べたんだけど、


ボカァはフランケンシュタイン博士かッ?!?!


と、クソつまらねぇひとりツッコミを入れるのが精いっぱい。とてもじゃないけど「お昼ご飯を食べました」なんて気持ちにはなれずに、改めてお昼探しを再開。で、見つけたのがこんなお店のこんなお料理。








韓国家庭料理のお店むくげの花牛ハラミ焼肉ランチなり。

このお店を選んだ理由が「駐車場から近かったから」というネガティブさを吹き飛ばすくらいに、大正解なお店でした!


まず、お肉のボリュームが素敵♪
800円(税込み)というお値段を感じさせないハラミ肉の大迫力が素晴らしいですな。
ジュージューに焼けた鉄板に乗っけ盛りなので、最後まで熱々のままなのが嬉しいし、なによりお肉が美味しい!
軟らか過ぎず硬過ぎず、噛めば噛むほど旨味が感じられて、ご飯がすすむったらありゃあしない。
付け合せの玉ねぎも良い仕事してました。

ご飯といえば素敵ポイントがもうひとつ。
このお店のランチはご飯とスープ、それにキムチとナムルとサラダが食べ放題になっておりまして。
で、それらが全て手作り&ことごとく美味い!
辛さよりもマイルドな旨味を感じるキムチは、まさに韓国のオモニの味。
このキムチとナムルだけでごはん一杯いっちゃった、、、というか、まずはお肉で一杯、キムチナムルで一杯、でもって再びお肉で一杯と、計三杯もごはんをおかわりという四十路オーバーにしてモリモリの食べ盛り状態。

チョレギサラダもスープももれなく美味しくて、大満足なランチになりました。

あ、そうそう。お冷のコーン茶も良かった!
お肉の油分をリセットしつつ、美味しかった食事の後味とコーン茶独特の香ばしさがのみが口の中に残るという最高のコンディションでごちそうさまでした。



で、

だ。

あまりにこのお店を気にいっちゃったので、数日後に再訪。






この日は石焼ピビンパをオーダー。

これを混ぜに混ぜて・・・






ピビンパの壁(?)を建設するコト数分で、美味しいおこげの完成~
これまた最高でした!






焼肉屋さんに行かずとも、、、というか、焼肉屋では味わえないオモニの味が堪能できるこのお店、他のメニューも絶対に美味しいに決まっているので、これから通っちゃうんだろうなあ。

というか、よくよく考えてみたら長細いパンにソーセージを挟んだ食べ物を売っているお店(長いよ!)でおねえさんが箱の天地を入れ間違わなければ、このお店とも出会えなかったワケで・・・
人生、何がどう転ぶかわかったもんじゃありゃあしないね。



  


Posted by miroku at 22:33Comments(6)日記ごはん

2017年06月17日

衝撃の五目焼きそば!

某月某日。
先日記事にしたご近所のカツ丼屋、、、もとい食堂の金長食堂さん
ソースかつ丼がべらぼうに美味しかったから今度は玉子とじカツ丼いっとくべ!と休日のお昼に食べに行ってみると、そこには「本日貸切につき」との張り紙が。

残念な気持ち半分、大繁盛の人気店なんだなあやっぱりという嬉しい気持ち半分。
玉子とじカツ丼リベンジを胸に、その場を後にしました。


さて、リベンジするのはいいとして、今日のお昼ご飯をどうしようか?
もう頭の中はカツ丼で出来上がっちゃってたから、今から別の選択肢をアレコレ探すのも面倒くさいなあ。今日は家にあるモノでちゃちゃっと簡単に済ませちゃうとすっかな。あ、でもその前に頼まれていた雑用を片付けとくかと、まずは家とは別方向に車を走らせていると、視界に中華料理屋さんの看板が。

普段は滅多に通らない道なので、お店の存在自体はなんとなく覚えてはいたものの、今までは一度も食事の選択肢には入ってこなかったその中華料理屋さん。でも、これも何かの縁だよね?という一期一会精神が発動。ボクにしては珍しく悩み無用で即決入店。






中華料理蘭蘭さん五目焼きそば、なり。

ほほぅ、なかなか見目麗しいビジュアルじゃないですか!
豊富そうな具材も、もやしでかさ増ししていない感じが好印象ですなあ。

それでは、いただきます。


ゴ、、、
ゴ、、、
ゴメンナサイ!!!



