2013年01月13日
『その夜の侍』を観た
いやぁ!スゴかったねッ!!!
・・・って、え?ナニがそんなにスゴかったのかですって?
そんなモン、さっきNHKスペシャルでやってた、世界で初めて撮影に成功したダイオウイカの映像のコトに決まってるじゃないですかァァァ~~~ッ!!!
人間の想像力の斜め上をいく非現実なスタイルを持った生物が、深海という自らのフィールドで自由に躍動しているその姿は、美しさを通り越して荘厳ささえ感じました。
流石、「大王」の名は伊達じゃないね!
・・・
・・・
・・・って、アレ?違う違う。イカもスゴかったんだけど、この前観た映画もイカに負けず劣らず凄かったってハナシをしたかったんです。
先週、ずっと気になっていた映画『その夜の侍』を、公開終了ギリギリでなんとか観に行くことが出来ました。

【ストーリー】
郊外で小さな鉄工所を営む中村健一は、5年前、最愛の妻をトラックにひき逃げされた。それからというもの、死んだ妻との思い出から抜け出せないまま抜け殻のようになりながら、犯人への復讐の機会を窺っていた。
一方、刑期を終え出所した犯人の木島宏は、タクシー会社の研修を受けながらも先輩の星を痛めつけたりと、やりたい放題の毎日を送っていた。
そんな木島の元に、復讐を遂げる日までのカウントダウンを告げる脅迫状が届く。。。
堺雅人と山田孝之のW主演となれば、そりゃあもう演技を眺めているだけで面白いのはほぼ確定。それならばと出来るだけ事前情報をシャットダウンして劇場に臨んだ今作だったんですが、当初の予想はヒリヒリするような復讐劇、フィルムノワール的な映画だと勝手に想像してました。
でも、その予想は見事に裏切られちゃいました。良い意味で。
映画の軸となるのは当然「復讐」なんですが、復讐という行為そのものよりも、復讐という名の暗闇に光る電球に、まるで夜の虫のようにわらわらと登場人物たちが集まっていくその様を、哀しみと可笑しみをもって淡々と描いた、まるで人生残酷物語ともいうべき静かで切ない物語でした。
この物語に登場する全ての人物は、孤独で、心のどこかに欠損を抱えています。
そのぽっかりと空いた心の穴を埋めたくて、ある者は愛や理解を求め、ある者は他者の為に尽くし、ある者は何もしないままその場の状況にただただ流され、またある者は内なる欠損にもこれっぽっちも気付くことなく自堕落に、そして無軌道に毎日をただなんとなく生きている・・・
でも、人は決して一人では生きていくできない。
何らかの「磁力」の元に人は引き寄せられ、そこから否が応でも「人間関係」が形作られていく。
この映画の場合、その磁力とは「復讐」です。
復讐する者とされる者、そして彼らを取り巻く者たちの、虚無で孤独な魂の群像劇・・・ボクはこの映画をそんな風に受け取りました。
って、なんだかワケのわからない文章になっちゃったな。
もっと簡潔かつ乱暴に一言でまとめると、エヴァと同じ匂いのする・・・そんな映画でした。
エヴァってさ、要は「他人との距離感やコミニュケーションの取り方が全然分からないんだ。どうしよう・・・」って物語だと思うんですが、この映画が描かんとしているものって、そこなんじゃないかなと感じるんです。
ネタバレになるので詳しくは書かないけれど、ひとつひとつのセリフやシーンに、まるでATフィールドのような「他者との隔絶」を強烈に感じました。ほら、「ATフィールドとは、誰もが持っている心の壁」って渚カヲル君もそう言ってるしね。
と、簡単にまとめるどころか、余計に書いてる文章が袋小路に迷い込んでいる感が否めないんだけど・・・ま、まぁ、とにかくそんな感じです♪(←収拾するのを諦めた)
自分勝手な孤独感や疎外感を多少なりとも心の内でやっかいに抱えこんじゃっている人間にとっては、かなり身に詰まされる映画なんじゃないかな。
重厚ながらも喜劇的でエネルギッシュ。今村正平いうところの重喜劇。そんな言葉を思い起こさせる、劇場で観るべき傑作だと思います。
あ、最後に。
いろいろめんどくさい文章をダラダラと書き殴っちゃったのでついつい触れるのを忘れてしまったけれど、芸達者な演技陣の芝居合戦を観ているだけでも大満足な映画でもありました。
いつもの公家チックな存在感を完全に封印して、「薄汚い中年」を演じきった堺雅人も見事だったし、山田孝之の理不尽モンスター具合も最高。
新井浩文の押し出しの弱さ、綾野剛の中身カラッポ感、田口トモロヲの為されるがままっぷり、そしてでんでんの安定感(なんか最近も同じこと書いた様な記憶が・・・)。こうやって文字にして書き出すだけでも楽しくなるなぁ。
ストーリーとは一切関係ないんですが、意外なシーンでヨシヒコとムラサキの2ショットが拝めたのも何気に嬉しかったしで、そんなどうでもいい部分も含めて、俳優達のアンサンブルが楽しい作品でした。
・・・って、え?ナニがそんなにスゴかったのかですって?
