2014年06月22日
映画『アクト・オブ・キリング』
もしかしたら、今年一番観たかった映画かも?な『アクト・オブ・キリング』、ロキシーでの上映がやっとこさ始まったので、早速観に出かけてきました。

【ストーリー】
1960年代のインドネシアで行われていた大量虐殺。その実行者たちは100万近くもの人々を殺した身でありながら、現在に至るまで国民的英雄としてたたえられていた。
そんな彼らに、どのように虐殺を行っていたのかを再演してもらうことに。まるで映画スターにでもなったかのように、カメラの前で殺人の様子を意気揚々と身振り手振りで説明し、再演していく男たち。
だが、そうした異様な再演劇が彼らに思いがけない変化をもたらしていく。
凄まじい、のひとこと。
「秘められた歴史的事実に、そして虐殺の事実に、身が震える思いでした」なんて通り一遍の言葉では決して片づけることのできない、恐怖と、戦慄と、狂気と、嗚咽と、絶望と、滑稽さと、そして人間という生き物の底抜けの間抜けさと・・・そんな様々な感情を闇鍋に一気にぶち込んでグツグツと煮込んだような、そんなドス黒い混沌に満ち満ちた映画体験でした。
どのくらい混沌だったかというと、鑑賞後あまりの衝撃にすぐ帰る気にはなれず、気が付くと2時間ほどあてもなく長野市内をフラフラと彷徨ってしまったほど。
とにかく歩いて、時間をかけて、腹の辺りで渦巻いている様々な感情を整理したかったんだと思う。。。
詳しい映画の内容については、ボクなんかが駄文を重ねるよりも、
(TBSラジオ「たまむすび」より)
を聞いていただければ、より深く理解できると思います。
事実、ボクもこの放送でこの映画の存在を知って、強烈に観たくなったくらいだから。
この映画の題材となったインドネシアの虐殺や、ルワンダでのツチ族の大虐殺、それにこの前記事にした、関東大震災時の虐殺にも共通
すると思うんだけど、加害者は決して生まれついての異常者や殺戮者なんかではなく、「普通の人たち」なんだよね。
というか、ボク自身が加害者となっている可能性だって・・・
「まさか、そんな?!」
と、今コレを書いているボクだって、自分が虐殺する立場になるなんて想像もつかないけれど、それはきっと、ほとんどの加害者だって同じだと思います。
人は殺しちゃダメだなんて、誰だってわかりきっている当然のコトだから。
でも、その時代を取り巻く政治状況や社会情勢によって、いつだってどこでだって虐殺は行われてきました。「普通の人たち」の手によって。
人間って、一体何なんだろうね。
ボクたちの中にある「善」と「悪」の境界線って、本当はものすごく曖昧で、ふとした切欠であやふやになってしまうものなんじゃないかなと、思ったりもします。
それを自覚したトコロから始まるんじゃないかな、、、とも。
この映画は、ある意味映画史上類を見ないともいえる衝撃のラストシーンで終わるんだけど、この瞬間、この映画は決してよその国の、赤の他人のオハナシなんかじゃなく、今を生きるボクたちに突き付けられた物語になります。
だからこそ・・・心底恐ろしい映画でした。
グロいシーンこそないものの、かなりショッキングな情報を含んでいるので、観るべし!と諸手を上げてオススメできる映画ではないけれど、観る価値のある作品なのは間違いないので、興味のある方は是非!
PS...