正直あまり期待せずに入ったお店だっただけに(失礼な!)、食べた瞬間の「あ、これ美味しいヤツだ!」というギャップに土下座必至の謝罪表明。


清湯ベースに塩味がきりりと効いた餡は、見た目通りの上品な味付け。
けれど決して上品ぶった薄味という感じではなく、上品な中にも旨味や風味はしっかりと凝縮されているので、ひとくちひとくちの満足感はかなり濃厚。

そんな餡が絡む具材もまた良し。野菜が大きく目にカットされているので食べ応えが抜群だし、瑞々しいシャキシャキ感が残る火の通り加減も絶妙。
写真じゃ見えないけれど、かなり大きめなエビが2個入っていて、下味がキチンと施されているのがハッキリわかるくらいにエビ単体がしっかり旨い。野菜の火加減具合といいこれといい細かい仕事が本当に徹底されているなあと感心しきり。

餡の部分がこれだけ美味けりゃ麺だって間違いないのは自然の摂理。しっとり&パリパリな食感を楽しめる半硬半軟な麺がこれまた超絶ボク好みな塩梅で、食べ終わった瞬間に無意識のうちに「あぁ美味かった・・・」と思わず口走ってた自分にビックリ&納得の焼きそばでした。




正直に言います。
食べている最中に頭の中にあったのは、「美味しい」という感想よりも、

「こんなお店、今までいったいどこに隠れてたんだッ?!」


という驚きでした。
・・・ま、まぁ、隠れてたんじゃなくてオメェが気がつかなかっただけだろ?ってハナシなんですが。


つい先日、杏華苑さんの焼きそば最高!と書いたばかりなんですが、この焼きそばの登場でボクの中の五目焼きそば勢力地図は完全に上書きされちゃった感がハンパないです。

この調子だと他のメニューだって確実に美味しいだろうし、他じゃチョット見慣れないメニュー(たらこチャーハンとか中華たらこ茶漬けなど)もあって、久々の探索のし甲斐がありそうなお店の出現にオラわくわくしてきたゾ!(野沢雅子先生の声色で)

急に中華を食べたくなっても、もうしばらくは長野市まで車を飛ばさなくてもよいかも。
いやぁ、スゴイお店が選択肢に加わっちゃったなコリャ。

  


Posted by miroku at 19:09Comments(0)日記ごはん

2017年06月14日

適応能力と定番焼きそば

某月某日、とある映画館での出来事。

映画も中盤に差し掛かり、さあさあいよいよ盛り上がって参りましたよ!とそんなテンションの最中、どこからともなくなにやら怪しげな匂いが。


香ばしいっちゃ香ばしいし・・・
酸っぱいっちゃ酸っぱいし・・・
臭いっちゃ臭いし・・・



この匂い、はて何処かで・・・というか、ぶっちゃけすぐに「足の臭いだ!」と分かるインパクト&ダイナマイト。



まず最初に思ったのは、「ヤベ、犯人はボクか???」という自作自演説。
でも、映画を観る前にお風呂に入ったばかりだったし、靴も最近新調したモノだったから、どうやら下手人は他にいそう。

状況証拠(臭っい匂い)から犯人を中年男性と特定したボクは、「ったく、どこのクソヂヂイだよ?」周囲を見回したトコロ、そこにはボクの推理を裏切る衝撃の光景が!
事件の真相、それは・・・


近くに座っていた若い女性が、靴を脱いだ足を前の座席に乗っけていましたとさ。


ボクが重度の足の臭いフェチだったら「ごちそうさまです!」と土下座もののシチュエーションなんだろうけど、残念ながらその手の性癖は持ち合わせちゃいないもので、ただただ不快でただただ迷惑。



本来ならばすぐにでも注意しなくちゃいけないとは思いつつも、直接注意するにはちょっと席が離れているし、その女性の連れらしき男性はEXILE風(湘南之風チックでも可)な風体で、個人的には最も苦手なタイプ

結局、女性はその鑑賞スタイルをキープし続け、気がついたらボクの鼻の方が匂いになれてしまって最終的には足の臭いを気にすることなく映画を最後まで楽しめちゃったという本末転倒過ぎるオチ。いやぁ、人間の適応能力って素晴らしいですなあ♪

って、

そういう問題じゃねぇだろ!




