2015年06月30日

映画落穂拾い

感想を書きたい映画が溜まってきたので、またまたここらでちょっと落穂拾いしときます。





『トゥモローランド』







昭和なラブホテルだと今でもまだあるのかな?清算する時に料金をカプセルに入れて空気圧のポンプで「プシューッ」と送り出すヤツ、あるでしょ?
アレを初めて見た時に、

「うわぁ!子供の頃に本で見た未来世界にあるヤツだ!」

と、妙にテンションが上がったっけ。


流線型の銀色ロケットが宙を舞い、チューブ状の道路の中をエアカーがビュンビュンと走り、科学の発達が人々の笑顔に直結した未来世界。
70年代に小学生だった人たちは、そんな未来予想図を学校の図書館や学年誌で読んだコトがあるんじゃないかな?


ラブホの料金カプセルが、幼き頃に見たそんな未来都市の景色と重なって、

「オトナの階段を登るって、こういうコトなんだなぁ」

と、しみじみ思いましたとさ。


・・・とまぁ、そんな映画でした。(どんな感想だよ?)










『駆込み女と駆出し男』







達者な役者陣、出来の良い脚本、本格時代劇のしっとり感、そこに違和感なく差し込まれた現代的な感覚。
それら映画を構成する全ての要素がかなり高いレベルでピタッと噛み合った、文句なしに面白い映画でした。


全てのシーンのアベレージが高いので、印象的なシーンを選出するのが実は非常に難しかったりするんだけど、個人的に嬉しかったのは大泉さんとキムラ緑子の掛け合い
江戸言葉(?)を尊重した脚本と、ご両人のマシンガントークのスピード感で、正直「え?今なんてった?」と聞き取りづらい部分が無きにしも非ずだったりもするんですが、それ以上に、耳に入ってくる台詞の「音としての気持ち良さ」が秀逸だったなぁ。


こんなに面白くて、しかも映画的完成度が高い作品は本当に久しぶりかも。
もう2~3回くらいは劇場で観たいな・・・と思ってたら、公開が終わっちゃってましたとさ。トホホ。


時代劇コメディーの大傑作『幕末太陽傳』の雰囲気をどことなく漂わせる今作、さしずめ大泉さんは平成のフランキー堺なのかもしれない・・・といったら言い過ぎか、やっぱり。










『0.5ミリ』








とある事情で、職も家も失ったヘルパーが、行く先々の土地でワケありな老人を見つけては弱みに付け込み、押しかけヘルパーとしてその家に転がり込むというコメディー。

・・・ううん、コメディーはコメディーなんだけど、笑いだけじゃなく老いや介護の問題、そして「人としてどう生きるか?」というテーマも内包した、重量感のある作品でした。


ここで特筆したいのが、安藤サクラの千変万化な存在感!
献身的で、したたかで、純情で、狡賢くて、官能的。そんな相反する表情や感情の様々を軽やかに演じている姿の、その清清しさときたら!


惚れてまうやろッ!!!(イヤ、ホントに)



で、

安藤サクラで、もういっこ。





『百円の恋』








32歳の引き篭もり女子が、いろいろなんだかんだあって、プロボクサーを目指すというオハナシ。


ここでも主演の安藤サクラが素晴らしかった!
死んだ目、弛みきった腹や尻の肉をぼりぼりと掻くその仕草、私服とパジャマ兼用のボロボロなスエットから透けて見える黒いパンツ・・・
「だらしない」という言葉を、ここまで的確に、そしてハードに表現できる女優を、初めて見ました。


そんなだらしない肉体が、生まれて初めて人生と対峙するという決意のもと、みるみる鋭くなっていくという視覚的な驚きを、自らの肉体でもって表現しきる安藤サクラの凄まじさ!

おそらく今日本で一番「説得力のある役者」のひとりだと思います。

今までも上手い役者だなと思っては見ていたんだけど、これからは出てる作品全部押さえなきゃ!ってくらいに、ボクの中では大ブーム到来です。










『群盗』







いきなりだけど、結論から。
現段階で、今年のナンバー1決定。


んもう、すんげぇ面白かった!


圧政を敷く為政者に、義賊と民衆が反旗を上げるという、シンプルかつ使い古された題材(一揆モノ)なんだけれど、作り方ひとつでこうも面白くなるのかという、まさに映画の教科書みたいな作品でした。


・およそ200年前の朝鮮での出来事を、マカロニウェスタンの文法で描いてみせて、その試みが見事にハマっている。

・ハ・ジョンウ演じる、元屠畜人で現在は義賊団希代のエースな主人公の、荒々しいまでの格好の良さと、純真(ピュア)過ぎるオツムの中身。

・冷血な為政者を演じるカン・ドンウォンの、エロスさえ感じるその研ぎ澄まされた身のこなし。

・竹林の修行シーンや、ラストでの赤ちゃんを抱き抱えながらの大バトルなどなど、ハイライトとなるシーンのひとつひとつがちゃんとその機能を果たしていている。当たり前のコトだけど、そんな当たり前のコトが出来ていない映画のなんと多いことか。。。



などと、良かった探し(byポリアンナ)を箇条書きにて羅列してみたんだけど、とてもじゃないけど書ききれないよ!

つまり、100点満点ってコト。

しかも、最後に登場する、ジャンゴ的なアレ
100点満点だったけど、更に5億点追加しといて!


ちょっと前から各方面で話題になっていた今作、きっと長野じゃやらないだろうからDVD待ちかなぁ・・・と諦めていたトコロ、まさかのシネマポイントでの上映。
「スクリーンが小さい」だとか「学校の視聴覚室じゃないんだから」といった上映環境の悪さが全く気にならない程の、大傑作でした!





本作の主人公、トルムチ君の勇姿(劇中年齢20歳!)











『ニンフォマニアックvol.1&vol.2』







ニンフォマニアック。日本語に訳すと色情狂。
身も蓋もない描写がひたすら続く、そんな4時間越えの大作です。

「テメェ!エロ映画なんか紹介してんじゃねぇよッ!」

とご立腹の方もいらっしゃるかとは思うんですが、安心して。ちっともエロくないから。
オッパイやお尻、それに〇〇〇や〇〇〇まで、えげつないまでに全部おっぴろげ(もちろんモザイク有)なんだけど、この映画を見て興奮する人っていないんじゃないのかな?

その理由(わけ)は、この映画で描写されているのは、性の快楽なんかじゃなく、痛々しいまでにリアルで、妄想やファンタジーの介入を許さない切実で真摯な行為だから。


ヒロインの、その鬼気迫る性の求道者っぷりは、エロというよりは武芸者のそれに近くて、ヒロインが頑張れば頑張るほど周囲はドン引き。
あまりの壮絶さに軽く笑いさえこぼれてしまうその様は、まんま劇画「空手バカ一代」の大山総裁状態


性の・・・というよりも、精神性を一切排除した、ただ肉体のみの快楽を追及した先に、一体何が見えるのか?どんな光景が広がっているのか?
そのラストはあまりに唐突で衝撃的。
そして、この監督のファン(ボクも含む)にとっては「あぁ、やっぱりね・・・」と、ある種の様式美を見るような、そんな一筋縄じゃいかない映画でした。


ちなみに、この映画は監督の「鬱3部作」の最終章。
・・・ま、まぁ、、、そういう後味の映画です。



  


Posted by miroku at 23:15Comments(4)日記映画