上の動画で映画解説者の町山さんも言っているけど、この映画は真面目一辺倒じゃなくて、思わず笑ってしまうようなシーンも結構あります。
もちろん陽性の笑いなんかじゃ決してなくて、あまりにもボクたちの常識とかけ離れたシュールなその光景に「え?ナニやってんのこの人ら???」という、苦笑いなんだけどね。
それに、何故かミュージカル仕様な場面では、チープでシュールな画面構成や、インドネシアの素晴らしい景色と相まって、妙にアーティスティックなシーンに仕上がっちゃってるし、そんな意味でも混沌極まりない映画でした。。。
『アクト・オブ・キリング』

【ストーリー】
1960年代のインドネシアで行われていた大量虐殺。その実行者たちは100万近くもの人々を殺した身でありながら、現在に至るまで国民的英雄としてたたえられていた。
そんな彼らに、どのように虐殺を行っていたのかを再演してもらうことに。まるで映画スターにでもなったかのように、カメラの前で殺人の様子を意気揚々と身振り手振りで説明し、再演していく男たち。
だが、そうした異様な再演劇が彼らに思いがけない変化をもたらしていく。
凄まじい、のひとこと。
「秘められた歴史的事実に、そして虐殺の事実に、身が震える思いでした」なんて通り一遍の言葉では決して片づけることのできない、恐怖と、戦慄と、狂気と、嗚咽と、絶望と、滑稽さと、そして人間という生き物の底抜けの間抜けさと・・・そんな様々な感情を闇鍋に一気にぶち込んでグツグツと煮込んだような、そんなドス黒い混沌に満ち満ちた映画体験でした。
どのくらい混沌だったかというと、鑑賞後あまりの衝撃にすぐ帰る気にはなれず、気が付くと2時間ほどあてもなく長野市内をフラフラと彷徨ってしまったほど。
とにかく歩いて、時間をかけて、腹の辺りで渦巻いている様々な感情を整理したかったんだと思う。。。
詳しい映画の内容については、ボクなんかが駄文を重ねるよりも、
(TBSラジオ「たまむすび」より)
を聞いていただければ、より深く理解できると思います。
事実、ボクもこの放送でこの映画の存在を知って、強烈に観たくなったくらいだから。
この映画の題材となったインドネシアの虐殺や、ルワンダでのツチ族の大虐殺、それにこの前記事にした、関東大震災時の虐殺にも共通
すると思うんだけど、加害者は決して生まれついての異常者や殺戮者なんかではなく、「普通の人たち」なんだよね。
というか、ボク自身が加害者となっている可能性だって・・・
「まさか、そんな?!」
と、今コレを書いているボクだって、自分が虐殺する立場になるなんて想像もつかないけれど、それはきっと、ほとんどの加害者だって同じだと思います。
人は殺しちゃダメだなんて、誰だってわかりきっている当然のコトだから。
でも、その時代を取り巻く政治状況や社会情勢によって、いつだってどこでだって虐殺は行われてきました。「普通の人たち」の手によって。
人間って、一体何なんだろうね。
ボクたちの中にある「善」と「悪」の境界線って、本当はものすごく曖昧で、ふとした切欠であやふやになってしまうものなんじゃないかなと、思ったりもします。
それを自覚したトコロから始まるんじゃないかな、、、とも。
この映画は、ある意味映画史上類を見ないともいえる衝撃のラストシーンで終わるんだけど、この瞬間、この映画は決してよその国の、赤の他人のオハナシなんかじゃなく、今を生きるボクたちに突き付けられた物語になります。
だからこそ・・・心底恐ろしい映画でした。
グロいシーンこそないものの、かなりショッキングな情報を含んでいるので、観るべし!と諸手を上げてオススメできる映画ではないけれど、観る価値のある作品なのは間違いないので、興味のある方は是非!
PS...
上の動画で映画解説者の町山さんも言っているけど、この映画は真面目一辺倒じゃなくて、思わず笑ってしまうようなシーンも結構あります。
もちろん陽性の笑いなんかじゃ決してなくて、あまりにもボクたちの常識とかけ離れたシュールなその光景に「え?ナニやってんのこの人ら???」という、苦笑いなんだけどね。
それに、何故かミュージカル仕様な場面では、チープでシュールな画面構成や、インドネシアの素晴らしい景色と相まって、妙にアーティスティックなシーンに仕上がっちゃってるし、そんな意味でも混沌極まりない映画でした。。。
この記事へのコメント
これ、ちょっと気になっていたんですが
仕事だけで体力消耗しちゃって、シリアスなやつや考えさせられるような
体力気力を必要とする映画が観れないんですよー(+_+)
起承転結ハッキリしたのんきなやつが観たいです
仕事だけで体力消耗しちゃって、シリアスなやつや考えさせられるような
体力気力を必要とする映画が観れないんですよー(+_+)
起承転結ハッキリしたのんきなやつが観たいです
Posted by とらうさ at 2014年06月23日 22:29
とらうささん、こんばんです^^
う~ん、たしかにコレ、気力と体力を要する作品かも、、、
徹夜明けで100メートル全力で走るような映画だからなぁ(←どんな映画だよ?!)