映画の最中にスマホを弄るトンチキ、、、もとい困った人たちがあまりに多過ぎて最早「日常の風景」になりつつあった昨今、上には上がいるなぁと思い知らされた出来事でした。

これが今流行りの嗅覚でも映画を楽しめるという4DXっていうのかな?(ちゃうわ!)




で、

だ。

そんな足の臭いの後でこんな話題もなんなんですが、毎度の如く美味しかった食べ物のオハナシ。

「このお店だったらコレ!」
という定番って誰でもありますよね。
他のメニューはそうでもないけど(失礼な!)、これと決めた定番のメニューだけはもう何年も食べ続けているみたいな。

ボクにとって焼きそばの定番は、このお店のこんな焼きそばです。






木工団地近くに古くから店を構える杏華苑さんの、五目焼きそばなり。

ネットで検索をかけてもあまりレビューが見当たらないお店だけど、焼きそばが食べたいなぁと感じた瞬間に脳裏に浮かぶのは、間違いなくこのお店のコレなんです。


なんといっても麺、これがメチャメチャ好みのタイプ。
中はもちもち、外はカリカリ。おこげなんかもピンポイントに配置されていて、麺の美味しさてんこ盛り。
トロトロ&具だくさんの餡との相性も抜群で、「満腹にさえならなければ、もしかしたら一生食べ続けるコトが出来るんじゃないのか?」と妄想すら過るほどに安定感抜群な飽きのこない味付けも最高。麺として100点満点の無敵食べ物だと思ってます(あくまでも個人的見解として)


ただ、これはいろんな事情があるから仕方のないコトなのかもしれないけれど、具材の彩りが以前に比べて寂しくなっちゃった(=もやし率が高くなった)ような気が・・・
まぁ、このお値段(たしか680円くらいだったかな)でこんなに美味しい焼きそばが食べられるという事実の前では、そんなコトは些細な問題。というか、もやしだって美味しいから無問題!


味の好みは千差万別。人それぞれの好みがあるから「絶対食うべき!」なんて居丈高な言葉は使わないけれど、ボクにとってはなくてはならないお店であり、いつまでも食べ続けたい焼きそばです。
こういう街の中華屋さんでお気に入りの一品を見つけると、ちょっと嬉しくなるよね。




PS.
同じように、坦々麺(汁なし、冷やし含む)を食べたくなった時にまず一番に思い浮かんでいたお店がありまして。
権堂にあった麺華さん
この前のテレビで汁なし担々麺の特集と放送していて、「よし、週末あたり麺華に汁なし食べに行こうっと!」と企んだ刹那、去年に閉店したのを思い出してがっくりと肩を落とした次第。

幸福は過ぎ去ってからはじめて気づくというけれど、麺華さんの担々麺がもう一度食べたいなあ。。。



  


Posted by miroku at 23:23Comments(0)日記映画ごはん

2017年06月11日

映画『ローガン』を観た


こんな映画をグランドにて。



『ローガン』










【ストーリー】
 ミュータントの大半が死滅した2029年。長年の激闘で疲弊し、生きる目的も失ったローガンは、アメリカとメキシコの国境付近で雇われリムジン運転手として働き、老衰したプロフェッサーXことチャールズ・エグゼビアを匿いながら、ひっそりと暮らしていた。
 そんなある日、ローガンの前にガブリエラと名乗る女性が現れ、ローラという謎めいた少女をノースダコタまで連れて行ってほしいと頼む。組織に追われているローラを図らずも保護することになったローガンは、チャールズを伴い3人で逃避行を繰り広げることになるのだが…。





映画にそんなに詳しくない方でも、「X-MEN」というシリーズタイトルくらいは聞いたコトがあるんじゃないでしょうか?
そんな人気シリーズをスタートから牽引してきたヒュー・ジャックマンが今作を持って当たり役だったウルヴァリン役を引退するというコトでも話題の本作なんですが、実はワタクシ、この「X-MEN」というシリーズが少々苦手でして。
なので正直本作も全くのノーマーク、「DVDが出たらレンタルしてみっかな?」くらいの体温でした。

でも、公開後に聞こえてくる評判は絶賛の嵐で、注目している何名かの映画評論家もネットや雑誌にこの映画について熱い文章を書いていて、それならばと休日のレイトショーに紛れ込んできたんですが・・・


「これをノーマークってオマエ、、、
今まで一体映画をナニを観てきたんだよ???
映画ファンなんてやめちまえッ!」



と自分自身を叱りつけたくなるくらいに、素晴らしい作品でした!