そんなモン、さっきNHKスペシャルでやってた、世界で初めて撮影に成功したダイオウイカの映像のコトに決まってるじゃないですかァァァ~~~ッ!!!
人間の想像力の斜め上をいく非現実なスタイルを持った生物が、深海という自らのフィールドで自由に躍動しているその姿は、美しさを通り越して荘厳ささえ感じました。
流石、「大王」の名は伊達じゃないね!
・・・
・・・
・・・って、アレ?違う違う。イカもスゴかったんだけど、この前観た映画もイカに負けず劣らず凄かったってハナシをしたかったんです。
先週、ずっと気になっていた映画『その夜の侍』を、公開終了ギリギリでなんとか観に行くことが出来ました。

【ストーリー】
郊外で小さな鉄工所を営む中村健一は、5年前、最愛の妻をトラックにひき逃げされた。それからというもの、死んだ妻との思い出から抜け出せないまま抜け殻のようになりながら、犯人への復讐の機会を窺っていた。
一方、刑期を終え出所した犯人の木島宏は、タクシー会社の研修を受けながらも先輩の星を痛めつけたりと、やりたい放題の毎日を送っていた。
そんな木島の元に、復讐を遂げる日までのカウントダウンを告げる脅迫状が届く。。。
堺雅人と山田孝之のW主演となれば、そりゃあもう演技を眺めているだけで面白いのはほぼ確定。それならばと出来るだけ事前情報をシャットダウンして劇場に臨んだ今作だったんですが、当初の予想はヒリヒリするような復讐劇、フィルムノワール的な映画だと勝手に想像してました。
でも、その予想は見事に裏切られちゃいました。良い意味で。
映画の軸となるのは当然「復讐」なんですが、復讐という行為そのものよりも、復讐という名の暗闇に光る電球に、まるで夜の虫のようにわらわらと登場人物たちが集まっていくその様を、哀しみと可笑しみをもって淡々と描いた、まるで人生残酷物語ともいうべき静かで切ない物語でした。
この物語に登場する全ての人物は、孤独で、心のどこかに欠損を抱えています。
そのぽっかりと空いた心の穴を埋めたくて、ある者は愛や理解を求め、ある者は他者の為に尽くし、ある者は何もしないままその場の状況にただただ流され、またある者は内なる欠損にもこれっぽっちも気付くことなく自堕落に、そして無軌道に毎日をただなんとなく生きている・・・
でも、人は決して一人では生きていくできない。
何らかの「磁力」の元に人は引き寄せられ、そこから否が応でも「人間関係」が形作られていく。
この映画の場合、その磁力とは「復讐」です。
復讐する者とされる者、そして彼らを取り巻く者たちの、虚無で孤独な魂の群像劇・・・ボクはこの映画をそんな風に受け取りました。
って、なんだかワケのわからない文章になっちゃったな。
もっと簡潔かつ乱暴に一言でまとめると、エヴァと同じ匂いのする・・・そんな映画でした。
エヴァってさ、要は「他人との距離感やコミニュケーションの取り方が全然分からないんだ。どうしよう・・・」って物語だと思うんですが、この映画が描かんとしているものって、そこなんじゃないかなと感じるんです。
ネタバレになるので詳しくは書かないけれど、ひとつひとつのセリフやシーンに、まるでATフィールドのような「他者との隔絶」を強烈に感じました。ほら、「ATフィールドとは、誰もが持っている心の壁」って渚カヲル君もそう言ってるしね。
と、簡単にまとめるどころか、余計に書いてる文章が袋小路に迷い込んでいる感が否めないんだけど・・・ま、まぁ、とにかくそんな感じです♪(←収拾するのを諦めた)
自分勝手な孤独感や疎外感を多少なりとも心の内でやっかいに抱えこんじゃっている人間にとっては、かなり身に詰まされる映画なんじゃないかな。
重厚ながらも喜劇的でエネルギッシュ。今村正平いうところの重喜劇。そんな言葉を思い起こさせる、劇場で観るべき傑作だと思います。
あ、最後に。
いろいろめんどくさい文章をダラダラと書き殴っちゃったのでついつい触れるのを忘れてしまったけれど、芸達者な演技陣の芝居合戦を観ているだけでも大満足な映画でもありました。
いつもの公家チックな存在感を完全に封印して、「薄汚い中年」を演じきった堺雅人も見事だったし、山田孝之の理不尽モンスター具合も最高。
新井浩文の押し出しの弱さ、綾野剛の中身カラッポ感、田口トモロヲの為されるがままっぷり、そしてでんでんの安定感(なんか最近も同じこと書いた様な記憶が・・・)。こうやって文字にして書き出すだけでも楽しくなるなぁ。
ストーリーとは一切関係ないんですが、意外なシーンでヨシヒコとムラサキの2ショットが拝めたのも何気に嬉しかったしで、そんなどうでもいい部分も含めて、俳優達のアンサンブルが楽しい作品でした。
Posted by miroku at 23:46│Comments(4)
│映画
この記事へのコメント
ダイオウイカ、凄かったですねっ!!