のんきな映画かぁ。思いっきり笑えて、観ている間は仕事やイヤなコトをスカッと忘れさせてくれるバカ映画なら、いくつかオススメがパッと思いついたので、タイトルだけ書いとくね。
『俺たちフィギュアスケーター』
『ズーランダー』
『宇宙人ポール』
どれもこれもカラッと気持ちの良いバカさ加減なコメディーなので、よかったらストレス発散に使ってみてくださいな♪
う~ん、たしかにコレ、気力と体力を要する作品かも、、、
徹夜明けで100メートル全力で走るような映画だからなぁ(←どんな映画だよ?!)
のんきな映画かぁ。思いっきり笑えて、観ている間は仕事やイヤなコトをスカッと忘れさせてくれるバカ映画なら、いくつかオススメがパッと思いついたので、タイトルだけ書いとくね。
『俺たちフィギュアスケーター』
『ズーランダー』
『宇宙人ポール』
どれもこれもカラッと気持ちの良いバカさ加減なコメディーなので、よかったらストレス発散に使ってみてくださいな♪
Posted by miroku
at 2014年06月23日 23:14

「ズーランダー」見てみたいかも!
でも、今の疲れ具合からすると笑うのも疲れそう…ヤバい私
今の私にはホロッと泣けるベタなやつとか、
ヒューグラントの出てるベタなラブコメとかがちょうど良さそうです。
生活環境変わったら、色々観たいですね~
でも、今の疲れ具合からすると笑うのも疲れそう…ヤバい私
今の私にはホロッと泣けるベタなやつとか、
ヒューグラントの出てるベタなラブコメとかがちょうど良さそうです。
生活環境変わったら、色々観たいですね~
Posted by とらうさ at 2014年06月24日 21:41
とらうささん、こんばんです^^
なんだかとってもお疲れのご様子。。。転職のハナシとかも以前にされていたけど、体調等諸々大丈夫ですか?あまり考え過ぎたり、無理し過ぎないようにね。
ヒュー・グラントといえば、思い出した!今のとらうささんにオススメできそうなの、あった!!!
『アバウト・ア・ボーイ』って映画、知ってます?
ラブコメじゃないけど、見ると元気が出るというか「ボクも頑張んなきゃな」と、背中を押されるような作品です。
でも、元気の押し売りじゃなくて、さりげな~く飄々と背中をポンッと叩いてくれるような、、、そんな優しい映画。
気持ち的に映画を観る余裕が出てきたら、試しちゃってくださいな^^
なんだかとってもお疲れのご様子。。。転職のハナシとかも以前にされていたけど、体調等諸々大丈夫ですか?あまり考え過ぎたり、無理し過ぎないようにね。
ヒュー・グラントといえば、思い出した!今のとらうささんにオススメできそうなの、あった!!!
『アバウト・ア・ボーイ』って映画、知ってます?
ラブコメじゃないけど、見ると元気が出るというか「ボクも頑張んなきゃな」と、背中を押されるような作品です。
でも、元気の押し売りじゃなくて、さりげな~く飄々と背中をポンッと叩いてくれるような、、、そんな優しい映画。
気持ち的に映画を観る余裕が出てきたら、試しちゃってくださいな^^
Posted by miroku
at 2014年06月24日 22:20

アバウト・ア・ボーイ見たことありますよー
あの男の子、成長してイケメンになってますね!
ヒューが出てる映画は、結構好きです♪ラブアクチュアリーとか
体・精神は大丈夫ですよー。
単純に今の仕事が世間的に言ったら「ブラック」で体力的に厳しいだけなんです。
長い目で見て体がもたないのでしょうがないから転職するんですよ。
やりがいあって、性にあった仕事なんですけどね(+_+)
あ、「せい」じゃなくて「しょう」だから。そういう仕事じゃないっすよ(笑)
あの男の子、成長してイケメンになってますね!