アメコミの人気ヒーロー映画ですが、この映画には完全無欠のスーパーヒーローや人類滅亡を企てる悪の超人なんかは一切登場しません。
そこにあるのは、人生の下り坂を迎えた男の「死に場所探し」のロードムービー。今作はまるで70年代のハードボイルド映画のような悲哀と絶望に満ちています。

無敵の力と不死身の治癒能力を武器に世界を幾度となく救ってきた主人公ですが、とある理由からその能力に陰りが見え、今では雇われドライバーのバイトで糊口をしのぐ有様。悪の超人たちを景気良くぶっ倒してきた自慢の腕っぷしは衰え、街のチンピラにさえ大苦戦を強いられる始末だし、雑誌やスマホは老眼鏡なしじゃまともに読めやしない。常に咳き込み片足を若干引きづりながら歩く彼の姿は痛々しいそのもので、「え?ヒュー・ジャックマンってこんなに芸達者だったっけ?」と失礼千万な驚きを感じるほど。

そんな全てを失った彼が「とある事件」に巻き込まれ、生きる希望、、、いや正確には「自分に残された最後の時間と力を賭して守るべき者」を見出すんですが、その姿がなんとも哀しく、それでいて素晴らしい輝きを放っていて。
映画評論家の真央八重子さんがこの映画を評して「武士道」と表現していたけれど、「死ぬことと見つけたり」という言葉がぴったりとハマる骨太な傑作だと思います。



世界的大ヒットシリーズの人気キャラの最終章を、こんなにも地味で小規模な世界観でのストーリーとしてまとめたのがまず驚きだし、一切の妥協を許さずにR指定上等でこれほどまでのクオリティーを達成したキャスト・スタッフ陣の熱量に感服。場内が明るくなった後も余韻に痺れて劇場を出るのが一番遅くなってしまったとさ。

・・・苦手だった「X-MEN」シリーズ、最初っからもう一度観返してみようかな?

  


Posted by miroku at 22:30Comments(2)日記映画

2017年06月09日

映画落穂拾い

最近はいよいよ物忘れが激しくなって、先日も「お、これカッコいいじゃん!」とネットを見ながら服を速攻ポチッたんですが、クローゼットを整理していると同じようなデザインの服が何枚も出てくる始末で・・・

黒のロングカーディガンは、もう一生分買ったような気がする・・・(困惑そして動揺)



と、心底どうでもいい近況報告はこれくらいにしておいてっと。
ブログをサボっている間に観た映画の感想がまたぞろ溜まってきたので、面白かったモノをいくつか恒例の落穂拾いにて。






『美しい星』











原作はあの三島由紀夫、しかもSF小説という異色作。
三島というと若かりし頃に「英霊の聲」「憂国」を読んだ程度。で、当然この原作は未読。
どちらかというと吉田大八監督の最新作という部分に惹かれて観に行ったんですが・・・

う~ん、なんか違う。。。

と、なんだかぼんやりムードな後味。

中学の頃に雑誌「ムー」を定期購読していた元UFOマニアとしては、ある出来事をきっかけにコンタクティーとして突如覚醒した主人公の悲喜交々をマニアックなUFOネタを散りばめながら描く重喜劇的なモノを期待していたんだけど、この映画はどちらかというと宇宙人目線で地球や社会の現状に警鐘を鳴らす的な社会派テイスト。

ボクはてっきりニャントロ星人とかウンモ星人のUFOが登場すると思ってたんだけどなぁ・・・




これがウンモ星人のUFOだ!



って、

出るかそんなマニアック過ぎるヨタ話!


でもまぁ、コレは単なる「ボクが思ってたんと違う!」という、ワガママな子供の駄々っ子みたいな難癖でして。
作品自体はハッとするショットやセリフ回しが随所に散りばめられていて、流石は吉田監督という一筋縄ではいかない娯楽作でした。







『メッセージ』











「登場する巨大な宇宙船がばかうけ(栗山米菓のおせんべい)にソックリじゃん♪」という本当にくっだらない理由で公開前から一部で話題だった今作、いざふたを開けてみると紛うことなきSF映画の大傑作でした!