録画して見終わったばかりなので、ちょっとテンション上がってます。
あれは、現代の人が見ても怪物クラーケンと思うわなあ、と23分間の逢瀬のときにしみじみ思いました。
それと、クジラの潜水を体感するシーンには、ちょっとゾクゾクきました。
生物って凄い。
で、「その夜の侍」。
堺さん主演ということで観たかったのですが(堺さんのファンです。照)、重い映画は敬遠しがちな私は結局、行かずじまいでした。
それにしても山田孝之さんは、わりとこういう役柄が多い気がします。「シーサイドホテル」や「ウシジマ」や。
そして、ムラサキも出てるんですね。
是非とも親の仇を討って欲しいものです。(←違)
録画して見終わったばかりなので、ちょっとテンション上がってます。
あれは、現代の人が見ても怪物クラーケンと思うわなあ、と23分間の逢瀬のときにしみじみ思いました。
それと、クジラの潜水を体感するシーンには、ちょっとゾクゾクきました。
生物って凄い。
で、「その夜の侍」。
堺さん主演ということで観たかったのですが(堺さんのファンです。照)、重い映画は敬遠しがちな私は結局、行かずじまいでした。
それにしても山田孝之さんは、わりとこういう役柄が多い気がします。「シーサイドホテル」や「ウシジマ」や。
そして、ムラサキも出てるんですね。
是非とも親の仇を討って欲しいものです。(←違)
Posted by 夜更
at 2013年01月14日 03:26

夜更さん、こんばんです^^
本当に「クラーケン」でしたよね!
水中で襲われたら、絶対に生きて逃げ延びるコトは不可能だろうなぁ。
ダイオウイカの、あの目力・・・凄かったです。
意志や知性が宿っているような気がして、怖さすら感じてしまいました。
この映画、「ブリーフ一丁の堺雅人が、ラブホでデリヘル嬢のご機嫌をとる」という、ファンにとっては夢(悪夢?)のようなシーンがあるので、もし機会があれば是非観てみてくださいね^^
・・・あ、夜更さんもヨシヒコをご存じでしたか。楽しいですよね、アレ♪
本当に「クラーケン」でしたよね!
水中で襲われたら、絶対に生きて逃げ延びるコトは不可能だろうなぁ。
ダイオウイカの、あの目力・・・凄かったです。
意志や知性が宿っているような気がして、怖さすら感じてしまいました。
この映画、「ブリーフ一丁の堺雅人が、ラブホでデリヘル嬢のご機嫌をとる」という、ファンにとっては夢(悪夢?)のようなシーンがあるので、もし機会があれば是非観てみてくださいね^^
・・・あ、夜更さんもヨシヒコをご存じでしたか。楽しいですよね、アレ♪
Posted by miroku
at 2013年01月14日 20:17

MIROKUさん今晩は!登場人物がみんな今までのイメージと違っていましたがそれなりに味があってよかったと思います。新井浩文さんはロキシーさんで見た赤い季節の役柄とは正反対で山田孝之さんの横暴等も良かったですね!山田孝之さんがガードマンのお姉さんをトイレに連れ込む場面は羨ましかったです‥
今年もロキシーさん盛り上げて行きましょう!
今年もロキシーさん盛り上げて行きましょう!
Posted by プラネマン at 2013年01月14日 21:17
プラネマンさん、こんばんです^^
新井浩文の振り幅の広さ、カッコいいですよね。
乱暴者チックな役も上手いけれど、今作のように押し出しの弱い男の演じ方も味があってすごく良いです!
ロキシーはあの建物の雰囲気と居心地の良さが最高ですね♪
新井浩文の振り幅の広さ、カッコいいですよね。
乱暴者チックな役も上手いけれど、今作のように押し出しの弱い男の演じ方も味があってすごく良いです!
ロキシーはあの建物の雰囲気と居心地の良さが最高ですね♪
Posted by miroku
at 2013年01月17日 21:56