ヒューが出てる映画は、結構好きです♪ラブアクチュアリーとか
体・精神は大丈夫ですよー。
単純に今の仕事が世間的に言ったら「ブラック」で体力的に厳しいだけなんです。
長い目で見て体がもたないのでしょうがないから転職するんですよ。
やりがいあって、性にあった仕事なんですけどね(+_+)
あ、「せい」じゃなくて「しょう」だから。そういう仕事じゃないっすよ(笑)
Posted by とらうさ at 2014年06月24日 23:30
とらうささん、こんばんです^^
アバウト・ア・ボーイ、ご存知でしたか♪
ってか、あの子役、いつの間にか長身のイケメンに変身してましたよね~
『X-MEN』にも出演してて、天才なんだけど全身毛むくじゃらの獣男を熱演(?)してました・・・って、どんな役やねん!
転職先、決まったんですね!
おめでとうございます☆
ボクも若かりし頃、いわゆる「ブラック」な職場に居たコトがあるけど、肉体的なキツさもさることながら、徐々に精神が蝕まれる感じがあって・・・あれはやっぱりキツかったなぁ。
新しい職場で最高のスタートが切れることを心から祈ってます^^
・・・って、「性」くらいちゃんと読めるっちゅうねんッ!ったくもう、失敬だなチミは!いったいボクのコトをなんだと思ってるのさッ(←ド工口な珍獣ヨソヂヂイだろ?)
アバウト・ア・ボーイ、ご存知でしたか♪
ってか、あの子役、いつの間にか長身のイケメンに変身してましたよね~
『X-MEN』にも出演してて、天才なんだけど全身毛むくじゃらの獣男を熱演(?)してました・・・って、どんな役やねん!
転職先、決まったんですね!
おめでとうございます☆
ボクも若かりし頃、いわゆる「ブラック」な職場に居たコトがあるけど、肉体的なキツさもさることながら、徐々に精神が蝕まれる感じがあって・・・あれはやっぱりキツかったなぁ。
新しい職場で最高のスタートが切れることを心から祈ってます^^
・・・って、「性」くらいちゃんと読めるっちゅうねんッ!ったくもう、失敬だなチミは!いったいボクのコトをなんだと思ってるのさッ(←ド工口な珍獣ヨソヂヂイだろ?)
Posted by miroku
at 2014年06月25日 21:33

すいません、転職先まだ決まってないです。
書き方が悪いですね。文才無くて申し訳ないです。
今日も面接に行ってきましたが、どうなるやら…
あの男の子「ビースト」ですよね。
残念な成長を遂げがちな子役の中ではイイ方なのでは?
フレディ・ハイモアとかちょっと残念なんですよね…
書き方が悪いですね。文才無くて申し訳ないです。
今日も面接に行ってきましたが、どうなるやら…
あの男の子「ビースト」ですよね。
残念な成長を遂げがちな子役の中ではイイ方なのでは?
フレディ・ハイモアとかちょっと残念なんですよね…
Posted by とらうさ at 2014年06月25日 22:02
とらうささん、こちらこそ早合点しちゃってゴメンナサイ!(土下座)
最近、早とちりとかうっかりがホントに多くて・・・
「これってもしかして、何かの病なのでは???」
と、我ながらちょっと心配になるレベルで。。。
今日の面接が、明日に繋がる結果になると良いですね♪
フレディ・ハイモア!
最近ちょっと見なくなっちゃったけど、彼を見ると若い頃の郷ひろみを思い出しちゃうんですよね。
あの眉毛の感じが・・・(苦笑)
最近、早とちりとかうっかりがホントに多くて・・・
「これってもしかして、何かの病なのでは???」
と、我ながらちょっと心配になるレベルで。。。
今日の面接が、明日に繋がる結果になると良いですね♪
フレディ・ハイモア!
最近ちょっと見なくなっちゃったけど、彼を見ると若い頃の郷ひろみを思い出しちゃうんですよね。
あの眉毛の感じが・・・(苦笑)
Posted by miroku
at 2014年06月25日 22:41