SF映画というと「どうせバカっぽいアクション映画でしょ?」というイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、今作はさにあらず。
ド派手なアクションも、カッコいい宇宙船も、凶悪な侵略宇宙人も出てきません。
そんな諸々のかわりに、摩訶不思議な「文字」が登場します。
この映画は、宇宙人がもたらしたその文字を解読する言語学者の物語を通して人類が新たな次元へ上昇するその第一歩を描いた、本当の意味での「SF」(サイエンスフィクション)です。

ネタバレになるから詳しくは書かないけれど、小難しいSF的理論を親子愛というテーマを主軸において分かりやすく観客に提示した脚本も誠実だし、観客を騙す(?)演出も上手く機能しているしで、これはもうお見事の一言に尽きます。

『インターステラー』『オデッセイ』、それに『ゼロ・グラビティ』と最近は知的好奇心を気持ち良く満たしてくれる硬派なSF映画が多いけれど、今作もその系譜に連なる傑作だと思うし、この勢いでSF小説史上燦然と輝く名作「幼年期の終わりに」も映画化してくれないかなぁ。







『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー vol.2』











え~っと、まずは先に謝っておきます。
ボクにはまだこの映画を語る資格はないのかもしれません。
だって、まだたった3回しか観てないから・・・

というワケで、一週間に3回立て続けで劇場に足を運ばせてしまうほどに、最高オブ最高な一本でした!


前作をご覧になった方なら理解して頂けると思うんですが、あの愉快な連中に再び会えるだけで気持ち的にはもう大満足。ストーリーなんて正直どうだっていいんです・・・というのはいささか暴論だけど、実際問題として「2作目のジンクス」を不安に思う部分は多分にありました。どんなに頑張ったって、前作のあの煌めくような奇跡的な楽しさを超えるコトって不可能なんじゃないかなと。

たしかに、映画としてのテンポ感や痛快さは前作に軍配が上がるかもしれません。
実際、ネット上ではそんなレヴューもちらほら見かけたし。

でも、今作は愉快痛快な楽しさだけじゃなく、楽しさと本来は表裏一体な痛みや葛藤を正直に描き、それらシリアスな苦悩を全て飲み込みながらも最終的に「やっぱコイツら最高じゃん!」という能天気でシンプルな感想に着地するという離れ業をやってのけていて、映画的完成度でいえば前作を越えていると思います。

ラストで主人公ピーター・クイルが決断する「ある選択」。これもまたすごく粋なんだよなぁ。
エンタメ娯楽作品って映画にしろ漫画にしろ、「なんだかんだいったって結局アンタが特別な存在だったってコトなんでしょ?」という流れが多い中(例:ルーク・スカイウォーカーや孫悟空など)、そんな潮流に対する強烈なアンチテーゼが炸裂していてなんとも痛快でした!



で、ここからはボクの勝手な思い込みな駄話。

映画『キングコング:髑髏島の巨神』が新生キングコングの誕生譚であったのと同時に、ジョン・C・ライリー演じる第二次世界大戦で時が止まった男の人生が再び動き出す「再生の物語」でもあったように、今作は本筋で語られる物語と並行してマイケル・ルーカー演じるヨンドゥの「誇り高き魂の復権の物語」でもありました。

マイケル・ルーカーといえば、映画『ヘンリー』で実在の殺人鬼ヘンリー・リー・ルーカスを演じたコトでもお馴染みのコワモテ俳優にして、今作の監督ジェームス・ガンの盟友。
そんな彼が演じる全身真っ青な宇宙海賊の親分は、ある事情により尊敬する仲間から蔑まれ、部下からも裏切られ全てを失う直前まで追い込まれます。

そんな彼の取ったある行動と選択が仲間を助け銀河を救い、失っていた信頼を回復する・・・ネタバレになるので詳しく書けないのが本当に残念なんですが、この映画で誰よりも輝いて描かれていたのは、間違いなく彼だったと思います。

終盤、彼は「俺は〇〇〇・〇〇〇〇だ~!」と、日本でも有名なとある映画のキャラクターの名前を叫ぶシーンがあるんですが、そのキャラクターとヨンドゥが成し遂げたコトが重なって、気がつきゃ涙腺のダム決壊。まさかマイケル・ルーカーにこんなにも泣かされるとは・・・



って、映画を観ていない人にはチンプンカンプンな文章をダラダラ書いちゃってスマン。

最後に今作をこれから観ようと思っている方にひとこと。
今作は吹き替え版が断然オススメです!
なぜなら、全世界でも日本人だけが楽しめる「グッとくるポイント」があるから。
といっても、なにも日本人に向けての特別サービスシーンがあるってワケじゃなく、あくまで吹き替えがもたらした偶然の産物。もしかしたら若い人には伝わらないかもしれないけれど、80年代にTVで放送されていたアメリカのTVドラマに馴染みのある30~40代の方なら思わずクスッとなること請け合いなので、気になる方は吹き替え版を是非!




以上、「ホントは個々の映画についてもっと長々と書きたかったんだけど、、、やっぱブログはこまめにアップせにゃあかんね」と反省しきりな落穂拾いでしたとさ。



  


Posted by miroku at 01:09Comments(0)日記映画

2017年06月07日

名物に美味いモノあり!

某月某日。
持病(無性にカツ丼が食べたくなる病)が突如再発し、何処かに良いお薬はないものかしらん?と情報収集をした結果、こんなお店を発見。






地元の食堂、金長食堂なり。

どうですかこの佇まい、そしてこの看板。
なんでも創業80年の老舗なんだそうで。「渋い」なんて言葉では追いつかない程の味わいに高まる昂揚感、そして「ホントに営業してんのかな・・・」という一抹の不安。

でも、入り口でもぞもぞと悩んでいてもしょうがない。
イェ~イ、パパよ♡、、、もとい、ええい、ままよ!と当たって砕けろ精神でいざ入店してみると、建物のビジュアルに負けず劣らず、店内の味わい深さもかなりリアルな本格志向。


「・・・い、いや、でもこういうお店にこそ「本物」があるんだよなぁ、、、たぶん」


と、内なる声を松重豊(a.k.a.井之頭五郎)の声で再生しながら、ネットで名物と紹介されていたソースかつ丼をオーダー。
待つこと数分、到着したのがこちら。






飾りっ気のない昔ながらのこの丼ぶり、こういうの好きだなぁ。

子供の頃、近所の定食屋さんの鍋焼きうどんやかつ丼が大好物でさ。もちろんそんなに頻繁に外食をしていたワケじゃなく、風邪を引いた時くらいしか食べさせてはもらえなかったんだけどね。
お店のおじさんが岡持ちで運んでくる店屋物のかつ丼や鍋焼きって、たしかこんな器に入っていたっけ。味の詳細なんかは当然覚えちゃいないけど、いつも食べてる家のごはんとは違う特別感もあって堪らなく美味しく感じたっけ、、、な~んて遠い記憶が思わずフラッシュバック。

この青い丼ぶりの中には、どんなかつ丼が待っているんだろう?
最初の不安はどこへやら、一気に高まった食欲と期待を胸に蓋を開けると、そこには・・・






ドーン!










かつ、ドーン!!!




ほっかほかの白飯の上に、大きなカツが3枚乗っけ盛り。それ以上でもそれ以下でもない荒々しいまでのシンプルさ。
ボクがもし独裁者になったら、まず手始めに全国のソースかつ丼からキャベツを撤廃しようと考えているんですが(どんな妄想大統領だよ?)、このビジュアルはボクにとって理想的なソースかつ丼のカタチそのまんま。うんうん、こういうのなんだよ食べたかったソースかつ丼って!

出来立てのカツを頬張り、白飯を一気にかきこむ。


うわっ、何これうまっ!(ここで再び松重ボイス)


ソースは割とあっさり風味。でも、やわらかいヒレ肉にしっかりと下味が付けられているので、食べた瞬間の満足度はかなり高し。
カツに合わせてか、ご飯の炊き具合もちょい柔め。このご飯とヒレ肉とが絶妙に絡んで、見た目のハードさとは裏腹な「やさしい美味しさ」に一気に完食しちゃった。
お肉、ソース、そして油の香ばしさのバランスもちょうど良い塩梅なので、ガツガツとかきこんでもしつこさやクドさを一切感じず。この仕上がりのクオリティーの高さも印象的なソースかつ丼でした。






食堂なのにまるでカツ丼専門店のようなこのお品書きも、当初は様々なメニューがあったけれど長い歴史の中で取捨選択された結果この最良なカタチに落ち着いたのだと思うと(あくまでボクの妄想)、これまた味わい深し。


はじめて食べたのに、どこか懐かしさを感じるのは、きっとこのお店が醸し出す歴史の深みであり味わいの為せる業なんだろうね。
まさかこんな名店がご近所にあったとは・・・

フフフ
フフフのフ
こりゃあ良い店を見つけたわい!







  


Posted by miroku at 22:57Comments(2)日記ごはん